エグランティーヌ 本好き。 フェルマイ (ふぇるまい)とは【ピクシブ百科事典】

【本好きの下剋上】香月美夜総合スレ 710冊目

エグランティーヌ 本好き

魔力圧縮方法の第四段階を目指して、形相が変わるほどアンゲリカは勉強に打ち込み始めた。 よほど魔力を伸ばして魔剣シュティンルークに貢ぎたいようだ。 「ローゼマイン様の圧縮方法はすごいのです。 わたくしは次々と思いつくローゼマイン様を尊敬いたします」 目標を見つけたら真っ直ぐに突っ込んでいくアンゲリカに付き合わされるのはコルネリウス兄様である。 ダームエルと共に「アンゲリカの成績を上げ隊」として、すでに何年もアンゲリカに教えてきた実績と、アンゲリカに教えるために最上級生までの座学を終えていることからも、適任と言えよう。 コルネリウス兄様はわたしの図書館通いに付き合えるように、すでに自分の座学は終えていて、時折、実技の講義に行くだけになっている。 今はわたしの図書館通いに加えて、朝食後と夕食後は多目的ホールで勉強しているアンゲリカと騎士見習い達の先生役をしている。 「コルネリウス、アンゲリカの先生は大変でしょう? 大丈夫ですか?」 「ローゼマイン様の図書館通いがなければ、もっと楽になります。 図書館は二日に一度にしませんか?」 ニッコリと笑ってとんでもない提案をされてしまった。 わたしはニッコリと笑って首を振って、コルネリウス兄様を精一杯激励しておくことにした。 「わたくしがエーレンフェストに戻るまで、もう三週間もございませんもの。 わたくし、コルネリウスならば、大丈夫だと信じています。 頑張ってくださいませ」 「自重する気はないのですね?」 コルネリウス兄様は処置なしというように軽く肩を竦める。 何を言っても無駄なことはわかっていると言いたげな顔だ。 自重と聞いて、わたしは頬に手を当てると、こてりと首を傾げた。 「……自重ですか。 確か、かなり昔に捨てたような記憶がうっすらとございます」 「自重は捨てるようなものではございません! 拾って来てください」 即座に返ってきたコルネリウス兄様の言葉に、わたしはベンノの拳を思い出し、ちょっと懐かしい気分になった。 ……あ、ベンノさんに連絡とって、リンシャンや植物紙が大量に必要になりそうなことを伝えなきゃ。 製造方法を売ることになるのかどうかの話し合いも必要だよね。 奉納式のために帰った時になるべく早く教えてあげよう、と考えていると、コルネリウス兄様に両手で頬を包まれ、むぎゅっと押し付けられた。 「途中でいきなりぼんやりして思考に没頭せず、人の話は最後まで聞いてください、ローゼマイン様」 「はなしてくらしゃいましぇ!」 わたしがコルネリウス兄様の手首をつかんだものの、騎士見習いをしているコルネリウス兄様の手を剥がすことはできない。 このままではせっかくの可愛い顔が潰されてしまう。 わたしが何とか手を剥がそうと奮闘していると、最初は怒っていたコルネリウス兄様の目が、段々と面白がるものに変わっていく。 「コルネリウスとローゼマイン様はとても仲の良い兄妹なのですね」 レオノーレがクスクスと笑い、コルネリウス兄様が軽く息を呑んで、慌てたように手を離した。 そして、少し困ったようにわたしとレオノーレを見比べる。 「ローゼマイン様とこのようなやりとりするようになったのは、貴族院に来てからだ。 私達は洗礼式前の教育期間しか一緒に暮らしていないから」 「コルネリウスとこういうちょっとしたやり取りができるのは、貴族院の良いところですわね」 城ではもっときっちりと距離を取っていなければ、周囲から叱責を受ける。 護衛騎士と領主の養女としての付き合いしかしてこなかったわたし達が距離を縮められたのは、貴族院へと来たからだ。 それでも、完全に兄妹の関係とは言えないけれど。 興味深そうにレオノーレが覗き込んでくるので、わたしはちょっとだけコルネリウス兄様に恋愛系の話を振ってみることにした。 「そういえば、貴族院の卒業式ではエスコートが必要なのでしょう? 女性は相手がいなければ、親族からどなたかが出席すると伺ったのですけれど、男性はどうするのですか? コルネリウス兄様ならば、やはりお母様がいらっしゃるのでしょうか?」 ウチのお兄様達に嫁入りという噂があるアンゲリカへと視線を向けながら、わたしが言うとレオノーレが藍色の瞳をキラリと輝かせた。 コルネリウス兄様は突然の話題に目を瞬きながら、それでも律儀に答えをくれる。 「……そうですね。 母親であったり、叔母であったり、一目で対象外とわかる方をエスコートします。 年の近い姉妹に頼めば、周囲からは相手がいると勘違いされて、縁談に響きますから」 「親族にお願いするのは男女共通なのですね。 では、コルネリウスは誰をエスコートするのですか?」 「は!? 突然何を言いだすのですか!?」 周囲を見回し、コルネリウス兄様が一目でわかるほどに狼狽する。 「もしかして、まだいないのですか? あと一年で見つかりますか? コルネリウスは人気があると伺いましたから、わたくしが誰か見繕って頼んであげましょうか?」 「ローゼマイン様のご心配には及びません! 自分で申し込みます」 ……相手に心当たりはあるのか。 ほほぅ、とわたしが頷く隣でレオノーレが不安そうに目を伏せた。 忙しいコルネリウスを付き合わせて図書館通いを続けた数日後、エグランティーヌからお茶会のお誘いが来た。 「三日後の午後ですか。 わかりました」 大領地クラッセンブルクからのお誘いとあって、側近達が誇らしげに顔を綻ばせながら即座に準備のために動き出した。 ブリュンヒルデとリーゼレータは三日後の午後に自分達の講義が入っていないかどうかすぐに確認をし、同行できるかどうかを確かめる。 女性同士のお茶会なので、レオノーレとユーディットが護衛につくことが決まった。 アンゲリカは魔力獲得のために勉強するらしい。 一度決めたら脇目も振らずに集中する姿は清々しい。 フィリーネも若葉のような瞳を輝かせ、「大領地クラッセンブルクについての情報を集めて参ります」と寮を飛び出していった。 そんな大張り切りの側近達の中でも、流行発信に力を入れるブリュンヒルデの張り切りようが一番すごかった。 「ローゼマイン様、リンシャンを小分けにして持って行きましょうか? 音楽の先生方とのお茶会でエグランティーヌ様とそのようにお約束していらっしゃったでしょう?」 「そうですね、一回分くらいは持って行っても良いのではないかしら? 小さな瓶に分けてくださる?」 「かしこまりました」 小瓶の選定から始まり、三種類あるリンシャンのどれを持って行くのか、エグランティーヌがまとう香りと喧嘩しない香りを真剣に選び、丁寧に詰めていく。 わたしはエグランティーヌがどのような香りをまとっていたのか、全く覚えていない。 いい匂いだったことは覚えているけれど。 「手土産のカトルカールは、やはり蜂蜜味ですか?」 リーゼレータの質問にわたしは少し考え込んだ。 先生方のお茶会、アナスタージウスの呼び出し、とすでに蜂蜜味のカトルカールは二回エグランティーヌに賞味されている可能性がある。 「毎回同じ手土産では芸がないと思われないでしょうか? それとも、流行を発信するためにはこれがエーレンフェストの一押しです、と同じ物を持って行く方が良いのかしら? 中央ではどのような感じですの?」 わたしの言葉にブリュンヒルデも少し考え込み、ハッとしたように顔を上げた。 「蜂蜜味とフィリジーネの味がする物の二つを準備するのはどうでしょう? エグランティーヌ様がお気に召されている定番の物と少し目先を変えた物があれば、いつも同じ物という感想にはならないと思うのですけれど」 ソランジュに持って行ったプレーンでも、アナスタージウスに持って行ったルムトプフでもない味を持って行けば、カトルカールの多彩さも伝わるだろう。 お茶の好みや香りの好みから、フィリジーネを入れたカトルカールが一番良いと思う、とブリュンヒルデが提案してくれた。 お茶や香りから相手の好みを考えられないわたしにはお手上げだ。 ブリュンヒルデの能力に驚きつつ、頷いて許可を出すしかできない。 わたしが頷くと、「では、そのように手配いたしますね」とリーゼレータがニコリと笑った。 厨房へと向かうリーゼレータを見送った後、ブリュンヒルデはロジーナへと視線を向けた。 楽師であるロジーナはお茶会に連れて行かなければならないため、話し合いの場には同席している。 「ロジーナ、光の女神に捧げる曲は完成したのでしょうか?」 「もう少し時間をかけたいと存じます。 せっかく差し上げるのですから、少しでも良い曲に仕上げたいですし、依頼者であるアナスタージウス王子にもう一度お伺いを立てた方がよろしいのではございませんか?」 勢いでエグランティーヌに捧げろ、と言っていたけれど、最初に依頼してきたのはアナスタージウスだ。 確かに一度お伺いを立てた方が良さそうだ。 ただ、アナスタージウスに「作詞しますか?」と聞いてあげた方が良いのか、愛が暴走しそうなのでこちらで作ってあげた方が良いのか、悩むところである。 そして、お茶会当日となり、わたしは大領地クラッセンブルクのお茶会が行われる部屋へと向かった。 お茶会用の部屋にはいくつかのテーブルとそれに合わせた椅子が準備されているようだが、今日はテーブルを一つしか使わないため、大半が奥に置かれ、大きな絵のついた衝立で空間が区切られている。 エーレンフェストの建物は白の部分を残しつつ、タペストリーなどの布で飾ることが多く、家具の大半に木製の物が使われている。 けれど、クラッセンブルクの室内はびっしりと複雑な文様で刺繍された布が壁紙のように貼られ、絵画が富の証というようにたくさん飾られていた。 家具には大理石のようなマーブル模様の石が使われている部分が多く見られ、領地ごとに文化の違いがあることがわかった。 「お待ちしておりましたわ、ローゼマイン様」 エグランティーヌが、明るいオレンジの瞳を柔らかく細めて出迎えてくれた。 今日のエグランティーヌは光の女神に例えられるのも納得できるような波打つ金髪を複雑に結いながらハーフアップにして、繊細なレースで飾っている。 流行している複雑な編み方のレースだ。 この髪を飾るレースは花嫁修行の一環として作られた物であり、自分の腕を好きな人に見せるために飾ったのが始まりで、その女の子の恋愛が成就したことから、あっという間に貴族院で流行したらしい。 ……わたしと違って、エグランティーヌ様はすごいね。 本職のトゥーリ並だ。 ちなみに、わたしの髪飾りはトゥーリ任せである。 初期はわたしも作っていたが、もう完全にレベルが違うので、自作の髪飾りなんて付けられない。 「お招きいただきましてありがとう存じます、エグランティーヌ様」 「本当ならば、わたくしのお友達もお招きして、紹介して差し上げた方が良いのでしょうけれど、今日は折り入ってお話したいことがございます。 お友達の紹介は、また後日に改めてさせてくださいませ」 「勿体ないお言葉に存じます」 交流を広げるのが貴族院でのお茶会だが、わたしは少人数の方が落ち着くので、問題ない。 エグランティーヌの側仕えにブリュンヒルデが手土産を渡し、カトルカールが二種類テーブルに並べられる。 わたしとエグランティーヌはそれぞれが準備したお茶を飲み、お菓子を食べて、勧め合う。 「ローゼマイン様、このカトルカールは色々な味があるのですか? 先日、アナスタージウス王子からいただいたカトルカールはまた違った味がいたしますけれど……」 アナスタージウスはしっかりとエグランティーヌにお裾分けしていたらしい。 少しは点数稼ぎができただろうか。 「あちらはルムトプフを入れたカトルカールで、こちらはフィリジーネが入っています。 エグランティーヌ様はやはり蜂蜜入りがお好みですか?」 「蜂蜜入りも好きですけれど、わたくしはこのフィリジーネを入れた物も好きですわ。 爽やかで口の中に広がる風味が素敵です」 エグランティーヌ様にはフィリジーネを入れたカトルカールも受けが良いようだ。 フィリジーネを入れたカトルカールを選択したブリュンヒルデが嬉しそうにほんの少しだけ唇の端を上げたのが見えた。 「それから、こちらが髪の艶を出すためのリンシャンになります。 使い方はわたくしの側仕えのリーゼレータがお教えいたしますね」 わたしがエグランティーヌに小瓶を差し出すと、エグランティーヌは蓋を開けてその香りをゆっくりと堪能した。 「とてもいい香りですね」と満足そうに目を細めて、自分の側仕えに小瓶を渡す。 リーゼレータがエグランティーヌの側仕えに使い方を教えるために退室していく。 その様子を微笑んで見ていたエグランティーヌがくるりとわたしの方を向いた。 「ローゼマイン様は図書館の魔術具の主となるためにダンケルフェルガーとディッターの勝負をしたのでしょう? アナスタージウス王子から伺いました。 とても優秀なのですね。 驚きましたわ」 アナスタージウスはエグランティーヌとの会話のネタにわたしを利用しまくっているようだ。 エグランティーヌはシュバルツとヴァイスに関する話をほとんど知っていた。 恐ろしい情報量である。 「魔術具に関しては成り行きですし、ディッター勝負も奇策を利用したもので実力ではございませんでした。 本当ならば、ダンケルフェルガーには勝てませんでしたよ。 ダンケルフェルガーの騎士見習いはとても見事だったのです」 「あら、ルーフェン先生もローゼマイン様の戦いぶりをずいぶんと褒めていらっしゃいましたよ。 また再戦したいのですって」 ……ルーフェン先生には近付かないようにしようっと。 「ローゼマイン様は奉納舞もとてもお上手でしたわ」 「小さいからそう見えるだけではないでしょうか。 もし、本当にわたくしが上手く舞えたとしたら、それはエグランティーヌ様のお稽古を間近で見ていたせいですね。 わたくし、エグランティーヌ様のように舞いたいと思って、舞ったのです」 「……ローゼマイン様が殿方でなくて、本当に良かったと思いますわ。 お稽古を食い入るように熱のこもった目でじっと見詰められた上に、そのような褒め言葉を頂いては、簡単に心が傾きそうですもの」 照れたようにエグランティーヌがそう言った。 「お上手ですね」と舞を褒められるのは珍しくないが、「同じように舞いたい」と言われるのは初めてだったらしい。 ……アナスタージウス王子に教えてあげた方が良いかな? 何故其方ばかりって、また怒られるかな? 「それに、ローゼマイン様はすでに講義を全て終えたのでしょう? 側仕えからお茶会の予定について相談した時に伺って、わたくし、とても驚いたのですよ」 「低学年の講義はそれほど難しくありませんから、早く終える方は多いと、わたくしの後見人から伺っております」 ……いくら早く終わるとは言っても、最初の二週間で全て終わらせて、図書館に通えるようになっているとは神官長も考えなかっただろうけどね。 そう考えて、わたしは奉納式が近付いていることを思い出した。 一日中図書館に引き籠れる素敵生活との別れが迫ってきている。 憂鬱だ。 「わたくしは途中でエーレンフェストに戻らなくてはならない用件がございますから、急いで講義を終えなければならなかったのです」 「ローゼマイン様がエーレンフェストの神殿長でいらっしゃるから、でしょう?」 「えぇ、そうです。 奉納式があるのです」 神殿に出入りしている貴族は嫌悪される傾向が強いけれど、エグランティーヌのオレンジの瞳に嫌悪感はない。 むしろ、興味があるように見える。 興味というには少し真剣な眼差しに見えるのは気のせいだろうか。 「奉納式ではどのようなことをなさいますの? 奉納舞でしょうか?」 「舞ではございません。 春に領内の土地を魔力で満たせるように、小聖杯に魔力を込める儀式です。 この魔力がなければ、領地の収穫量に大きな違いが出ます。 領地をできるだけ多くの魔力で満たすための大事な儀式なのです」 「領主の子を神殿長として、土地を魔力で満たすのですから、エーレンフェストでは古い方法が脈々と受け継がれているのですね。 感心いたします」 領主の子を神殿長にするほど魔力不足なのか、と言われると思っていたわたしが思わぬ言葉に目を瞬いていると、エグランティーヌが一度目を伏せた。 「わたくし、ローゼマイン様にお話があると申し上げたと思いますけれど、こちらを使用しても良いかしら?」 「えぇ、わたくしは構いません」 エグランティーヌが取り出したのは、盗聴防止の魔術具だった。 わたしは自分の前に置かれた魔術具を手に取る。 「込み入った話になりますから、側仕えにもあまり聞かせたくはないのです」 小さく笑いながらそう言ったエグランティーヌの表情が、わたしには困り切っているように見えた。 神殿行事の話題に食いついた辺りから考えても、エグランティーヌは神殿の事で話がしたいから、わたしをお茶会に招いたに違いない。 「ローゼマイン様は神殿でどのようなお仕事をしていらっしゃるの?」 「魔力不足を補うために、わたくしはアウブ・エーレンフェストから神殿へ入るように命じられているので、儀式を行うのがわたくしの重要なお仕事です。 正直なところ、それ以外のお仕事は他の方にお願いしている状態です」 孤児院長と工房長を兼任しているなどと馬鹿正直に答える必要はない。 そんなことを考えながら答えたわたしの言葉を頷きながら聞いていたエグランティーヌがオレンジの瞳を輝かせる。 「魔力の不足を補うため……。 それでしたら、わたくしも神殿に入れるかしら?」 「エグランティーヌ様が神殿に入られるのですか!?」 神殿は貴族の間では忌避されているところで、お金がなくて魔術具の準備ができなかったり、その家の魔力には不足があって使えないと判断されたり、貴族社会から隔離しておきたいと考えられる子供が放り込まれるところだ。 神殿長をしているわたしが言うのもおかしいが、神殿に入りたがるなんて、エグランティーヌは普通ではない。 「どうして神殿に入りたいと考えられたのですか? 神殿がどのようなところかご存知なのでしょう?」 「貴族達の間で神殿がどのような扱いになっているか、わたくしはもちろんわかっています」 そう言いながら、エグランティーヌは自分の胸の前できゅっと指を組み合わせた。 「ローゼマイン様はご存知でしょう? わたくしの身の上を……」 「音楽の先生方が教えてくださった簡単なことだけですけれど」 「わたくしは権力争いの結果、家族を失いました。 それなのに、今、わたくしを娶れば王位に近付くと考えたジギスヴァルト王子から求愛を受け、それを制するようにアナスタージウス王子からも求愛の申し出がありました。 わたくしはもうこれ以上の権力争いは見たくないのに、わたくしの選択によって、またあのような惨事が起こるかもしれません。 自分が争いの種になるのを避けたいのです」 エグランティーヌは政変時の第三王子の娘だったと聞いている。 わたしが受けた神官長の歴史の講義では、一度勝利したものの、第三王子は第一王子の放った暗殺者によって殺されたはずだ。 そして、第三王子の外戚だった大領地クラッセンブルクが激怒し、今度は第五王子を擁立し、第一王子に味方した者が第四王子についたことで、政変が激しさを増したと聞いている。 政変の渦中にいたエグランティーヌがこれ以上の政変を回避したがる気持ちは痛いほどにわかる。 「エグランティーヌ様が権力争いを回避したくてどちらも選べないお気持ちはよくわかります。 けれど、エグランティーヌ様が争いを避けるために神殿に入りたいと考えられていらっしゃることをアウブ・クラッセンブルクはご存知なのですか?」 「……伝えたことはございます。 貴族が神殿に入るなどとんでもないと却下されましたけれど」 だからこそ、神殿長をしているわたしの話が聞きたかったらしい。 何か神殿に入るための説得材料が欲しかったそうだ。 残念ながら、エグランティーヌが望むような説得材料はわたしにはない。 「アウブ・クラッセンブルクが反対するのは当然だと存じます。 神殿が貴族から蔑まれるのはわたくしもよく存じておりますから。 それに、これから神殿に入るということは、ご結婚自体を回避したいということなのでしょう?」 わたしは今の切羽詰った魔力不足を補うために神殿入りをしたのだ。 政変の勝者だった大領地クラッセンブルクとは事情が違う。 それに、成人したら結婚できるように神殿から出ることになっている。 結婚を回避するために神殿に入りたいエグランティーヌの望みとは真逆だ。 貴族の数が減っている今、魔力の多い子が産める可能性が高いエグランティーヌの神殿入りなど認められるわけがないと思う。 「わたくしも成人したら、神殿長を辞めて結婚することになっています。 わたくしでは参考にならないと存じます」 「……そうなのですか。 魔力を領地のために役立てることができて、権力争いからも逃れられる良い案だと思ったのですけれど」 エグランティーヌが悲しげに目を伏せて、そっと溜息を吐いた。 「神殿に入る以外に、王族に嫁がない、嫁げない立場は全くございませんの?」 わたしは首を傾げる。 エグランティーヌは神殿に入りたいわけではなく、権力争いの種になるのを回避したいだけだ。 それならば、神殿に入る以外の方法を探した方が良いと思う。 「わたくしがアウブ・クラッセンブルクになれば回避できますけれど、すでに従兄……いえ、関係上は甥が継ぐことになっております」 他の領地に嫁ぐことも考えたけれど、王族からの申し出を蹴って、他の領地に嫁ぐとなれば、王族からの心証は悪くなり、アウブ・クラッセンブルクにも迷惑をかけることになる。 「おじい様、いえ、養父様はわたくしを守るために養女にしたことを少し後悔しているようです。 王族としての立場を奪ってしまった、と。 ですから、わたくしが王族に嫁ぎ、元の身分を取り戻してほしいと望んでいらっしゃいます」 そんなものより平穏が欲しい、とエグランティーヌは呟いた。 「では、エグランティーヌ様は卒業式のエスコートは親族の方にお願いするのですか? 今の状態ではどちらも選べませんよね?」 「……そうですね。 王やアウブ・クラッセンブルクからの命令がない限りは、親族にお願いするつもりです」 エグランティーヌは寂しそうに笑ってそう言った。 ……あちゃ~、アナスタージウス王子、駄目っぽい。 「ローゼマイン様、わたくしが神殿入りを狙っていることは秘密ですよ」 「口にしたところで誰も信じてくれないと思います」 クラッセンブルクの領主候補生が親族を説得して神殿入りしたいなんて、わたしが聞いても信じない。 アナスタージウスならば、「そのようにしてエグランティーヌを貶めるつもりか」と怒りそうだ。 深刻な相談が終わった後は、エーレンフェストの流行の話をした。 音楽はもちろん、リンシャンと髪飾りがとても気になるようで、クラッセンブルクでも取り入れたいという申し出があった。 「奉納式で戻った時にアウブ・エーレンフェストに報告しておきます。 その時にこっそりリンシャンをお持ちしましょうか?……こちらは商品となるので、有料ですけれど」 「まぁ、ローゼマイン様ったら。 アナスタージウス王子が聞いたら、また拗ねますよ」 そう言って楽しそうに笑いながら、エグランティーヌはピッと人差し指を立てた。 「……こっそりでしたら、一つだけお願いいたしますわ。 これからも仲良くしてくださいませ、ローゼマイン様」.

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『本好きの下剋上』感想

エグランティーヌ 本好き

エグランティーヌは息を呑んだ。 何とか奉納舞を終え、始まりの庭へと扉が開いたことに心の底から安堵していると、「先に参ります」というフェルディナンドの声だけが風のように通り過ぎていった。 ツェントらしい優雅さを損なわぬよう、それでも精いっぱいの速さで虹色の膜が揺らめくそこへとたどり着く。 ……ど、どういうことでしょう? フェルディナンドは内心はどうあれ、表面上は理性的な貴族だ。 こんな場所でそのような行為に及ぶ人間ではない。 しかしどう見ても、エーヴィリーベがゲドゥルリーヒをその腕に抱いているようにしか見えない。 さすがにどう対処したものかと呆けていると、何やら苦しげなローゼマインの声と、焦ったようなフェルディナンドの声が聞こえてきた。 「痛いですっ……。 うぐぅっ……」 「苦痛かもしれぬが、暴れるな」 ……え、まさか本当に染め合っていらっしゃる……? そうエグランティーヌも誤解しかけたが、何やら雰囲気が不穏だ。 ……とにかく、今は儀式の最中なのだ。 とても躊躇われたが、これは声をかけなくてはならないだろう。 「……あの、フェルディナンド様、ローゼマイン様。 儀式の途中で一体何をなさっているのでしょう?」 フェルディナンドはこちらを見ようともせず、焦燥に駆られた声で答えた。 「ローゼマインにメスティオノーラを降臨させるため、お守りの一部を外しているところです。 ぼんやりしていないで早くこちらへ来て手伝ってください。 ローゼマインに何があれば貴女もはるか高みに向かうことになるのですが、理解していますか?」 ……はるか高みですって? よく事情が呑み込めないが、とにかく一刻を争う事態のようだ。 近づくとローゼマインがその美しい顔を歪め、もともと白い肌を蒼く染めている。 エグランティーヌの顔からも血の気が引いた。 「フェルディナンド様、ローゼマイン様に一体何が起こったのですか?」 「存じません。 一つ確実なのは、メスティオノーラを降臨させねばローゼマインが死ぬということだけです」 怒りを隠せぬ様子でフェルディナンドが美しいお守りの留め具を外す。 このように二の腕まであるお守りでは外すのに時間がかかるわけだ。 「フェルディナンド様、ローゼマイン様を抱き上げて押さえていてくださいませ。 留め金が見えません」 フェルディナンドはすぐさまローゼマインの上半身を抱き起し、こちらにもう片方の腕を向けさせた。 普通ではありえないほど破廉恥な密着具合だが、緊急事態なのだ。 仕方がないだろう。 エグランティーヌは白い袖を捲り、ローゼマインの白磁の肌を飾るお守りの留め具を必死で探した。 カチリ、と金属音がなったとき、ローゼマインの中にすさまじい神気が流れ込んできた。 名捧げをしたせいか、ローゼマインの魔力がさらに神々しくなっていくのが如実にわかる。 「ローゼマイン……!」 一瞬くたりとなったローゼマインを強く抱きしめようとしたフェルディナンドだったが、次の瞬間、とても強い力によってローゼマインの身体から弾き飛ばされた。 側にいたエグランティーヌも同様に、受け止めきれずに床に屈みこむ。 「……メスティオノーラ」 ギリッと歯を嚙み、フェルディナンドがローゼマインを睨んだ。 エグランティーヌも困惑したまま立ち上がり、そしてローゼマインの姿を見て言葉を失う。 そこにいたのはローゼマインであってローゼマインではなかった。 月の色をした瞳には、無邪気さも情熱も優しさもない。 冷たいまでの神々しさを纏わせて、そこには確かに女神が降臨していた。 「クインタ。 貴方はエアヴェルミーン様に何ということをしたのです」 「貴女方こそ、ローゼマインに何をしたのです。 ……これ以上ローゼマインから大切なものを奪うことは、たとえ神であろうと私が許さぬ。 今すぐローゼマインに身体を返していただく」 ……ええと、一体どういうことでしょう。 何故フェルディナンド様は女神に対してこのように敵意を向けられていらっしゃるのでしょうか。 本来ならば跪いて叡智を乞うべきですよね? それにクインタと呼ばれていらっしゃいますけれど……フェルディナンド様もやはり複雑な生い立ちをお持ちなのでしょうか。 「エアヴェルミーン様、今すぐ癒しますわ。 ……ルングシュメール」 ローゼマインに降り立った女神が呼びかける。 以前白い大木のあった場所に苦痛に呻く初老の男性がいたことに、エグランティーヌはこのとき初めて気づいた。 癒しの光が降り注ぎ、男性をたちまちに癒していく。 ……この方が、エアヴェルミーン様? 白い髪を除けば、不思議とおじい様によく似ていらっしゃる……。 「クインタ、貴様、人間の分際でメスティオノーラに何という口を……!」 ちっ、と貴族らしからぬ舌打ちが聞こえた瞬間、エアヴェルミーンに向かってフェルディナンドが何かを投げつけた。 爆発が起こり、エグランティーヌは反射的に目を塞ぐ。 ……え!? どうしてエアヴェルミーン様に攻撃するのですか、フェルディナンド様!? 「エアヴェルミーン様! ……クインタ!」 あまりエアヴェルミーンには効果がない攻撃だったようで、女神がすぐさま癒しをかけてフェルディナンドを睨み付ける。 その怒気を孕んだ神気は、エグランティーヌには耐えがたいものだった。 思わず膝を折り、圧迫されるような神気に呻く。 「貴方にわたくしの書を与えてくださったエアヴェルミーン様に何という真似をするのです!」 「それはこちらの台詞です。 ローゼマインに貴女を降臨させるなど、どういうつもりか! 神を降ろせばローゼマインは大事なものの記憶を失うということを知っているだろう!」 フェルディナンドは対峙しているのが女神と元神であるというのに、一歩も引かぬ剣幕で激高する。 「ふん、私はマインに神々からの祝福を与えただけだ。 礎を染めるのに十分な御力を授けてやったのだ。 記憶をなくしたくないというからメスティオノーラではなく他の神々を呼んでやったというに。 ……ただ、マインにメスティオノーラの御力が馴染み過ぎていたため、神々からの祝福が反発したようだ。 素直に最初からメスティオノーラを降ろせばよかったのだ。 どうせ其方であろう、降臨を防ぐその守りをマインに身に着けさせたのは。 だから危うくマインが死にかけたのではないか」 すべて其方のせいであろう、とエアヴェルミーンがフェルディナンドをじとりと見る。 「……何故一番にここに戻って来た私ではなくローゼマインに礎を染めさせようと?」 「其方は好かぬ。 ツェントはテルツァかマインが良い」 「……ほう、それは。 我々との約束を反故にしたということだな。 さすがは元神。 地に堕ちた理由がよくわかった」 それはそれは美しい笑みを浮かべてフェルディナンドが笑う。 「エアヴェルミーン様を侮辱するのはそこまでになさい、クインタ」 「そのような些事はどうでも良い。 メスティオノーラ、今すぐローゼマインに身体を返していただく」 本物の女神と対峙し、なおもフェルディナンドは苛烈さを増していく。 「それは私のゲドゥルリーヒだ。 これ以上勝手な真似はたとえ神であろうと許さぬ」 「まるでエーヴィリーベのようね、クインタ。 それほどこの娘が大事ならば、わたくしのエアヴェルミーン様に対する貴方の態度が如何に業腹か、想像できるのではなくて?」 「約束も守らぬ元神など片腹痛い」 ……これは、喧嘩です。 フェルディナンド様が女神に喧嘩を売っています! エグランティーヌは自分の理解の範疇を超えたやり取りを呆然としながら眺める。 フェルディナンドの行いが途轍もなく恐れ多い行いだとわかってはいるのだが、今までに見たことのない剣幕に声もかけられない。 ……フェルディナンド様は本当にローゼマイン様を大切に思っていらっしゃるのね。 稀代の策略家、エーレンフェストの魔王と呼ばれていたというフェルディナンドは、エグランティーヌの前では模範的な貴族の態度を崩さなかった。 王族たちを交えた話し合いの席でも、内容はともかく表面上はこちらを尊重した態度をとっていた。 ……そのフェルディナンドが、最上位である神々に対し喧嘩を吹っ掛けるほどにローゼマインを想っている事実を突きつけられ、エグランティーヌは青ざめる。 そのローゼマインに国難だからと様々な要求を呑ませたのは自分たち王族だ。 今更ながら、どれだけフェルディナンドは王族を疎んじているのか……。 「……ローゼマインを返せ」 フェルディナンドの瞳が虹色に輝いた。 エグランティーヌは息ができず、再び地に手を付いた。 「返さないとはいっていないでしょう。 クインタ、貴方がエアヴェルミーン様に攻撃しないと約束するならマインの状態について説明します。 いいですか?」 女神が冷たい怒りを発しながらフェルディナンドを見つめる。 「……仕方あるまい」と苦々しく呟いた声の後、場の神気と魔力が少し弱まった。 女神は語った。 今のローゼマインは、メスティオノーラの御力によって他の神々の御力を分けて固めているだけらしい。 時間が経てば魔力が回復するように神々の御力も増えるので、なるべく早く授けられた力を使わなければならないそうだ。 魔力を回復させれば、少し薄れるとはいえ神々の御力も回復する。 だが、影響力が完全になくなるまで苦しみが続くという。 ……か弱いローゼマイン様に何という無体な……! フェルディナンドも同じように感じたのだろう。 「苦しみを取り去る方法はないのか?」と苦々しく問いかけた。 「今のように神々の御力が溢れそうになっている状態では人の魔力で神々の御力を打ち消すのは難しいですが、枯渇直前まで魔力を使った直後ならば可能です」 「それは……枯渇寸前まで魔力を使い、人の魔力で満たせと……?」 「そういうことですね」 やり方は知っているでしょう? と叡智の女神は首を傾げる。 ……人の魔力で満たすということは、つまり、他の者の色に染めるということ。 その意味にエグランティーヌは眉を顰める。 ローゼマイン様はまだ成人していらっしゃらないというのに。 神々も何という酷なことを……。 ローゼマインの婚約者は事実上フェルディナンドだ。 当然、染めるのは彼である。 ……大事にその手で育んできたローゼマインを、秋を待たずして雪に溶かせと命じられ、フェルディナンドが躊躇うのも理解できる。 いずれは、と考えていたとしても、心構えがまだ全くできていないのだろう。 ……ですが、ローゼマイン様の命には代えられません。 わたくしも、ユルゲンシュミットのツェントとして今すぐ高みに上るわけにはまいりません。 フェルディナンドはそれから二言三言女神に問いかけ、納得がいかずともそれなりの答えを得たようだった。 戸惑いと焦燥の混じった瞳で女神を睨み付けている。 その瞳が女神ではなく、ローゼマインを求めていることは明らかだった。 「……わたくしの図書館には入れていませんから、前回のようにはならないはずです」 「ならば良い」 「ではクインタ。 くれぐれも約束忘れぬよう」 女神の神気が突如として消え去った。 力なく崩れ落ちるローゼマインをフェルディナンドが抱きしめる。 しっかりと腰を抱え、鼻が触れ合うほどに顔を近づけて、金の瞳を幽かに揺らしながら「ローゼマイン」と名を呼び続ける。 やがて意識を取り戻したローゼマインに、フェルディナンドは異常がないか問いかけ続けた。 やっとまともに息継ぎができるようになったエグランティーヌは、その光景に見入りながらため息をつく。 ……どうしてこれほどまでわかりやすい愛情を示されて、ローゼマイン様は家族愛などと誤解しているのでしょうか。 以前アナスタージウス様に差し上げたというお言葉を、今はおふたりにお返しして差し上げたいです。

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エグランティーヌ (えぐらんてぃーぬ)とは【ピクシブ百科事典】

エグランティーヌ 本好き

エーレンフェストの領主が住んでいるので、県庁所在地でもある。 ユルゲンシュミット 本作の舞台となる国家。 ツェントを中心とした封建制の王政国家。 魔力を持つ人間を神々が保護するため、白い砂に覆われた大地にできた文字通りの円形の国土をもつ。 国や領地に魔力を注がないと国そのものが維持できないため、より大きな魔力を持つ家柄の人間ほど身分の高い貴族として扱われる。 ランツェナーヴェ アーレンスバッハと交易をしている外国。 現在は国境門の開閉ができないため、唯一ユルゲンシュミットと国交のある外国でもある。 砂糖が特産品。 次期ツェントの継承から外れた王族の1人が従者を引き連れて出奔し、グルトリスハイトを使って打ち立てた国家である。 そのため国家の維持にシュタープが必要であるが、ユルゲンシュミットの貴族でないとシュタープが取れないため、何十年に一度、姫を数人ユルゲンシュミットに献上し、生まれてきた男子の1人を傍系王族としてシュタープをとらせてから、次の王として迎えることで国を維持している。 アダルジーザの実 アダルジーザとは、ランツェナーヴェから初めて献上された姫の名前。 ランツェナーヴェから献上された姫から生まれた子供をアダルジーザの実という。 女子ならばユルゲンシュミットの姫として育てられるが、男子だった場合、魔力が最も高い1人をシュタープを取らせてからランツェナーヴェに返すが、それ以外の男子は父親に引き取られない限り洗礼式前に処分される。 処分の結果できた魔石の所有権はランツェナーヴェにあるため、男子を返してからも姫は子供づくりに励むことになる。 ヴェローニカ派 エーレンフェストの派閥の一つ。 ヴェローニカが幽閉され、権勢を落としてからは旧ヴェローニカ派と呼ばれる。 アーレンスバッハから輿入れしてきたガブリエーレが作り上げ、アウブの第一夫人になったヴェローニカが引き継いだ。 ヴェローニカが幽閉されるまではエーレンフェストにおける主流の派閥だった。 ジルヴェスターやヴィルフリートの支持派閥でもあるが、ヴィルフリートを白の塔へ誘い込んだり領主候補生を襲撃したりなど問題行動が多く、アーレンスバッハの第一夫人であるゲオルギーネと通じている者もいるためエーレンフェストの首脳陣からは警戒されている。 派内の結束と高めるためにガブリエーレがアーレンスバッハから名捧げの慣習を持ち込んだため、中核となる貴族にはヴェローニカやゲオルギーネに名捧げしている者が多い。 フロレンツィア派 エーレンフェストの派閥の一つ。 フロレンツィアやフェルディナンドなどヴェローニカに迫害されている者たちを守るため、エルヴィーラが中心となってまとめ上げた。 シャルロッテやメルヒオールなどが属する。 ローゼマインやヴィルフリートなど支持派閥が違うが、本人はフロレンツィア派に属しているものもいる。 ライゼガング系貴族とは構成員が重なるが、全く同じわけではない。 ヴェローニカ派の対抗派閥であるため、ヴェローニカ派が権勢を落としてからは話中の存在感が無くなってくる。 フェルディナンドのファンクラブとしての側面もあり、エルヴィーラの趣味からフェルディナンドをモデルとした恋愛小説を(本人に隠して)作成している。 次期アウブの支持に関しては特に明言されておらず、フロレンツィアの子供なら誰でもよい立場だと思われる。 ライゼガング系 エーレンフェストの派閥の一つ。 ライゼガング派とも。 ギーベ・ライゼガングを中心に、婚姻と血族によってまとめ上げている。 ボニファテウスやハルトムート、ブリュンヒルデなどが属する。 カルステッドやエルヴィーラも本来はこの派閥の出身である。 ガブリエーレが輿入れしてくるまではエーレンフェストの主流派閥であったが、それ以降はヴェローニカ派に権勢を抑えられていた。 そのためシャルロッテを次期アウブに擁立してヴィルフリートを廃嫡に追い込むという陰謀を企てていたこともある。 ヴェローニカが幽閉されてローゼマインがアウブの養子になってからは、ライゼガング系出身のローゼマインの支持派閥として活動を始める。 特に旧ヴェローニカ派が粛清されてからは、ローゼマインをアウブにするために無理難題を領主一族に持ち込むようになった。 保守的な者たちが多く、エーレンフェストが順位をあげて上位領地として扱われることについてこれない大人も多い。 下町 平民が住む地域。 街は城壁で囲まれ、街の外へ出入りするには門を通る必要がある。 貴族街との間に神殿がある。 貴族街 直轄地の貴族が住む地域。 また、ギーベ達の別荘も存在する。 貴族は騎獣で移動をするのが主であるため、下町と比べ目に見える人通りは圧倒的に少ない。 神殿 貴族街と下町の間に位置する施設。 様々な魔術具があり、魔力を奉納することで様々な儀式を行う。 礼拝室、平民が泊まるための部屋、聖典を収める図書室、孤児を引き取って育てる孤児院などがある。 神殿を構成するのは貴族の血を引く青色神官と元孤児である灰色神官だが、儀式を行えるのは魔力を持つ青色神官のみ。 最高権力者は神殿長、それに次ぐ役職の者は神官長と呼ばれる。 貴族、平民と両方から忌避の対象とされている。 しかし、生活に直結する儀式がある村などでは信仰が深いことがマインから指摘されている。 神殿のあちこちに大神の顔などが施されているがそれに気づく者は少ない。 後のキーポイントになる。 青色神官/青色巫女 貴族に生まれるも魔力量が少なかったり家庭事情などで神殿に預けられた貴族一族の出身者を指す。 貴族街から通う者もいればそうでない者もいる。 何かしらの理由で実家に戻れる場合もある(政変が理由で実家へ戻ったシキコーザがそれにあたる)。 青色の衣を纏うことが出来るのは貴族のみとされている(マインは例外)。 平民からすれば貴族のようなものであるため、灰色神官や灰色巫女などに身の回りの世話をさせている。 実家からは多少の寄付がされており神殿を運営する資金源となっている。 貴族だからと横暴な態度や行動をするのは当たり前。 灰色神官/灰色巫女 神殿に併設されている孤児院から成人した孤児がなる。 貴族や平民から蔑まれることが多い。 貴族と区別するため灰色の衣を纏う。 基本的には青色神官や青色巫女に仕える。 仕える人物から指名され側仕えとなるが、仕事内容は仕える人物によりけり。 灰色巫女は「花捧げ」と称して貴族に身体を要求されることが多々あったが、ローゼマインが神殿長に就いてからは自発的な場合を除き禁止された。 自由に結婚することはできない。 その場合は権利を買い取ることで還俗し平民に戻れるが、有能さに応じて価格が上がる。 洗礼式 年に四回、季節ごとに行われる儀式。 その季節に生まれた七歳の子供を市民として登録し、市民権を付与する。 平民の場合、洗礼式で住民と認められてから成人までは、将来の職場で見習いとして働くことが多い。 平民は神殿に赴き祝福を受けるが、貴族は神官が貴族の元へ赴き祝福を与える。 成人式 洗礼式同様、年に四回、季節ごとに行われる儀式。 下町の住人で十五歳を迎え成人になったものを祝う儀式。 成人を迎えた女性は髪を結い上げるのが決まり。 貴族 貴族街に住む、魔力を持つ人間のこと。 舞台となる世界では支配階級に当たり、魔力が多いほど階級が上。 生まれつきの魔力の総量は母親の魔力量によって決まるとされる。 厳密には貴族院を卒業しシュタープを持つものが貴族。 魔力量に応じて上級、中級、下級の序列があり、アウブの資格を持つものは領主候補生として扱われる。 平民 職人や兵士、商人など。 下町に住む、魔力の少ない人間のこと。 生産階級に当たる。 貴族のいない町や村では、平民の代表が神殿とやりとりして豊穣の儀式などを行う。 身食い ( みぐい ) 貴族並みに強い魔力を宿して生まれてきた平民、および体内に溜まった魔力がその人間の許容量を超えることで体調に異変が生じる症状の名前。 溜まった魔力を何らかの方法(魔術具に魔力を移す、魔法を使う等)で消費するか、精神力で強引に抑えこむことで生き永らえることが可能だが(ただし一般的に子供の精神力は低く、精神力で抑え込める魔力の許容量も少ないため、一時しのぎにしかならない)、貴族以外で実態を知るものは少ない。 平民にとっては非常に高価な魔術具が必要であるため、洗礼式までの死亡率はほぼ百パーセントとされている。 内包する魔力は薄い全属性で、生まれた土地の属性がやや強め。 また、他者の魔力に染まりやすい。 ローゼマインの場合青色巫女の時記憶を探る薬を使われた際フェルディナンドに染められており、以後全属性のままである、例えばフェルディナンド以外が染める事も容易であり、そうなるとアレキサンドリアの礎に入る事が出来なくなる。 魔力圧縮 魔力を押し縮め、嵩を減らすことで、魔力最大量を増加させる方法。 基本的には、魔力の制御がある程度コントロールできる位に成長した、貴族院に入ってから行われる。 全身に魔力を行き渡らせ、それを精神力で抑え込んでいくのは死の危険と隣合わせ。 ローゼマイン式魔力圧縮法 マインが領主の養女となる前に、魔術具が無い中、あふれ出る魔力を片付け生死の境目で生きるために無自覚に魔力圧縮を行ったのが始まり。 貴族院で教えられる魔力圧縮の方法とは異なる方法であり、成人してからでも効果がある。 複数の圧縮方法を組み合わせる点が従前の圧縮方法とは異なる。 魔力の扱いで重要になるイメージを明確にするため、木箱やマント、革袋をつかって視覚的に圧縮法を説明する。 聖典 魔石で守られ神殿長にしか読むことが出来ないが、神殿長が許可を与えれば神殿長以外でも読むことが出来る。 読める範囲は、魔力登録した者と閲覧許可を得た者の魔力の質 推定:属性と祈り で異なる上、登録者の魔力の質で可読範囲が決まる。 条件をクリアした者には、王を選別する魔法陣と王に至る手段を記した文字が読めるようになる。 ローゼマインとフェルディナンドは内容を全て読める人物。 祝福についての記載もあり、これを使用したローゼマインが中央神殿に呼び出されるきっかけとなる。 聖典の鍵 代々の神殿長に引き継がれている、鍵の魔石に魔力を登録したもののみが使用可能な鍵。 聖典の錠と、神殿から礎に入るための扉の錠を開けることができる。 礎の魔術と対になっており、聖典と鍵に登録されている魔力が同じであれば聖典は開けるが、礎に繋がる扉はその領地の鍵でなければ開かない。 ユレーヴェ 仮死状態や魔石化の毒薬を浴びるなど体内に出来た魔石を溶かす為の青い液状の薬。 飲むまたは体ごと浸かることによって効果を発揮する。 薬の素材は、春夏秋冬それぞれの季節に本人が採る必要があり、本人や採集環境の魔力的条件により質が変わる。 上級貴族は貴族院にいる間に予め作り常時携帯する常備薬である。 薬に浸かった場合は生命活動が著しく低下した状態でしばらくの期間意識を失う。 シュタープ 「神の意思」を体に取り込んで、「神の意思」を用いて構築する魔道具である。 通常は体内に取り込まれているが、魔力と意思を込めることで自在な形態をとる。 魔力を行使するための補助具としては最も効率が良いものとされている。 「神の意思」は、貴族としてメダル登録されている者が、貴族院の最奥の間の神殿から「はじまりの庭」に通じる通路で取得する。 「神の意思」は、魔力が大きい程通路の奥に配置されており、「はじまりの庭」で取得したものが最良とされる。 「神の意思」は、他人には見えず、生涯で一度しか取得できない。 ローゼマインが聖典を解読した結果、入学当初で取得するよりも神の加護を受けてから取得するほうが良いことが判明し、以後、加護の取得がある三年次に行われることになる。 なお、処刑の魔術でメダルを廃棄されると、有効範囲内であれば処刑され、有効範囲外でメダルのみ廃棄された場合にはシュタープが使用できなくなる。 神具 神に魔力を捧げ、その祝福で魔術を行使する道具。 神殿で管理されている魔術具と、シュタープを変形させて用いるものがある。 神殿で管理されている魔術具である神具は、本来はシュタープで構築する神具の雛形あるいは、シュタープで構築する方法を学習するためのものである。 神殿で管理されている魔術具である神具に魔力を通し、神に一定以上の魔力を魔力を奉納すると、シュタープで神具を構築するための魔法陣が脳裏に浮かび上がる。 シュタープで構築する神具は、構築し維持するのに大量の魔力が必要となるため、中級貴族や下級貴族の魔力量では構築することすらできないことがある。 祝福 魔石やシュタープなどから魔力を出すだけの行為もしくは神の名の下に祈りを捧げ効力のある加護を得ることを指す。 前者は貴族間にて挨拶などで用いられ、後者は神に祈り魔力を奉納することで与えられる神の祝福であり別物と考えられている。 加護を得る祝福は本来神に祈りを届けやすくなるシュタープを得なければできないが、ローゼマインは指輪の魔石でも加護を与えることができたため同じものと考えている。 奉納する魔力量によって祝福の効果は変わり、複数の神に一度に祈ると魔力はごっそりと削られて、成功率は著しく落ちる。 特に命の神は土の女神を隠すので女神の兄弟神に疎まれて、まとめて祈って成功した例を領主のジルヴェスターでも知らなかった。 加護 神の名の下に祈りを捧げその効果を発揮したものを指す。 何の神の加護を授かるかはそれぞれ。 その人物の傾向により授かる加護に差異があることが判明する。 ローゼマインは神殿長として大神を含めた多くの神に祈りを捧げていたため多くの加護を授かる。 加護を授かることで消費する魔力量に違いが出ることが判明し、エーレンフェストとダンケルフェルガーが主体となって加護についての研究を発表し高評価を受けた。 貴族院で三年生になると加護の取得の実技がある。 自分の属性の大神と、自分がしっかりと祈りを捧げた眷属神からは加護が得られやすい。 卒業式に加護の取得を再び行い、前回足りなかった加護の再取得を行う。 神に祈りを捧げ必要な準備や手順を踏めばもう一度再取得ができることをローゼマインは突き止める。 魔石 魔力を貯めておくことが出来る石。 魔力を帯びた実や花の採集、魔木や魔獣・魔魚を討伐した時に手に入れられる。 最高級の魔石は全属性を持つ虹色魔石。 全属性のローゼマインがレーギッシュに高圧魔力を叩き込んだ時に鱗が虹色魔石になった。 また、魔石に魔力を込め過ぎると飽和し金粉化する。 この世界の魔力は神々の加護と密接に結びついており、ユルゲンシュミット以外の土地では弱い魔物からとれるクズ魔石すらろくに取れないため、外国との主要な交易品となっている。 魔剣 最初はナイフ程の刀身で自らの魔力を注いで成長させる魔術具であり武器。 魔剣には属性の適性が付き、その適性によって魔物が倒しやすくなったり加護を授かりやすくなったりする。 礎 正確には礎の魔術、国や領地を維持する魔力の源となる巨大な魔石の魔術具、通常は城にある供給の間から魔力を供給される、供給の間には入り口に7つの魔石をはめる事が出来、領主一族の及び候補生7人まで同時に入ることが出来る、登録の魔石は幾らでも作れるので大領地は交代要員がたくさん居る、本来の場所は秘匿されており領主のみ隠し通路から入る事が出来る、ユルゲンシュミットの礎は貴族院各領地の礎は神殿に有りそれぞれの図書館にあるメスティオノーラの像が直接入れる裏口で聖典の鍵が無いと入れない、領主が常に魔力で満たして置くことで領地や領主の作る白の建物を維持する事が出来る、つまりこの礎を魔力で染めた者がその領地の領主であり、領主一族以外の者にこの礎を染められると領地を乗っ取られたり魔力枯渇すると領地は砂漠の様になる、その戦いを競技化したのが宝取りディッターである 騎獣 自らの魔力で染めた魔石を変形させて作る乗り物。 基本的には獣に翼を生やした形態が多いが、しっかりと飛ぶイメージさえできるならば翼のない形状でも飛行することができる。 ディッター 騎士見習いが騎獣に乗って戦う練習のために行われ、空での戦いになるため危険性が高い。 いくつか種類があり、その時によって勝利条件が変わる。 グーテンベルク ローゼマインの誘導により印刷技術を立ち上げ、大量の本を世の中に送り出すことに生涯を費やした集団。 またローゼマインに認められた人物に与えられる称号。 後にメスティオノーラの使者と呼ばれるようになる。 を発明した偉人に由来する。 ツェント ユルゲンシュミットを治める王の称号。 基本的には王族が代々継いできた。 その証が後述のグルトリスハイトになる。 ただ脈々とシュタープを介して継いできたため本来の取得方法が失われ、政変が起きグルトリスハイトが失われたことで現王は立場が危うくなっている。 グルトリスハイトの所有者は全属性で貴族院にて祈りを捧げる事でエアヴェルミーンから与えられるが、貴族院防衛戦後に王族の中から全属性で有ったエグランティーヌが中継ぎとして一代限りの魔術具のグルトリスハイトを女神の化身より与えられた。 王族の廃止により次期ツェントは競争制になり、大神の加護と属性を増やすことが重要視され神殿を見直すきっかけとなる。 アウブ 各領地を納める領主の称号。 アウブ・ 領地名 ツェントによって土地を下賜され、承認を受ける。 基本的には各領地の領地候補生が継ぐが、領地の礎の魔術を直接奪うことでもなることはできる。 ギーベ 各領地のうち、アウブの直轄地以外の土地の管理を行う貴族の称号。 ギーベ・ 地名 上級貴族のギーベは「伯爵」、中級貴族のギーベは「子爵」、下級貴族のギーベは「男爵」の爵位がつく。 グルトリスハイト グルトリスハイトは、「メスティオノーラの書」とも呼ばれる書物。 最古の聖典であり、ツェントの証としての象徴でもある。 「グルトリスハイト」と唱えることで、術者がイメージする文書の形で具現化する。 本来であれば、ツェントに就任する際にグルトリスハイトを掲げ、ツェントになるだけの力量と資格があることを示す必要がある。 各地に点在する境界門は領主か次期領主しか開閉することはできないが、グルトリスハイトは6つ有る国境門を開閉することができる。 グルトリスハイトには、メスティオノーラの英知が記載されている。 シュタープを得た者の中で一定以上の魔力を持った者が魔石になった時に、その記憶がメスティオノーラの英知に加わるため、文字どおり 魔力豊富なユルゲンシュミット貴族の 英知の結晶といえる。 逆に言えば、現在生きている者・平民などの一定以下の魔力持ちしか知らない知識や、シュタープを得た者が知りえなかった知識は含まれていない。 聖典や神話関連の古文書に書かれた内容の一部は、グルトリスハイトを得た者がその知識を書き出したものである。 魔木 ( まぼく ) 魔力を宿し特性を持った樹木のこと。 種類によっては討伐するために騎士団が必要になる場合もある。 ローゼマインは魔木の特性(トロンベなら燃えにくい特性を持つ)を利用して製紙し、魔木の特性を持った紙を作り出すことに成功する。 魔力を必要としない魔術具として注目を集める。 魔獣 魔力を持つ獣。 死ぬと魔力が固まり魔石となるため、魔石以外の素材を得る場合は瀕死状態にする必要がある。 通常の獣と魔獣は平民と貴族くらい差がある。 魔獣同士で捕食し合ったり、魔木を食べるなどで魔力を得て成長、場合により進化する。 魚型の魔獣は魔魚と呼ばれる場合もある。 5,12• シリーズ 6,13• シリーズ 5,13• シリーズ 5,13• 6,12• 6,13• 5,8,13• 5,12• 5,12• シリーズ 5,12• 5,7,13,21• 5,12• 5,12• 5,13• 5,12• 5,12• 5,13• 5,13,15• 5,13• 5,13• 5,13• 5,7,13• 5,7,15,19,20• 5,12• 5,11,15,18,19• 5,7,13• シリーズ 5,11,12,15,16,18• 2,5,22• 5,7,13• 5,7,12,15,18,23 関連人物• 1:より移動。 2:共同製作。 3:YTE共同製作。 4:共同製作。 5:YTE製作。 6:YTE協力。 7:共同製作。 8:共同製作。 9:・・・・共同製作。 10:共同製作。 11:共同製作。 12:読売テレビ含む近畿圏では未放送。 13:近畿圏ではで放送。 14:『』レーベル作品。 15:共同製作。 16:共同製作。 17:共同製作。 18:共同製作。 19:共同製作。 近畿圏ではで放送。 20:共同製作。 21:メ~テレ企画協力。 22:共同製作。 近畿圏ではで放送。 23:共同製作。 2020年3月10日閲覧。 2015年10月21日閲覧。 2015年10月21日閲覧。 2015年10月21日閲覧。 2015年10月21日閲覧。 2016年1月25日閲覧。 2016年3月20日時点の [ リンク切れ]よりアーカイブ。 2016年3月24日閲覧。 2016年6月10日時点の 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