きめ つが くえん。 建築用語 読み方辞典 さ行1 さし (音訳の部屋)

かわいそうなおおもりさん

きめ つが くえん

09 ID:m2FfJjle. net 50代以上でもアニメを見続けてる方、語り合いましょう。 昔のアニメの話題でも今のアニメの話題でもOKです。 趣味嗜好が異なるからって他人を貶めるのはだめですよ。 49 ID:kivlSBg0. 51 ID:iONQZE6u. 60 ID:kivlSBg0. 44 ID:iONQZE6u. 86 ID:kivlSBg0. 35 ID:iONQZE6u. 41 ID:kivlSBg0. 30 ID:iONQZE6u. 00 ID:kivlSBg0. 80 ID:iONQZE6u. 04 ID:kivlSBg0. 88 ID:iONQZE6u. 18 ID:kivlSBg0. 03 ID:iONQZE6u. 31 ID:kivlSBg0. 00 ID:iONQZE6u. 17 ID:kivlSBg0. 03 ID:iONQZE6u. 86 ID:iONQZE6u. 34 ID:kivlSBg0. 15 ID:iONQZE6u. 54 ID:kivlSBg0. 08 ID:iONQZE6u. 59 ID:kivlSBg0. 20 ID:iONQZE6u. 85 ID:kivlSBg0. 68 ID:iONQZE6u. 91 ID:kivlSBg0. 77 ID:iONQZE6u. 76 ID:kivlSBg0. 68 ID:iONQZE6u. 30 ID:kivlSBg0. 89 ID:iONQZE6u. 24 ID:kivlSBg0. 84 ID:iONQZE6u. 38 ID:kivlSBg0. 04 ID:iONQZE6u. 38 ID:kivlSBg0. 23 ID:iONQZE6u. 47 ID:kivlSBg0. 98 ID:iONQZE6u. 26 ID:kivlSBg0. 86 ID:iONQZE6u. 16 ID:kivlSBg0. 05 ID:iONQZE6u. 32 ID:kivlSBg0. 18 ID:iONQZE6u. 27 ID:kivlSBg0. 90 ID:iONQZE6u. 17 ID:kivlSBg0. 71 ID:iONQZE6u. 21 ID:kivlSBg0. 98 ID:iONQZE6u. 20 ID:kivlSBg0. 06 ID:iONQZE6u. 24 ID:kivlSBg0. 11 ID:iONQZE6u. 42 ID:kivlSBg0. 71 ID:iONQZE6u. 51 ID:kivlSBg0. 88 ID:iONQZE6u. 58 ID:kivlSBg0. 01 ID:iONQZE6u. 13 ID:iONQZE6u. 68 ID:kivlSBg0. 93 ID:iONQZE6u. 57 ID:kivlSBg0. net く 総レス数 417 1027 KB.

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きめ つが くえん

平家物語 流布本 全巻 平家物語 巻第一 総かな版(元和九年本) 「ぎをんしやうじや」(『ぎをんしやうじや』)S0101 P51ぎをんしやうじやのかねのこゑ、しよぎやうむじやうのひびきあり。 しやらさうじゆのはなのいろ、じやうしやひつすゐのことわりをあらはす。 おごれるものひさしからず、ただはるのよのゆめのごとし。 たけきひともつひにはほろびぬ。 ひとへにかぜのまへのちりにおなじ。 とほくいてうをとぶらふに、しんのてうかう、かんのわうまう、りやうのしゆい、たうのろくさん、これらはみなきうしゆせんくわうのまつりごとにもしたがはず、たのしみをきはめ、いさめをもおもひいれず、てんがのみだれんことをもさとらずして、みんかんのうれふるところをしらざりしかば、ひさしからずして、ばうじにしものどもなり。 ちかくほんてうをうかがふに、しようへいのまさかど、てんぎやうのすみとも、かうわのぎしん、へいぢのしんらい、これらはおごれることもたけきこころも、みなとりどりなりしかども、まぢかくはろくはらのにふだうさきのだいじやうだいじんたひらのあそんきよもりこうとまうししひとのありさま、つたへうけたまはるこそ、こころもことばもおよばれね。 そのせんぞをたづぬれば、くわんむてんわうだいごのわうじ、いつぽんしきぶきやうかづらはらのしんわうくだいのP52こういん、さぬきのかみまさもりがそん、ぎやうぶきやうただもりのあそんのちやくなんなり。 かのしんわうのみこたかみのわうむくわんむゐにしてうせたまひぬ。 そのおんこたかもちのわうのとき、はじめてたひらのしやうをたまはつて、かづさのすけになりたまひしよりこのかた、たちまちにわうしをいでてじんしんにつらなる。 そのこちんじゆふのしやうぐんよしもち、のちにはくにかとあらたむ。 くにかよりまさもりにいたるまでろくだいは、しよこくのじゆりやうたりしかども、てんじやうのせんせきをばいまだゆるされず。 「てんじやうのやみうち」(『てんじやうのやみうち』)S0102しかるにただもり、いまだびぜんのかみたりしとき、とばのゐんのごぐわん、とくぢやうじゆゐんをざうしんして、さんじふさんげんのみだうをたて、いつせんいつたいのおんほとけをすゑたてまつらる。 くやうはてんじようぐわんねんさんぐわつじふさんにちなり。 けんじやうにはけつこくをたまふべきよしおほせくだされける。 をりふしたじまのくにのあきたりけるをぞくだされける。 しやうくわうなほぎよかんのあまりに、うちのしようでんをゆるさる。 ただもりさんじふろくにてはじめてしようでんす。 くものうへびとこれをそねみいきどほり、おなじきとしのじふいちぐわつにじふさんにち、ごせつとよのあかりのせちゑのよ、ただもりをやみうちにせんとぞぎせられける。 ただもり、このよしをつたへきいて、「われいうひつのみにあらず、ぶようのいへにむまれて、いまふりよのはぢにあはんこと、P53いへのため、みのためこころうかるべし。 せんずるところ、みをまつたうしてきみにつかへたてまつれといふほんもんあり」とて、かねてよういをいたす。 さんだいのはじめより、おほきなるさやまきをよういし、そくたいのしたにしどけなげにさしほらし、ひのほのぐらきかたにむかつて、やはらこのかたなをぬきいだいて、びんにひきあてられたりけるが、よそよりは、こほりなどのやうにぞみえける。 しよにんめをすましけり。 またただもりのらうどう、もとはいちもんたりしたひらのむくのすけさだみつがまご、しんのさぶらうだいふいへふさがこに、さひやうゑのじよういへさだといふものあり。 うすあをのかりぎぬのしたに、もよぎをどしのはらまきをき、つるぶくろつけたるたちわきばさんで、てんじやうのこにはにかしこまつてぞさぶらひける。 くわんじゆいげ、あやしみをなして、「うつほばしらよりうち、すずのつなのへんに、ほういのもののさぶらふはなにものぞ。 らうぜきなり。 とうとうまかりいでよ」と、ろくゐをもつていはせられたりければ、いへさだかしこまつてまうしけるは、「さうでんのしゆびぜんのかうのとののこんややみうちにせられたまふべきよしうけたまはつて、そのならんやうをみんとて、かくてさぶらふなり。 えこそいづまじ」とて、またかしこまつてぞさぶらひける。 これらをよしなしとやおもはれけん、そのよのやみうちなかりけり。 ただもりまたごぜんのめしにまはれけるに、ひとびとひやうしをかへて、「いせへいじはすがめなりけり」とぞはやされける。 かけまくもかたじけなく、このひとびとはかしはばらのてんわうのおんすゑとはまうしながら、なかごろはみやこのすまひもうとうとしく、ぢげにのみふるまひなつて、P54いせのくににぢうこくふかかりしかば、そのくにのうつはものにことよせて、いせへいじとぞはやされける。 そのうへただもりのめのすがまれたりけるゆゑにこそ、かやうにははやされけるなれ。 ただもりいかにすべきやうもなくして、ぎよいうもいまだをはらざるさきに、ごぜんをまかりいでらるるとて、ししんでんのごごにして、ひとびとのみられけるところにて、よこだへさされたりけるこしのかたなをば、とのもづかさにあづけおきてぞいでられける。 いへさだ、まちうけたてまつて、「さていかがさふらひつるやらん」とまうしければ、かうともいはまほしうはおもはれけれども、まさしういひつるほどならば、やがててんじやうまでもきりのぼらんずるもののつらだましひにてあるあひだ、「べつのことなし」とぞこたへられける。 ごせつには、「しろうすやう、こぜんじのかみ、まきあげのふで、ともゑかいたるふでのぢく」なんど、いふ、さまざまかやうにおもしろきことをのみこそうたひまはるるに、なかごろださいのごんのそつすゑなかのきやうといふひとありけり。 あまりにいろのくろかりければ、ときのひと、こくそつとぞまうしける。 このひといまだくらんどのとうなりしとき、ごぜんのめしにまはれけるに、ひとびとひやうしをかへて、「あなくろくろ、くろきとうかな。 いかなるひとのうるしぬりけん」とぞはやされける。 またくわざんのゐんのさきのだいじやうだいじんただまさこう、いまだじつさいなりしとき、ちちちうなごんただむねのきやうにおくれたまひて、みなしごにておはしけるを、こなかのみかどのとうぢうなごんかせいのきやう、そのときはいまだはりまのかみにておはしけるが、むこにとつて、はなやかにもてなされしかば、これもごせつには、「はりまよねはとくさか、むくのはか、ひとのきらをP55みがくは」とぞはやされける。 「しやうこにはかやうのことどもおほかりしかども、こといでこず。 まつだいいかがあらんずらん、おぼつかなしとぞひとびとまうしあはれける。 あんのごとくごせつはてにしかば、ゐんぢうのくぎやうてんじやうびと、いちどうにうつたへまうされけるは、「それゆうけんをたいしてくえんにれつし、ひやうぢやうをたまはつてきうちうをしゆつにふするは、みなこれきやくしきのれいをまもる、りんめいよしあるせんぎなり。 しかるをただもりのあそん、あるひはねんらいのらうじうとかうして、ほういのつはものをてんじやうのこにはにめしおき、あるひはこしのかたなをよこだへさいて、せちゑのざにつらなる。 りやうでうきたいいまだきかざるらうぜきなり。 ことすでにちようでふせり。 ざいくわもつとものがれがたし。 はやくてんじやうのみふだをけづつて、けつくわんちやうにんおこなはるべきか」と、しよきやういちどうにうつたへまうされければ、しやうくわうおほきにおどろかせたまひて、ただもりをごぜんへめしておんたづねあり。 ちんじまうされけるは、「まづらうじうこにはにしこうのよし、まつたくかくごつかまつらず。 ただしきんじつひとびとあひたくまるるむね、しさいあるかのあひだ、ねんらいのけにん、ことをつたへきくかによつて、そのはぢをたすけんがために、ただもりにはしらせずして,ひそかにさんこうのでう、ちからおよばざるしだいなり。 もしとがあるべくは、かのみをめししんずべきか。 つぎにかたなのことは、とのもづかさにあづけおきさふらひをはんぬ。 これをめしいだされ、かたなのじつぷによつて、とがのさうおこなはるべきか」とまうされたりければ、このぎもつともしかるべしとて、いそぎかのかたなをめしいだいてえいらんあるに、うへはさやまきのくろうぬつたりけるが、なかはきがたなにぎんぱくをぞおいたりける。 「たうざのちじよくをのがれんがP56ために、かたなをたいするよしあらはすといへども、ごにちのそしようをぞんぢして、きがたなをたいしけるよういのほどこそしんべうなれ。 きうせんにたづさはらんほどのもののはかりごとには、もつともかうこそあらまほしけれ。 かねてはまたらうじうこにはにしこうのこと、かつうはぶしのらうどうのならひなり。 ただもりがとがにはあらず」とて、かへつてえいかんにあづかつしうへは、あへてざいくわのさたはなかりけり。 「すずき」(『すずき』)S0103そのこどもはみなしよゑのすけになる。 しようでんせしに、てんじやうのまじはりをひときらふにおよばず。 あるときただもり、びぜんのくによりのぼられたりけるに、とばのゐん「あかしのうらはいかに」とおほせければただもりかしこまつて、 ありあけのつきもあかしのうらかぜになみばかりこそよるとみえしか W001 とまうされたりければ、ゐんおほきにぎよかんあつて、やがてこのうたをば、きんえふしふにぞいれられける。 ただもり、またせんとうにさいあいのにようばうをもつてよなよなかよはれけるが、あるよおはしたりけるに、かのにようばうのつぼねに、つまにつきいだしたるあふぎをとりわすれて、いでられたりければ、P57かたへのにようばうたち、「これはいづくよりのつきかげぞや、いでどころおぼつかなし」など、わらひあはれければ、かのにようばう、 くもゐよりただもりきたるつきなればおぼろげにてはいはじとぞおもふ W002 とよみたりければ、いとどあさからずぞおもはれける。 さつまのかみただのりのははこれなり。 にるをともとかやのふぜいにて、ただもりのすいたりければ、かのにようばうもいうなりけり。 かくてただもり、ぎやうぶきやうになつて、にんぺいさんねんしやうぐわつじふごにち、としごじふはちにてうせたまひしかば、きよもりちやくなんたるによつて、そのあとをつぎ、はうげんぐわんねんしちぐわつに、うぢのさふ、よをみだりたまひしとき、みかたにてさきをかけたりければ、けんじやうおこなはれけり。 もとはあきのかみたりしが、はりまのかみにうつつて、おなじきさんねんにだざいのだいにになる。 またへいぢぐわんねんじふにんぐわつ、のぶよりよしともがむほんのときも、みかたにてぞくとをうちたひらげたりしかば、くんこうひとつにあらず、おんしやうこれおもかるべしとて、つぎのとしじやうざんみにじよせられ、うちつづきさいしやう、ゑふのかみ、けんびゐしのべつたう、ちうなごん、だいなごんにへあがつて、あまつさへしようじやうのくらゐにいたる。 さうをへずして、ないだいじんよりだいじやうだいじんじゆいちゐにいたり、だいしやうにはあらねども、ひやうぢやうをたまはつてずゐじんをめしぐす。 ぎつしやれんじやのせんじをかうぶつて、のりながらきうちうをしゆつにふす。 ひとへにしつせいのしんのごとし。 「だいじやうだいじんはいちじんにしはんとして、しかいにぎけいせり。 くにををさめみちをろんじ、いんやうをやはらげをさむ。 そのひとにあらずは、すなはちかけよといへり。 そくけつのくわんともなづけられたり。 P58そのひとならではけがすべきくわんならねども、このにふだうしやうこくはいつてんしかいをたなごころのうちににぎりたまふうへは、しさいにおよばず。 そもそもへいけかやうにはんじやうせられけることは、ひとへにくまのごんげんのごりしやうとぞきこえし。 そのゆゑは、きよもりいまだあきのかみたりしとき、いせのくにあののつより、ふねにてくまのへまゐられけるに、おほきなるすずきのふねへをどりいつたりければ、せんだちまうしけるは、「むかし、しうのぶわうのふねにこそ、はくぎよはをどりいつたるなれ。 いかさまにもこれはごんげんのごりしやうとおぼえさふらふ。 まゐるべし」とまうしければ、さしもじつかいをたもつて、しやうじんけつさいのみちなれども、みづからてうびしてわがみくひ、いへのこらうどうどもにもくはせらる。 そのゆゑにやきちじのみうちつづいて、わがみだいじやうだいじんにいたり、しそんのくわんども、りようのくもにのぼるよりはなほすみやかなり。 くだいのせんじようをこえたまふこそめでたけれ。 「かぶろ」(『かぶろ』)S0104かくてきよもりこう、にんあんさんねんじふいちぐわつじふいちにち、としごじふいちにてやまひにをかされ、ぞんめいのためにとて、すなはちしゆつけにふだうす。 ほふみやうをばじやうかいとこそつきたまへ。 そのゆゑにや、しゆくびやうP59たちどころにいえててんめいをまつたうす。 しゆつけののちも、えいえうはなほつきずとぞみえし。 おのづからひとのしたがひつきたてまつることは、ふくかぜのくさきをなびかすごとく、よのあふげることも、ふるあめのこくどをうるほすにおなじ。 ろくはらどののごいつけのきんだちとだにいへば、くわそくもえいゆうも、たれかたをならべ、おもてをむかふものなし。 またにふだうしやうこくのこじうと、へいだいなごんときただのきやうののたまひけるは、「このいちもんにあらざらんものは、みなにんぴにんたるべし」とぞのたまひける。 さればいかなるひとも、このいちもんにむすぼれんとぞしける。 ゑぼしのためやうよりはじめて、えもんのかきやうにいたるまで、なにごともろくはらやうとだにいひてしかば、いつてんしかいのひとみなこれをまなぶ。 いかなるけんわうけんしゆのおんまつりごと、せつしやうくわんばくのごせいばいにも、よにあまされたるほどのいたづらものなどの、かたはらによりあひて、なにとなうそしりかたぶけまうすことはつねのならひなれども、このぜんもんよざかりのほどは、いささかゆるがせにまうすものなし。 そのゆゑはにふだうしやうこくのはかりごとに、じふしごろくのわらべをさんびやくにんすぐつて、かみをかぶろにきりまはし、あかきひたたれをきせて、めしつかはれけるが、きやうぢうにみちみちてわうばんしけり。 おのづからへいけのおんこと、あしざまにまうすものあれば、いちにんききいださぬほどこそありけれ、よたうにふれまはし、かのいへにらんにふし、しざいざふぐをつゐふくし、そのやつをからめて、ろくはらどのへゐてまゐる。 さればめにみ、こころにしるといへども、ことばにあらはしてまうすものなし。 ろくはらどののかぶろとだにいへば、みちをすぐるむまくるまも、みなよぎてぞP60とほしける。 きんもんをしゆつにふすといへども、しやうみやうをたづねらるるにおよばず。 けいしのちやうり、これがためにめをそばむとみえたり。 「わがみのえいぐわ」(『わがみのえいぐわ』)S0105わがみのえいぐわをきはむるのみならず、いちもんともにはんじやうして、ちやくししげもり、ないだいじんのさだいしやう、じなんむねもり、ちうなごんのうだいしやう、さんなんとももり、さんみのちうじやう、ちやくそんこれもり、しゐのせうしやう、すべていちもんのくぎやうじふろくにん、てんじやうびとさんじふよにん、しよこくのじゆりやう、ゑふ、しよし、つがふろくじふよにんなり。 よにはまたひとなくぞみえられける。 むかしならのみかどのおんとき、じんきごねん、てうかにちうゑのだいしやうをはじめおかる。 だいどうしねんにちうゑをこんゑとあらためられしよりこのかた、きやうだいさうにあひならぶこと、わづかにさんしかどなり。 もんどくてんわうのおんときは、ひだんによしふさ、うだいじんのさだいしやう、みぎによしあふ、だいなごんのうだいしやう、これはかんゐんのさだいじんふゆつぎのおんこなり。 しゆしやくゐんのぎようには、ひだりにさねより、をののみやどの、みぎにもろすけ、くでうどの、ていじんこうのおんこなり。 ごれんぜいゐんのおんときは、ひだりにのりみち、おほにでうどの、みぎによりむね、ほりかはどの、みだうのくわんばくのおんこなり。 にでうのゐんのぎようには、ひだりにもとふさ、まつどの、みぎにかねざね、つきのわどの、ほつしやうじどののおんこなり。 これみなせふろくのP61しんのごしそく、はんじんにとつてはそのれいなし。 てんじやうのまじはりをだにきらはれしひとのしそんにて、きんじき、ざつぱうをゆり、りようらきんしうをみにまとひ、だいじんのだいしやうになつてきやうだいさうにあひならぶこと、まつだいとはいひながら、ふしぎなりしことどもなり。 そのほか、おんむすめはちにんおはしき。 みなとりどりにさいはひたまへり。 いちにんはさくらまちのちうなごんしげのりのきやうのきたのかたにておはすべかりしが、はつさいのとしおんやくそくばかりにて、へいぢのみだれいご、ひきちがへられて、くわざんのゐんのさだいじんどののみだいばんどころにならせたまひて、きんだちあまたましましけり。 そもそもこのしげのりのきやうをさくらまちのちうなごんとまうしけることは、すぐれてこころすきたまへるひとにて、つねはよしののやまをこひつつ、ちやうにさくらをうゑならべ、そのうちにやをたててすみたまひしかば、くるとしのはるごとに、みるひと、さくらまちとぞまうしける。 さくらはさいてしちかにちにちるを、なごりををしみ、あまてるおんがみにいのりまうされければにや、さんしちにちまでなごりありけり。 きみもけんわうにてましませば、しんもしんとくをかかやかし、はなもこころありければ、はつかのよはひをたもちけり。 いちにんはきさきにたたせたまふ。 にじふににてわうじごたんじやうあつて、くわうたいしにたち、くらゐにつかせたまひしかば、ゐんがうかうぶらせたまひて、けんれいもんゐんとぞまうしける。 にふだうしやうこくのおんむすめなるうへ、てんがのこくもにてましませば、とかうまうすにおよばれず。 いちにんはろくでうのせつしやうどののきたのまんどころにならせたまふ。 これはたかくらのゐんございゐのおんとき、おんははしろとて、じゆんさんごうのせんじをかうぶらせたまひて、しらかはどのとて、おもきひとにてぞましましける。 P62いちにんはふげんじどののきたのまんどころにならせたまふ。 いちにんはれんぜいのだいなごんりうばうのきやうのきたのかた、いちにんはしちでうのしゆりのだいぶのぶたかのきやうにあひぐしたまへり。 またあきのくにいつくしまのないしがはらにいちにん、これはごしらかはのほふわうへまゐらせたまひて、ひとへににようごのやうでぞましましける。 そのほかくでうのゐんのざふしときはがはらにいちにん、これはくわざんのゐんどののじやうらふにようばうにて、らふのおんかたとぞまうしける。 につぽんあきつしまはわづかにろくじふろくかこく、へいけちぎやうのくにさんじふよかこく、すでにはんごくにこえたり。 そのほかしやうえん、でんばく、いくらといふかずをしらず。 きらじうまんして、たうしやうはなのごとし。 けんきくんじゆして、もんぜんいちをなす。 やうしうのこがね、けいしうのたま、ごきんのあや、しよつかうのにしき、しつちんまんぽう、ひとつとしてかけたることなし。 かたうぶかくのもとゐ、ぎよりようしやくばのもてあそびもの、おそらくは、ていけつもせんとうも、これにはすぎじとぞみえし。 「ぎわう」(『ぎわう』)S0106だいじやうのにふだうは、かやうにてんがをたなごころのうちににぎりたまひしうへは、よのそしりをもはばからず、ひとのあざけりをもかへりみず、ふしぎのことをのみしたまへり。 たとへば、そのころきやうぢうにきこえたるしらびやうしのじやうず、ぎわう、ぎによとておととひあり。 とぢといふP63しらびやうしがむすめなり。 しかるにあねのぎわうを、にふだうしやうこくちようあいしたまふうへ、いもとのぎによをも、よのひともてなすことなのめならず。 ははとぢにもよきやつくつてとらせ、まいぐわつにひやくこくひやくくわんをおくられたりければ、けないふつきしてたのしいことなのめならず。 そもそもわがてうにしらびやうしのはじまりけることは、むかしとばのゐんのぎように、しまのせんざい、わかのまへ、かれらににんがまひいだしたりけるなり。 はじめはすゐかんにたてゑぼし、しろざやまきをさいてまひければをとこまひとぞまうしける。 しかるをなかごろよりゑぼしかたなをのけられて、すゐかんばかりもちひたり。 さてこそしらびやうしとはなづけけれ。 きやうぢうのしらびやうしども、ぎわうがさいはひのめでたきやうをきいて、うらやむものもあり、そねむものもあり。 うらやむものどもは、「あなめでたのぎわうごぜんのさいはひや。 おなじあそびめとならば、たれもみなあのやうでこそありたけれ。 いかさまにもぎといふもじをなについて、かくはめでたきやらん。 いざやわれらもついてみん」とて、あるひはぎいち、ぎにとつき、あるひはぎふく、ぎとくなどつくものもありけり。 そねむものどもは、「なんでふなにより、もじにはよるべき。 さいはひはただぜんぜのむまれつきでこそあんなれ」とて、つかぬものもおほかりけり。 かくてさんねんといふに、またしらびやうしのじやうず、いちにんいできたり。 かがのくにのものなり。 なをばほとけとぞまうしける。 としじふろくとぞきこえし。 きやうぢうのじやうげこれをみて、むかしよりおほくのしらびやうしはみしかども、かかるまひのじやうずはいまだみずとて、よのひともてなすP64ことなのめならず。 あるときほとけごぜんまうしけるは、「われてんがにもてあそばるるといへども、たうじめでたうさかえさせたまふへいけだいじやうのにふだうどのへ、めされぬことこそほいなけれ。 あそびもののならひ、なにかくるしかるべき。 すゐさんしてみん」とて、あるときにしはちでうどのへぞさんじたる。 ひとごぜんにまゐつて、「たうじみやこにきこえさふらふほとけごぜんがまゐつてさふらふ」とまうしければ、にふだうしやうこくおほきにいかつて、「なんでふ、さやうのあそびものは、ひとのめしにてこそまゐるものなれ、さうなうすゐさんするやうやある。 そのうへ、かみともいへ、ほとけともいへ、ぎわうがあらんずるところへはかなふまじきぞ。 とうとうまかりいでよ」とぞのたまひける。 ほとけごぜんは、すげなういはれたてまつて、すでにいでんとしけるを、ぎわうにふだうどのにまうしけるは、「あそびもののすゐさんは、つねのならひでこそさぶらへ。 そのうへとしもいまだをさなうさぶらふなるが、たまたまおもひたつてまゐつてさぶらふを、すげなうおほせられて、かへさせたまはんこそふびんなれ。 いかばかりはづかしう、かたはらいたくもさぶらふらん。 わがたてしみちなれば、ひとのうへともおぼえず。 たとひまひをごらんじ、うたをこそきこしめさずとも、ただりをまげて、めしかへいてごたいめんばかりさぶらひて、かへさせたまはば、ありがたきおんなさけでこそさぶらはんずれ」とまうしければ、にふだうしやうこく、「いでいでさらば、わごぜがあまりにいふことなるに、たいめんしてかへさん」とて、おつかひをたてて、めされけり。 ほとけごぜんは、すげなういはれたてまつて、くるまにのつてすでにいでんとP65しけるが、めされてかへりまゐりたり。 にふだうやがていであひたいめんしたまひて、「いかにほとけ、けふのげんざんはあるまじかりつれども、ぎわうがなにとおもふやらん、あまりにまうしすすむるあひだ、かやうにげんざんはしつ。 げんざんするうへではいかでかこゑをもきかであるべき。 まづいまやうひとつうたへかし」とのたまへば、ほとけごぜん、「うけたまはりさぶらふ」とて、いまやうひとつぞうたうたる。 きみをはじめてみるときはちよもへぬべしひめこまつ おまへのいけなるかめをかにつるこそむれゐてあそぶめれ と、おしかへしおしかへし、さんべんうたひすましたりければ、けんもんのひとびと、みなじぼくをおどろかす。 にふだうもおもしろきことにおもひたまひて、「さてわごぜは、いまやうはじやうずにてありけるや。 このぢやうではまひもさだめてよからん。 いちばんみばや、つづみうちめせ」とてめされけり。 うたせていちばんまうたりけり。 ほとけごぜんは、かみすがたよりはじめて、みめかたちよにすぐれ、こゑよくふしもじやうずなりければ、なじかはまひはそんずべき。 こころもおよばずまひすましたりければ、にふだうしやうこくまひにめでたまひて、ほとけにこころをうつされけり。 ほとけごぜん、「こはなにごとにてさぶらふぞや。 もとよりわらははすゐさんのものにて、すでにいだされまゐらせしを、ぎわうごぜんのまうしじやうによつてこそ、めしかへされてもさぶらふ。 はやはやいとまたまはつて、いださせおはしませ」とまうしければ、にふだうしやうこく、「すべてそのぎかなふまじ。 ただしぎわうがあるにP66よつて、さやうにはばかるか。 そのぎならばぎわうをこそいださめ」とのたまへば、ほとけごぜん、「これまたいかでさるおんことさぶらふべき。 ともにめしおかれんだに、はづかしうさぶらふべきに、ぎわうごぜんをいださせたまひて、わらはをいちにんめしおかれなば、ぎわうごぜんのおもひたまはんこころのうち、いかばかりはづかしう、かたはらいたくもさぶらふべき。 おのづからのちまでもわすれたまはぬおんことならば、めされてまたはまゐるとも、けふはいとまをたまはらん」とぞまうしける。 にふだう、「そのぎならば、ぎわうとうとうまかりいでよ」と、おつかひかさねてさんどまでこそたてられけれ。 ぎわうはもとよりおもひまうけたるみちなれども、さすがきのふけふとはおもひもよらず。 にふだうしやうこく、いかにもかなふまじきよし、しきりにのたまふあひだ、はきのごひ、ちりひろはせ、いづべきにこそさだめけれ。 いちじゆのかげにやどりあひ、おなじながれをむすぶだに、わかれはかなしきならひぞかし。 いはんやこれはみとせがあひだすみなれしところなれば、なごりもをしくかなしくて、かひなきなみだぞすすみける。 さてしもあるべきことならねば、ぎわういまはかうとていでけるが、なからんあとのわすれがたみにもとやおもひけん、しやうじになくなくいつしゆのうたをぞかきつけける。 もえいづるもかるるもおなじのべのくさいづれかあきにあはではつべき W003 さてくるまにのつてしゆくしよへかへり、しやうじのうちにたふれふし、ただなくよりほかのことぞなき。 ははやいもとこれをみて、いかにやいかにととひけれども、ぎわうとかうのへんじにもP67およばず、ぐしたるをんなにたづねてこそ、さることありともしつてげれ。 さるほどにまいぐわつおくられけるひやくこくひやくくわんをもおしとめられて、いまはほとけごぜんのゆかりのものどもぞ、はじめてたのしみさかえける。 きやうぢうのじやうげ、このよしをつたへきいて、「まことやぎわうこそ、にしはちでうどのよりいとまたまはつていだされたんなれ。 いざやげんざんしてあそばん」とて、あるひはふみをつかはすものもあり、あるひはししやをたつるひともありけれども、ぎわう、いまさらまたひとにたいめんして、あそびたはむるべきにもあらねばとて、ふみをだにとりいるることもなく、ましてつかひをあひしらふまでもなかりけり。 ぎわうこれにつけても、いとどかなしくて、かひなきなみだぞこぼれける。 かくてことしもくれぬ。 あくるはるにもなりしかば、にふだうしやうこく、ぎわうがもとへししやをたてて、「いかにぎわう、そののちはなにごとかある。 ほとけごぜんがあまりにつれづれげにみゆるに、まゐつていまやうをもうたひ、まひなどをもまうて、ほとけなぐさめよ」とぞのたまひける。 ぎわうとかうのおんぺんじにもおよばず、なみだをおさへてふしにけり。 にふだうかさねて、「なにとてぎわうは、ともかうもへんじをばまうさぬぞ。 まゐるまじきか。 まゐるまじくは、そのやうをまうせ。 じやうかいもはからふむねあり」とぞのたまひける。 ははとぢこれをきくにかなしくて、なくなくけうくんしけるは、「なにとてぎわうはともかうもおんぺんじをばまうさで、かやうにしかられまゐらせんよりは」といへば、ぎわうなみだをおさへてまうしけるは、「まゐらんとおもふみちならばこそ、やがてまゐるべしともまうすべけれ。 P68なかなかまゐらざらんものゆゑに、なにとおんぺんじをばまうすべしともおぼえず。 このたびめさんにまゐらずは、はからふむねありとおほせらるるは、さだめてみやこのほかへいださるるか、さらずはいのちをめさるるか、これふたつにはよもすぎじ。 たとひみやこをいださるるとも、なげくべきみちにあらず。 またいのちをめさるるともをしかるべきわがみかは。 いちどうきものにおもはれまゐらせて、ふたたびおもてをむかふべしともおぼえず」とて、なほおんぺんじにもおよばざりしかば、ははとぢなくなくまたけうくんしけるは、「あめがしたにすまんには、ともかうもにふだうどののおほせをば、そむくまじきことにてあるぞ。 そのうへわごぜは、をとこをんなのえん、しゆくせ、いまにはじめぬことぞかし。 せんねんまんねんとはちぎれども、やがてわかるるなかもあり。 あからさまとはおもへども、ながらへはつることもあり。 よにさだめなきものは、をとこをんなのならひなり。 いはんやわごぜは、このみとせがあひだおもはれまゐらせたれば、ありがたきおんなさけでこそさぶらへ。 このたびめさんにまゐらねばとて、いのちをめさるるまではよもあらじ。 さだめてみやこのほかへぞいだされんずらん。 たとひみやこをいださるるとも、わごぜたちはとしいまだわかければ、いかならんいはきのはざまにても、すごさんことやすかるべし。 わがみはとしおいよはひおとろへたれば、ならはぬひなのすまひを、かねておもふこそかなしけれ。 ただわれをばみやこのうちにてすみはてさせよ。 それぞこんじやうごしやうのけうやうにてあらんずるぞ」といへば、ぎわうまゐらじとおもひさだめしみちなれども、ははのめいをそむかじとて、なくなくまたいでたちける、P69こころのうちこそむざんなれ。 ぎわうひとりまゐらんことの、あまりにこころうしとて、いもとのぎによをもあひぐしけり。 そのほかしらびやうしににん、そうじてしにん、ひとつくるまにとりのつて、にしはちでうどのへぞさんじたる。 ひごろめされつるところへはいれられずして、はるかにさがりたるところに、ざしきしつらうてぞおかれける。 ぎわう、「こはさればなにごとぞや。 わがみにあやまつことはなけれども、いだされまゐらするだにあるに、あまつさへざしきをだにさげらるることのくちをしさよ。 いかにせん」とおもふを、ひとにしらせじと、おさふるそでのひまよりも、あまりてなみだぞこぼれける。 ほとけごぜんこれをみて、あまりにあはれにおぼえければ、にふだうどのにまうしけるは、「あれはいかに、ぎわうとこそみまゐらせさぶらへ。 ひごろめされぬところにてもさぶらはばこそ。 これへめされさぶらへかし。 さらずはわらはにいとまをたべ。 いでまゐらせん」とまうしけれども、にふだういかにもかなふまじきとのたまふあひだ、ちからおよばでいでざりけり。 にふだうやがていであひたいめんしたまひて、「いかにぎわう、そののちはなにごとかある。 ほとけごぜんがあまりにつれづれげにみゆるに、いまやうをもうたひ、まひなんどをもまうて、ほとけなぐさめよ」とぞのたまひける。 ぎわう、まゐるほどでは、ともかくもにふだうどののおほせをば、そむくまじきものをとおもひ、ながるるなみだをおさへつつ、いまやうひとつぞうたうたる。 P70 ほとけもむかしはぼんぶなりわれらもつひにはほとけなり いづれもぶつしやうぐせるみをへだつるのみこそかなしけれ と、なくなくにへんうたうたりければ、そのざになみゐたまへるへいけいちもんのくぎやうてんじやうびと、しよだいぶ、さぶらひにいたるまで、みなかんるゐをぞもよほされける。 にふだうもげにもとおもひたまひて、「ときにとつてはしんべうにもまうしたり。 さてはまひもみたけれども、けふはまぎるることいできたり。 こののちはめさずともつねにまゐりて、いまやうをもうたひ、まひなどをもまうて、ほとけなぐさめよ」とぞのたまひける。 ぎわうとかうのおんぺんじにもおよばず、なみだをおさへていでにけり。 ぎわう、「まゐらじとおもひさだめしみちなれども、ははのめいをそむかじと、つらきみちにおもむいて、ふたたびうきはぢをみつることのくちをしさよ。 かくてこのよにあるならば、またもうきめにあはんずらん。 いまはただみをなげんとおもふなり」といへば、いもうとのぎによこれをきいて、「あねみをなげば、われもともにみをなげん」といふ。 ははとぢこれをきくにかなしくて、なくなくまたかさねてけうくんしけるは、「さやうのことあるべしともしらずして、けうくんしてまゐらせつることのうらめしさよ。 まことにわごぜのうらむるもことわりなり。 ただしわごぜがみをなげば、いもうとのぎによもともにみをなげんといふ。 わかきむすめどもをさきだてて、としおいよはひおとろへたるはは、いのちいきてもなににかはせんなれば、われもともにみをなげんずるなり。 いまだしごもきたらぬははに、みをなげさせんずることは、ごぎやくざいにてやP71あらんずらん。 このよはかりのやどりなれば、はぢてもはぢてもなにならず。 ただながきよのやみこそこころうけれ。 こんじやうでものをおもはするだにあるに、ごしやうでさへあくだうへおもむかんずることのかなしさよ」と、さめざめとかきくどきければ、ぎわうなみだをはらはらとながいて、「げにもさやうにさぶらはば、ごぎやくざいうたがひなし。 いつたんうきはぢをみつることのくちをしさにこそ、みをなげんとはまうしたれ。 ささぶらはばじがいをばおもひとどまりさぶらひぬ。 かくてみやこにあるならば、またもうきめをみんずらん。 いまはただみやこのほかへいでん」とて、ぎわうにじふいちにてあまになり、さがのおくなるやまざとに、しばのいほりをひきむすび、ねんぶつしてぞゐたりける。 いもうとのぎによこれをきいて、「あねみをなげば、われもともにみをなげんとこそちぎりしか。 ましてさやうによをいとはんに、たれかおとるべき」とて、じふくにてさまをかへ、あねといつしよにこもりゐて、ひとへにごせをぞねがひける。 ははとぢこれをきいて、「わかきむすめどもだに、さまをかふるよのなかに、としおいよはひおとろへたるはは、しらがをつけてもなににかはせん」とて、しじふごにてかみをそり、ふたりのむすめもろともに、いつかうせんじゆにねんぶつして、ごせをねがふぞあはれなる。 かくてはるすぎなつたけぬ。 あきのはつかぜふきぬれば、ほしあひのそらをながめつつ、あまのとわたるかぢのはに、おもふことかくころなれや。 ゆふひのかげのにしのやまのはにかくるるをみても、ひのいりたまふところは、さいはうじやうどにてこそあんなれ。 いつかわれらもかしこにP72むまれて、ものもおもはですごさんずらんと、すぎにしかたのうきことどもおもひつづけて、ただつきせぬものはなみだなり。 たそかれどきもすぎぬれば、たけのあみどをとぢふさぎ、ともしびかすかにかきたてて、おやこさんにんもろともにねんぶつしてゐたるところに、たけのあみどを、ほとほととうちたたくものいできたり。 そのときあまどもきもをけし、「あはれ、これは、いふかひなきわれらがねんぶつしてゐたるをさまたげんとて、まえんのきたるにてぞあるらん。 ひるだにもひともとひこぬやまざとの、しばのいほりのうちなれば、よふけてたれかはたづぬべき。 わづかにたけのあみどなれば、あけずともおしやぶらんことやすかるべし。 いまはただなかなかあけていれんとおもふなり。 それになさけをかけずして、いのちをうしなふものならば、としごろたのみたてまつるみだのほんぐわんをつよくしんじて、ひまなくみやうがうをとなへたてまつるべし。 こゑをたづねてむかへたまふなるしやうじゆのらいかうにてましませば、などかいんぜふなかるべき。 あひかまへてねんぶつおこたりたまふな」とたがひにこころをいましめて、てにてをとりくみ、たけのあみどをあけたれば、まえんにてはなかりけり。 ほとけごぜんぞいできたる。 ぎわう、「あれはいかに、ほとけごぜんとみまゐらするは。 ゆめかやうつつか」といひければ、ほとけごぜんなみだをおさへて、「かやうのことまうせば、すべてことあたらしうはさぶらへども、まうさずはまたおもひしらぬみともなりぬべければ、はじめよりして、こまごまとありのままにまうすなり。 もとよりわらははすゐさんのものにて、すでにいだされまゐらせしを、P73わごぜのまうしじやうによつてこそ、めしかへされてもさぶらふに、をんなのみのいふかひなきこと、わがみをこころにまかせずして、わごぜをいださせまゐらせて、わらはがおしとどめられぬること、いまにはづかしうかたはらいたくこそさぶらへ。 わごぜのいでられたまひしをみしにつけても、いつかまたわがみのうへならんとおもひゐたれば、うれしとはさらにおもはず。 しやうじにまた、『いづれかあきにあはではつべき』とかきおきたまひしふでのあと、げにもとおもひさぶらひしぞや。 いつぞやまたわごぜのめされまゐらせて、いまやうをうたひたまひしにも、おもひしられてこそさぶらへ。 そののちはざいしよをいづくともしらざりしに、このほどきけば、かやうにさまをかへ、ひとつところにねんぶつしておはしつるよし、あまりにうらやましくて、つねはいとまをまうししかども、にふだうどのさらにおんもちひましまさず。 つくづくものをあんずるに、しやばのえいぐわはゆめのゆめ、たのしみさかえてなにかせん。 にんじんはうけがたく、ぶつけうにはあひがたし。 このたびないりにしづみなば、たしやうくわうごふをばへだつとも、うかびあがらんことかたかるべし。 らうせうふぢやうのさかひなれば、としのわかきをたのむべきにあらず。 いづるいきのいるをもまつべからず。 かげろふいなづまよりもなほはかなし。 いつたんのえいぐわにほこつて、ごせをしらざらんことのかなしさに、けさまぎれいでて、かくなつてこそまゐりたれ」とて、かづいたるきぬをうちのけたるをみれば、あまになつてぞいできたる。 「かやうにさまをかへてまゐりたるうへは、ひごろのとがをばゆるしたまへ。 ゆるさんとだにのたまはば、もろともにねんぶつして、ひとつはちすのP74みとならん。 それにもなほこころゆかずは、これよりいづちへもまよひゆき、いかならんこけのむしろ、まつがねにもたふれふし、いのちのあらんかぎりはねんぶつして、わうじやうのそくわいをとげんとおもふなり」とて、そでをかほにおしあてて、さめざめとかきくどきければ、ぎわうなみだをおさへて、「わごぜのそれほどまでおもひたまはんとはゆめにもしらず、うきよのなかのさがなれば、みのうきとこそおもひしに、ともすればわごぜのことのみうらめしくて、こんじやうもごしやうも、なまじひにしそんじたるここちにてありつるに、かやうにさまをかへておはしつるうへは、ひごろのとがは、つゆちりほどものこらず、いまはわうじやううたがひなし。 このたびそくわいをとげんこそ、なによりもまたうれしけれ。 わらはがあまになりしをだに、よにありがたきことのやうに、ひともいひ、わがみもおもひさぶらひしぞや。 それはよをうらみ、みをなげいたれば、さまをかふるもことわりなり。 わごぜはうらみもなくなげきもなし。 ことしはわづかじふしちにこそなりしひとの、それほどまでゑどをいとひ、じやうどをねがはんと、ふかくおもひいりたまふこそ、まことのだいだうしんとはおぼえさぶらひしか。 うれしかりけるぜんぢしきかな。 いざもろともにねがはん」とて、しにんいつしよにこもりゐて、あさゆふぶつぜんにむかひ、はなかうをそなへて、たねんなくねがひけるが、ちそくこそありけれ、みなわうじやうのそくわいをとげけるとぞきこえし。 さればかのごしらかはのほふわうのちやうがうだうのくわこちやうにも、ぎわう、ぎによ、ほとけ、とぢらがそんりやうと、しにんいつしよにいれられたり。 ありがたかりしことどもなり。 P75 「にだいのきさき」(『にだいのきさき』)S0107むかしよりいまにいたるまで、げんぺいりやうしてうかにめしつかはれて、わうくわにしたがはず、おのづからてうけんをかろんずるものには、たがひにいましめをくはへしかば、よのみだれはなかりしに、ほうげんにためよしきられ、へいぢによしともちうせられてのちは、すゑずゑのげんじどもあるひはながされ、あるひはうしなはれて、いまはへいけのいちるゐのみはんじやうして、かしらをさしいだすものなし。 いかならんすゑのよまでも、なにごとかあらんとぞみえし。 されどもとばのゐんごあんがののちは、ひやうがくうちつづいて、しざい、るけい、けつくわん、ちやうにん、つねにおこなはれて、かいだいもしづかならず、せけんもいまだらくきよせず。 なかんづくえいりやく、おうほうのころよりして、ゐんのきんじゆしやをば、うちよりおんいましめあり、うちのきんじゆしやをばゐんよりいましめらるるあひだ、じやうげおそれをののいて、やすいこころもせず、ただしんえんにのぞんで、はくひようをふむにおなじ。 しゆしやうしやうくわうふしのおんあひだに、なにごとのおんへだてかあるなれども、おもひのほかのことどもおほかりけり。 これもよげうきにおよんで、ひとけうあくをさきとするゆゑなり。 しゆしやう、ゐんのおほせをつねはまうしかへさせおはしましけるなかに、ひとじぼくをおどろかし、よもつておほきにかたぶけまうすことありけり。 ここんゑのゐんのきさき、たいくわうたいこうぐうとまうししは、P76おほひのみかどのうだいじんきんよしこうのおんむすめなり。 せんていにおくれたてまつらせたまひてのちは、ここのへのほか、このゑかはらのごしよにぞうつりすませたまひける。 さきのきさいのみやにて、かすかなるおんありさまにてわたらせたまひしが、えいりやくのころほひは、おんとしにじふにさんにもやならせましましけん、おんさかりもすこしすぎさせおはしますほどなり。 されども、てんがだいいちのびじんのきこえましましければ、しゆしやういろにのみそめるおんこころにて、ひそかにかうりよくしにぜうじて、ぐわいきうにひきもとめしむるにおよんで、このおほみやのごしよへ、ひそかにごえんしよあり。 おほみやあへてきこしめしもいれず。 さればひたすらはやほにあらはれて、きさきごじゆだいあるべきよし、うだいじんげにせんじをくださる。 このことてんがにおいてことなるしようじなれば、くぎやうせんぎあつて、おのおのいけんをいふ。 「まづいてうのせんじようをとぶらふに、しんだんのそくてんくわうごうは、たうのたいそうのきさき、かうそうくわうていのけいぼなり。 たいそうほうぎよののち、かうそうのきさきにたちたまふことあり。 それはいてうのせんぎたるうへ、べつだんのことなり。 しかれどもわがてうには、じんむてんわうよりこのかたにんわうしちじふよだいにいたるまで、いまだにだいのきさきにたたせたまふれいをきかず」としよきやういちどうにうつたへまうされたりければ、しやうくわうもしかるべからざるよし、こしらへまうさせたまへども、しゆしやうおほせなりけるは、「てんしにぶもなし。 われじふぜんのかいこうによつて、いまばんじようのほうゐをたもつ。 これほどのことなどかえいりよにまかせざるべき」とて、やがてごじゆだいのひ、せんげせられけるうへは、しやうくわうもちからおよばせたまはず。 P77 おほみやかくときこしめされけるより、おんなみだにしづませおはします。 せんていにおくれまゐらせにしきうじゆのあきのはじめ、おなじのばらのつゆともきえ、いへをもいでよをものがれたりせば、いまかかるうきみみをばきかざらましとぞ、おんなげきありける。 ちちのおとどこしらへまうさせたまひけるは、「よにしたがはざるをもつてきやうじんとすとみえたり。 すでにぜうめいをくださる。 しさいをまうすにところなし。 ただすみやかにまゐらせたまふべきなり。 もしわうじごたんじやうありて、きみもこくもといはれ、ぐらうもぐわいそとあふがるべきずゐさうにてもやさふらふらん。 これひとへにぐらうをたすけさせましますごかうかうのおんいたりなるべし」と、やうやうにこしらへまうさせたまへども、おんぺんじもなかりけり。 おほみやそのころなにとなきおんてならひのついでに、 うきふしにしづみもやらでかはたけのよにためしなきなをやながさむ W004 よにはいかにしてもれけるやらん、あはれにやさしきためしにぞひとびとまうしあはれける。 すでにごじゆだいのひにもなりしかば、ちちのおとど、ぐぶのかんだちめ、しゆつしやのぎしきなど、こころことにだしたてまゐらつさせたまひけり。 おほみやものうきおんいでたちなれば、とみにもたてまつらず、はるかによふけ、さよもなかばになりてのち、おんくるまにたすけのせられさせたまひけり。 ごじゆだいののちは、れいけいでんにぞましましける。 さればひたすらあさまつりごとをすすめまうさせたまふおんさまなり。 かのししんでんのくわうきよには、げんじやうのしやうじをたてられたり。 P78いいん、ていごりん、ぐせいなん、たいこうばう、ろくりせんせい、りせき、しば、てなが、あしなが、むまがたのしやうじ、おにのま、りしやうぐんがすがたをさながらうつせるしやうじもあり。 をはりのかみをののたうふうが、しつくわいげんじやうのしやうじとかけるも、ことわりとぞみえし。 かのせいりやうでんのぐわとのみしやうじには、むかしかなをかがかきたりしゑんざんのありあけのつきもありとかや。 こゐんのいまだえうしゆにてましませしそのかみ、なにとなきおんてまさぐりのついでに、かきくもらかさせたまひたりしが、ありしながらにすこしもたがはせたまはぬをごらんじて、せんていのむかしもやおんこひしうおぼしめされけん、 おもひきやうきみながらにめぐりきておなじくもゐのつきをみむとは W005 そのあひだのおんなからひ、いひしらずあはれにやさしきおんことなり。 「がくうちろん」(『がくうちろん』)S0108さるほどに、えいまんぐわんねんのはるのころより、しゆしやうごふよのおんことときこえさせたまひしが、おなじきなつのはじめにもなりしかば、ことのほかにおもらせたまふ。 これによつて、おほくらのたいふいきのかねもりがむすめのはらに、こんじやういちのみやのにさいにならせたまふがましましけるを、たいしにたてまゐらさせたまふべしときこえしほどに、おなじきろくぐわつにじふごにち、にはかにP79しんわうのせんじかうぶらせたまふ。 やがてそのよじゆぜんありしかば、てんがなにとなうあわてたるさまなりけり。 そのときのいうしよくのひとびとまうしあはれけるは、まづほんてうに、とうたいのれいをたづぬるに、せいわてんわうくさいにして、もんどくてんわうのおんゆづりをうけさせたまふ。 それはかのしうくたんのせいわうにかはり、なんめんにして、いちじつばんきのまつりごとををさめたまひしになぞらへて、ぐわいそちうじんこう、えうしゆをふちしたまへり。 これぞせつしやうのはじめなる。 とばのゐんごさい、こんゑのゐんさんざいにてせんそあり。 かれをこそ、いつしかなれとまうししに、これはにさいにならせたまふ。 せんれいなし。 ものさわがしともおろかなり。 さるほどに、おなじきしちぐわつにじふしちにち、しやうくわうつひにほうぎよなりぬ。 おんとしにじふさん。 つぼめるはなのちれるがごとし。 たまのすだれ、にしきのちやうのうち、みなおんなみだにむせばせおはします。 やがてそのよ、かうりうじのうしとら、れんだいののおく、ふなをかやまにをさめたてまつる。 ごさうそうのよ、えんりやくこうぶくりやうじのだいしゆ、がくうちろんといふことをしいだして、たがひにらうぜきにおよぶ。 いつてんのきみほうぎよなつてのち、ごむしよへわたしたてまつるときのさほふは、なんぼくにきやうのだいしゆ、ことごとくぐぶして、ごむしよのめぐりに、わがてらでらのがくをうつことありけり。 まづしやうむてんわうのごぐわん、あらそふべきてらなければ、とうだいじのがくをうつ。 つぎにたんかいこうのごぐわんとてこうぶくじのがくをうつ。 ほくきやうには、こうぶくじにむかへて、えんりやくじのがくをうつ。 つぎにてんむてんわうのごぐわん、けうだいくわしやう、ちしようだいしのさうさうとてをんじやうじのがくをうつ。 しかるを、さんもんのだいしゆ、いかがおもひけん、せんれいをそむいて、とうだいじのつぎ、こうぶくじのP80うへに、えんりやくじのがくをうつあひだ、なんとのだいしゆ、とやせまし、かうやせましと、せんぎするところに、ここにこうぶくじのさいこんだうじゆ、くわんおんばう、せいしばうとて、きこえたるだいあくそうににんありけり。 くわんおんばうはくろいとをどしのはらまきに、しらえのなぎなた、くきみじかにとり、せいしばうはもよぎをどしのよろひき、こくしつのおほだちもつて、ににんつとはしりいで、えんりやくじのがくをきつておとし、さんざんにうちわり、「うれしやみづ、なるはたきのみづ、ひはてるとも、たえずとうたへ」とはやしつつ、なんとのしゆとのなかへぞいりにける。 「きよみづえんしやう」(『きよみづでらえんしやう』)S0109さんもんのだいしゆ、らうぜきをいたさばてむかひすべきところに、こころぶかうねらふかたもやありけん、ひとことばもいださず。 みかどかくれさせたまひてのちは、こころなきさうもくまでも、みなうれへたるいろにこそあるべきに、このさうどうのあさましさにたかきもいやしきも、きもたましひをうしなつて、しはうへみなたいさんす。 おなじきにじふくにちのうまのこくばかり、さんもんのだいしゆおびたたしうげらくすときこえしかば、ぶし、けんびゐし、にしざかもとにゆきむかつてふせぎけれども、ことともせず、おしやぶつてらんにふす。 またなにもののまうしいだしたりけるやらん、「いちゐん、さんもんのだいしゆにおほせて、へいけつゐたうせらるべし」ときこえしかば、ぐんびやうだいりにP81さんじてしはうのぢんどうをかためてけいごす。 へいじのいちるゐみなろくはらにはせあつまる。 いちゐんもいそぎろくはらへごかうなる。 きよもりこうそのーときはいまだだいなごんのうだいしやうにておはしけるが、おほきにおそれさわがれけり。 こまつどの、「なにによつて、ただいまさるおんことさふらふべき」としづめまうされけれども、つはものどもさわぎののしることおびたたし。 されどもさんもんのだいしゆろくはらへはよせずして、そぞろなるせいすゐじにおしよせて、ぶつかくそうばういちうものこさずみなやきはらふ。 これはさんぬるごさうそうのよのくわいけいのはぢをきよめんがためとぞきこえし。 せいすゐじはこうぶくじのまつじたるによつてなり。 せいすゐじやけたりけるあした、「くわんおんくわけうへんじやうちはいかに」と、ふだにかいて、だいもんのまへにぞたてたりける。 つぎのひまた、「りやくこふふしぎちからおよばず」と、かへしのふだをぞうつたりける。 しゆとかへりのぼりければ、いちゐんもいそぎろくはらよりくわんぎよなる。 しげもりのきやうばかりぞ、おんおくりにはまゐられける。 ちちのきやうはまゐられず。 なほようじんのためかとぞみえし。 しげもりのきやう、おんおくりよりかへられたりければ、ちちのだいなごんのたまひけるは、「さてもいちゐんのごかうこそおほきにおそれおぼゆれ。 かねてもおぼしめしより、おほせらるるむねのあればこそ、かうはきこゆらめ。 それにもなほうちとけたまふまじ」とのたまへば、しげもりのきやうまうされけるは、「このことゆめゆめおんけしきにも、おんことばにもいださせたまふべからず。 ひとにこころつけがほに、なかなかあしきおんことなり。 これにつけても、よくよくえいりよにそむかせたまはで、ひとのためにおんなさけをほどこさせましまさば、しんめいさんぽうかごP82あるべし。 さらんにとつては、おんみのおそれさふらふまじ」とてたたれければ、「しげもりのきやうはゆゆしうおほやうなるものかな」とぞ、ちちのきやうものたまひける。 いちゐんくわんぎよののち、ごぜんにうとからぬきんじゆしやたち、あまたさぶらはれけるに、「さてもふしぎのことをまうしいだしたるものかな。 つゆもおぼしめしよらぬものを」とおほせければ、ゐんぢうのきりものにさいくわうほふしといふものあり。 をりふしごぜんちかうさぶらひけるが、すすみいでて、「てんにくちなし、にんをもつていはせよとまうす。 へいけもつてのほかにくわぶんにさふらふあひだ、てんのおんぱからひにや」とぞまうしける。 ひとびと、「このことよしなし。 かべにみみあり。 おそろしおそろし」とぞ、おのおのささやきあはれける。 (『とうぐうだち』)S0110さるほどに、そのとしはりやうあんなりければ、ごけいだいじやうゑもおこなはれず。 けんしゆんもんゐん、そのーときはいまだひがしのおんかたとまうしける。 そのおんはらに、いちゐんのみやのごさいにならせたまふのましましけるを、たいしにたてまゐらさせたまふべしときこえしほどに、おなじきじふにんぐわつにじふしにち、にはかにしんわうのせんじかうぶらせたまふ。 あくればかいげんありて、にんあんとかうす。 おなじきとしのじふぐわつやうかのひ、きよねんしんわうのせんじかうぶらせたまひしわうじ、とうさんでうにてとうぐうにたたせたまふ。 とうぐうはおんをぢろくさい、しゆしやうはおんをひさんざい、いづれもぜうもくにあひかなはず。 ただしくわんわにねんに、いちでうのゐんしちさいにてごそくゐあり。 さんでうのゐんじふいつさいにてとうぐうにたたせたまふ。 せんれいなきにしもあらず。 しゆしやうはにさいにておんゆづりをうけさせたまひて、わづかごさいとまうししにんぐわつじふくにちに、おんくらゐをすべりて、しんゐんとぞまうしける。 P83いまだおんげんぶくもなくして、だいじやうてんわうのそんがうあり。 かんかほんてう、これやはじめならん。 にんあんさんねんさんぐわつはつかのひ、しんていだいこくでんにしてごそくゐあり。 このきみのくらゐにつかせたまひぬるは、いよいよへいけのえいぐわとぞみえし。 こくもけんしゆんもんゐんとまうすは、にふだうしやうこくのきたのかた、はちでうのにゐどののおんいもうとなり。 またへいだいなごんときただのきやうとまうすも、このにようゐんのおんせうとなるうへ、うちのごぐわいせきなり。 ないげにつけてしつけんのしんとぞみえし。 そのころのじよゐじもくとまうすも、ひとへにこのときただのきやうのままなりけり。 やうきひがさいはひしとき、やうこくちうがさかえしがごとし。 よのおぼえ、ときのきらめでたかりき。 にふだうしやうこくてんがのだいせうじをのたまひあはせられければ、ときのひと、へいくわんばくとぞまうしける。 「てんがののりあひ」(『てんがののりあひ』)S0111さるほどにかおうぐわんねんしちぐわつじふろくにち、いちゐんごしゆつけあり。 ごしゆつけののちも、ばんきのまつりごとをしろしめされければ、ゐん、うち、わくかたなし。 ゐんぢうにちかうめしつかはれけるくぎやうてんじやうびと、じやうげのほくめんにいたるまで、くわんゐほうろく、みなみにあまるばかりなり。 されどもひとのこころのならひにて、なほあきたらで、「あつぱれ、そのひとのうせたらば、P84そのくにはあきなん。 そのひとのほろびたらば、そのくわんにはなりなん」など、うとからぬどちは、よりあひよりあひ、ささやきけり。 いちゐんもないないおほせなりけるは、「むかしよりだいだいのてうてきをたひらげたるものおほしといへども、いまだかやうのことはなし。 さだもりひでさとがまさかどをうち、らいぎがさだたふむねたふをほろぼし、ぎかがたけひらいへひらをせめたりしにも、けんじやうおこなはれしこと、わづかじゆりやうにはすぎざりき。 いまきよもりが、かくこころのままにふるまふことこそしかるべからね。 これもよすゑになつて、わうぼふのつきぬるゆゑなり」とはおほせなりけれども、ついでなければおんいましめもなし。 へいけもまたべつしててうかをうらみたてまつらるることもなかりしに、よのみだれそめけるこんぼんは、いんじかおうにねんじふぐわつじふろくにちに、こまつどののじなん、しんーざんみのちうじやうすけもり、そのときはいまだゑちぜんのかみとて、しやうねんじふさんになられけるが、ゆきははだれにふつたりけり。 かれののけしき、まことにおもしろかりければ、わかきさぶらひどもさんじつきばかりめしぐして、れんだいのや、むらさきの、うこんのばばにうちいでてたかどもあまたすゑさせ、うづらひばりをおつたておつたて、ひねもすにかりくらし、はくぼにおよんでろくはらへこそかへられけれ。 そのときのごせつろくはまつどのにてぞましましける。 ひがしのとうゐんのごしよより、ごさんだいありけり。 いうはうもんよりじゆぎよあるべきにて、ひがしのとうゐんをみなみへ、おほひのみかどをにしへぎよしゆつなるに、すけもりあそん、おほひのみかどゐのくまにて、てんがのぎよしゆつにはなつきにまゐりあふ。 おんとものひとども、「なにものぞ、らうぜきなり。 ぎよしゆつなるに、のりものよりおりさふらへおりP85さふらへ」といらでけれども、あまりにほこりいさみ、よをよともせざりけるうへ、めしぐしたるさぶらひどもも、みなにじふよりうちのわかものどもなれば、れいぎこつぽふわきまへたるものいちにんもなし。 てんがのぎよしゆつともいはず、いつせつげばのれいぎにもおよばず、ただかけやぶつてとほらんとするあひだ、くらさはくらし、つやつやだいじやうのにふだうのまごともしらず、またせうせうはしつたれども、そらしらずして、すけもりのあそんをはじめとして、さぶらひどもみなむまよりとつてひきおろし、すこぶるちじよくにおよびけり。 すけもりあそん、はふはふろくはらへかへりおはして、おほぢのしやうこくぜんもんにこのよしうつたへまうされければ、にふだうおほきにいかつて、「たとひてんがなりとも、じやうかいがあたりをばはばかりたまふべきに、さうなうあのおさなきものにちじよくをあたへられけるこそゐこんのしだいなれ。 かかることよりして、ひとにはあざむかるるぞ。 このことてんがにおもひしらせたてまつらでは、えこそあるまじけれ。 いかにもしてうらみたてまつらばや」とのたまへば、しげもりのきやうまうされけるは、「これはすこしもくるしうさふらふまじ。 よりまさ、みつもとなどまうすげんじどもにあざけられてもさふらはんは、まことにいちもんのちじよくにてもさふらふべし。 しげもりがこどもとてさうらはんずるものが、とののぎよしゆつにまゐりあうて、のりものよりおりさふらはぬことこそかへすがへすもびろうにさふらへ」とて、そのときことにあうたるさぶらひども、みなめしよせて、「じこんいごなんぢらよくよくこころうべし。 あやまつててんがへぶれいのよしをまうさばやとおもへ」とてこそかへされけれ。 P86 そののちにふだう、こまつどのにはかうとものたまひもあはせずして、かたゐなかのさぶらひの、きはめてこはらかなるがにふだうのおほせよりほか、よにまたおそろしきことなしとおもふものども、なんば、せのををはじめとして、つがふろくじふよにんめしよせて、「らいにじふいちにち、てんがぎよしゆつあるべかんなり。 いづくにてもまちうけたてまつり、せんぐみずゐじんどもがもとどりきつて、すけもりがはぢすすげ」とこそのたまひけれ。 つはものどもかしこまりうけたまはつてまかりいづ。 てんがこれをばゆめにもしろしめされず、しゆしやうみやうねんおんげんぶく、ごかくわんはいくわんのおんさだめのために、しばらくごちよくろにあるべきにて、つねのぎよしゆつよりはひきつくろはせたまひて、こんどはたいけんもんよりじゆぎよあるべきにて、なかのみかどをにしへぎよしゆつなるにゐのくまほりかはのへんにて、ろくはらのつはものども、ひたかぶとさんびやくよき、まちうけたてまつり、てんがをなかにとりこめまゐらせて、ぜんごよりいちどに、ときをどつとぞつくりける。 せんぐみずゐじんどもが、けふをはれとしやうぞいたるを、あそこにおつかけ、ここにおつつめ、さんざんにりようりやくして、いちいちにみなもとどりをきる。 ずゐじんじふにんのうち、みぎのふしやうたけもとがもとどりをもきられてげり。 そのなかにとうくらんどのたいふたかのりがもとどりをきるとて、「これはなんぢがもとどりとおもふべからず、しゆのもとどりとおもふべし」と、いひふくめてぞきつてげる。 そののちはおんくるまのうちへも、ゆみのはずつきいれなどして、すだれかなぐりおとし、おうしのむながいしりがいきりはなち、かくさんざんにしちらして、よろこびのときをつくり、ろくはらへかへりまゐりたれば、にふだう、「しんべうなり」とぞのたまひける。 P87 されどもおんくるまぞひには、いなばのさいづかひ、とばのくにひさまるといふをのこ、げらふなれども、さかざかしきものにて、おんくるまをしつらひ、のせたてまつて、なかのみかどのごしよへくわんぎよなしたてまつる。 そくたいのおんそでにておんなみだをおさへさせたまひつつ、くわんぎよのぎしきのあさましさ、まうすもなかなかおろかなり。 たいしよくくわん、たんかいこうのおんことはあげてまうすにおよばず、ちうじんこう、せうぜんこうよりこのかた、せつしやうくわんばくのかかるおんめにあはせたまふこと、いまだうけたまはりおよばず。 これこそへいけのあくぎやうのはじめなれ。 こまつどのこのよしをききたまひて、おほきにおそれさわがれけり。 そのーときゆきむかうたるさぶらひども、みなかんだうせらる。 「たとひにふだういかなるふしぎをげぢしたまふといふとも、などしげもりにゆめばかりしらせざりけるぞ。 およそはすけもりきくわいなり。 せんだんはふたばよりかうばしとこそみえたれ。 すでにじふにさんにならんずるものが、いまはれいぎをぞんぢしてこそふるまふべきに、かやうのびろうをげんじて、にふだうのあくみやうをたつ。 ふけうのいたり、なんぢひとりにありけり」とて、しばらくいせのくにへおひくださる。 されば、このだいしやうをば、きみもしんもぎよかんありけるとぞきこえし。 P88 「ししのたに」(『ししのたに』)S0112これによつて、しゆしやうおんげんぶくのおんさだめ、そのひはのびさせたまひて、おなじきにじふごにち、ゐんのてんじやうにてぞおんげんぶくのおんさだめはありける。 せつしやうどのさてもわたらせたまふべきならねば、おなじきじふにんぐわつここのかのひ、かねせんじをかうぶらせたまひて、おなじきじふしにちだいじやうだいじんにあがらせたまふ。 やがておなじきじふしちにち、よろこびまうしのありしかども、よのなかはなほにがにがしうぞみえし。 さるほどにことしもくれぬ。 かおうもみとせになりにけり。 しやうぐわついつかのひ、しゆしやうおんげんぶくあつて、おなじきじふさんにち、てうきんのぎやうがうありけり。 ほふわうにようゐんまちうけまゐらさせたまひて、うひかうぶりのおんよそほひ、いかばかりらうたくおぼしめされけん。 にふだうしやうこくのおんむすめ、にようごにまゐらせたまふ。 おんとしじふごさい、ほふわうおんいうじのぎなり。 めうおんゐんどの、そのころはいまだないだいじんのさだいしやうにてましましけるが、だいしやうをじしまうさせたまふことありけり。 ときにとくだいじのだいなごんじつていのきやう、そのじんにあひあたりたまふ。 またくわざんのゐんのちうなごんかねまさのきやうもしよまうあり。 そのほかこなかのみかどのとうぢうなごんかせいのきやうのさんなん、しんだいなごんなりちかのきやうもひらにまうさる。 このだいなごんはゐんのごきしよくよかりければ、P89さまざまのいのりをはじめらる。 まづやはたにひやくにんのそうをこめて、しんどくのだいはんにやをしちにちよませられたりけるさいちうに、かはらのだいみやうじんのおんまへなるたちばなのきへ、をとこやまのかたより、やまばとみつとびきたつて、くひあひてぞしににける。 はとははちまんだいぼさつのだいいちのししやなり。 みやてらにかかるふしぎなしとて、ときのけんぎやう、きやうせいほふいんこのよしだいりへそうもんしたりければ、これただごとにあらず、みうらあるべしとて、じんぎくわんにしてみうらあり。 おもきおんつつしみとうらなひまうす。 ただしこれはきみのおんつつしみにはあらず、しんかのつつしみとぞまうしける。 それにだいなごんおそれをもいたされず、ひるはひとめのしげければ、よなよなほかうにて、なかのみかどからすまるのしゆくしよより、かものかみのやしろへ、ななよつづけてまゐられけり。 ななよにまんずるよ、しゆくしよにげかうして、くるしさにすこしまどろみたりけるゆめに、かものかみのやしろへまゐりたるとおぼしくて、ごほうでんのみとおしひらき、ゆゆしうけだかげなるおんこゑにて、 さくらばなかものかはかぜうらむなよちるをばえこそとどめざりけれ W006 だいなごんこれになほおそれをもいたされず、かものかみのやしろに、ごほうでんのおんうしろなる、すぎのほらにだんをたて、あるひじりをこめて、だぎにのほふをひやくにちおこなはせられけるに、あるときにはかにそらかきくもり、いかづちおびたたしうなつて、かのおほすぎにおちかかり、らいくわもえあがつて、きうちうすでにあやふくみえけるを、みやうどどもわしりあつまりて、これをうちけす。 さてかのげほふおこなひけるひじりをつゐしゆつせんとす。 「われたうしやにひやくにちさんろうのこころざしあつて、P90けふはしちじふごにちになる。 まつたくいづまじ」とてはたらかず。 このよしをしやけよりだいりへそうもんまうしたりければ、ただほふにまかせよと、せんじをくださる。 そのーときじんにんしらづゑをもつてかのひじりがうなじをしらげて、いちでうのおほちより、みなみへおつこしてげり。 しんはひれいをうけずとまうすに、このだいなごん、ひぶんのだいしやうをいのりまうされければにや、かかるふしぎもいできにけり。 そのころのじよゐぢもくとまうすは、ゐん、うちのおんぱからひにもあらず、せつしやうくわんばくのごせいばいにもおよばず、ただいつかうへいけのままにてありければ、とくだいじ、くわざんのゐんもなりたまはず、にふだうしやうこくのちやくなんこまつどの、そのーときはいまだだいなごんのうだいしやうにてましましけるが、ひだんにうつりて、じなんむねもり、ちうなごんにておはせしが、すはいのじやうらふをてうをつして、みぎにくははられけるこそ、まうすはかりもなかりしか。 なかにもとくだいじどのは、いちのだいなごんにて、くわそくえいゆう、さいかくいうちやう、けちやくにてましましけるが、へいけのじなんむねもりのきやうに、かかいこえられたまひぬるこそゐこんのしだいなれ。 さだめてごしゆつけなどもやあらんずらん」と、ひとびとささやきあはれけれども、とくだいじどのはしばらくよのならんやうをみんとて、だいなごんをじしてろうきよとぞきこえし。 しんだいなごんなりちかのきやうののたまひけるは、「とくだいじ、くわざんのゐんにこえられたらんはいかがせん。 へいけのじなんむねもりのきやうにかかいこえられぬるこそ、ゐこんのしだいなれ。 いかにもしてへいけをほろぼし、ほんまうをとげん」とのたまひけるこそおそろしけれ。 ちちのきやうは、このよはひでは、わづかP91ちうなごんまでこそいたられしか。 そのばつしにて、くらゐじやうにゐ、くわんだいなごんにへあがつて、、たいこくあまたたまはつて、しそく、しよじう、てうおんにほこれり。 なにのふそくあつてかかかるこころつかれけん、ひとへにてんまのしよゐとぞみえし。 へいぢにもゑちごのちうじやうとて、のぶよりのきやうにどうしんのあひだ、そのーときすでにちうせらるべかりしを、こまつどののやうやうにまうして、くびをつぎたまへり。 しかるにそのおんをわすれて、ぐわいじんもなきところに、ひやうぐをととのへ、ぐんびやうをかたらひおき、あさゆふはただいくさかつせんのいとなみのほかは、またたじなしとぞみえたりける。 ひんがしやまししのたにといふところは、うしろみゐでらにつづいて、ゆゆしきじやうくわくにてぞありける。 それにしゆんくわんそうづのさんざうあり。 かれにつねはよりあひよりあひ、へいけほろぼすべきはかりごとをぞめぐらしける。 あるよ、ほふわうもごかうなる。 こせうなごんにふだうしんせいのしそく、じやうけんほふいんもおんともつかまつらる。 そのよのしゆえんに、このよしをおほせあはせられたりければ、ほふいん、「あなあさまし。 ひとあまたうけたまはりさふらひぬ。 ただいまもれきこえて、てんがのおんだいじにおよびさふらひなんず」とまうされければ、だいなごんけしきかはつて、さつとたたれけるが、ごぜんにたてられたりけるへいじを、かりぎぬのそでにかけてひきたふされたりけるを、ほふわうえいらんあつて、「あれはいかに」とおほせければ、だいなごんたちかへつて、「へいじたふれさふらひぬ」とぞまうされける。 ほふわうもゑつぼにいらせおはしまし、「ものどもまゐつてさるがくつかまつれ」とおほせければ、へいはうぐわんやすよりつとまゐつて、「P92あああまりにへいじのおほうさふらふに、もてゑひてさふらふ」とまうす。 しゆんくわんそうづ、「さてそれをば、いかがつかまつるべきやらん」。 さいくわうほふし、「ただくびをとるにはしかじ」とて、へいじのくびをとつてぞいりにける。 ほふいん、あまりのあさましさに、つやつやものもまうされず。 かへすがへすもおそろしかりしことどもなり。 さてよりきのともがらたれたれぞ。 あふみのちうじやうにふだうれんじやう、ぞくみやうなりまさ、ほつしようじのしゆぎやうしゆんくわんそうづ、やましろのかみもとかぬ、しきぶのたいふまさつな、へいはうぐわんやすより、そうはうぐわんのぶふさ、しんへいはうぐわんすけゆき、ぶしにはただのくらんどゆきつなをはじめとして、ほくめんのものどもおほくよりきしてげり。 「うがはかつせん」(『しゆんくわんのさた うがはいくさ』)S0113そもそもこのほつしようじのしゆぎやうしゆんくわんそうづとまうすは、きやうごくのげんだいなごんがしゆんのきやうのまご、きでらのほふいんくわんがにはこなりけり。 そぶだいなごんは、さしてゆみやとるいへにはあらねども、あまりにはらあしきひとにて、さんでうのぼうもんきやうごくのしゆくしよのまへをば、ひとをもやすくとほされず、つねはちうもんにたたずみ、はをくひしばり、いかつてこそおはしけれ。 かかるおそろしきひとのまごなればにや、このしゆんくわんも、そうなれども、こころもたけく、おごれるひとにて、よしなきむほんにもくみしてげるにこそ。 しんだいなごんなりちかのきやう、P93ただのくらんどゆきつなをめして、「こんどごへんをば、いつぱうのたいしやうにたのむなり。 このことしおほせつるものならば、くにをもしやうをもしよまうによるべし。 まづゆぶくろのれうに」とて、しろぬのごじつたんおくられたり。 あんげんさんねんさんぐわついつかのひ、めうおんゐんどの、だいじやうだいじんにてんじたまへるかはりに、こまつどの、げんだいなごんさだふさのきやうをこえて、ないだいじんになりたまふ。 やがてだいきやうおこなはる。 だいじんのだいしやうめでたかりき。 そんじやにはおほひのみかどのうだいじんつねむねこうとぞきこえし。 いちのかみこそせんどなれども、ちちうぢのあくさふのごれい、そのおそれあり。 ほくめんはしやうこにはなかりけり。 しらかはのゐんのおんとき、はじめおかれてよりこのかた、ゑふどもあまたさふらひけり。 ためとし、もりしげ、わらはよりいまいぬまる、せんじゆまるとて、これらはさうなききりものにてぞありける。 とばのゐんのおんときも、すゑより、すゑのりふしともに、てうかにめしつかはれてありしが、つねはてんそうするをりもありなんどきこえしかども、これらはみなみのほどをふるまうてこそありしか。 このときのほくめんのともがらは、もつてのほかにくわぶんにて、くぎやうてんじやうびとをもことともせず、げほくめんよりしやうほくめんにあがり、しやうほくめんよりてんじやうのまじはりをゆるさるるものもおほかりけり。 かくのみおこなはるるあひだ、おごれるこころどもつきて、よしなきむほんにもくみしてげるにこそ。 なかにもこせうなごんにふだうしんせいのもとにめしつかはれけるもろみつ、なりかげといふものあり。 もろみつはあはのくにのざいちやう、なりかげはきやうのもの、じゆつこんいやしきげらふなり。 こんでいわらは、もしはかくごしやなどにてもやP94ありけん、さかざかしかりしによつて、つねはゐんへもめしつかはれけるが、もろみつはさゑもんのじよう、なりかげはうゑもんのじようとて、ににんいちどにゆきへのじようになりぬ。 ひととせしんせいことにあひしとき、ににんともにしゆつけして、さゑもんにふだうさいくわう、うゑもんにふだうさいけいとて、これらはしゆつけののちも、ゐんのみくらあづかりにてぞさふらひける。 かのさいくわうがこにもろたかといふものあり。 これもさうなききりものにて、けんびゐし、ごゐのじやうまでへあがりて、あまつさへあんげんぐわんねんじふにんぐわつにじふくにち、つゐなのぢもくに、かがのかみにぞなされける。 こくむをおこなふあひだ、ひほふひれいをちやうぎやうし、じんじやぶつじ、けんもんせいけのしやうりやうをもつたうして、さんざんのことどもにてぞありける。 たとひせうこうがあとをへだつといふとも、をんびんのまつりごとをおこなふべかりしに、かくこころのままにふるまふあひだ、おなじきにねんのなつのころ、こくしもろたかがおとと、こんどうはんぐわんもろつねをかがのもくだいにふせらる。 もくだいげちやくのはじめ、こくふのへんにうがはといふやまでらあり。 をりふしじそうどもがゆをわかいてあびけるを、らんにふしておひあげ、わがみあび、ざふにんばらおろし、むまあらはせなどしけり。 じそういかりをなして、「むかしよりこのところは、くにがたのもののにふぶすることなし。 せんれいにまかせて、すみやかににふぶのあふばうとどめよや」とぞまうしける。 「もくだいおほきにいかつて、「せんせんのもくだいは、ふかくでこそいやしまれたれ。 たうもくだいにおいては、すべてそのぎあるまじ。 ただほふにまかせよ」といふほどこそありけれ、じそうどもはくにがたのものをつゐしゆつせんとす。 くにがたのものどもは、ついでをもつてらんにふせんと、うちあひ、P95はりあひしけるほどに、もくだいもろつねがひざうしけるむまのあしをぞうちをりける。 そののちはたがひにきうせんひやうぢやうをたいして、いあひ、きりあひ、すこくたたかふ。 よにいりければ、もくだいかなはじとやおもひけんひきしりぞく。 そののちたうごくのざいちやうらいつせんよにん、もよほしあつめて、うがはにおしよせ、ばうじやいちうものこさずみなやきはらふ。 うがはといふは、はくさんのまつじなり。 このことうつたへんとて、すすむらうそうたれたれぞ。 ちしやく、がくみやう、ほうだいばう、しやうち、がくおん、とさのあざりぞすすみける。 しらやまさんじやはちゐんのだいしゆ、ことごとくおこりあひ、つがふそのせいにせんよにん、おなじきしちぐわつここのかのひのくれがたに、もくだいもろつねがたちちかうこそおしよせたれ。 けふはひくれぬ。 あすのいくさとさだめて、そのひはよせでゆらへたり。 つゆふきむすぶあきかぜは、いむけのそでをひるがへし、くもゐをてらすいなづまは、かぶとのほしをかがやかす。 もくだいかなはじとやおもひけん、よにげにしてきやうへのぼる。 あくるうのこくにおしよせて、ときをどつとぞつくりける。 じやうのうちにはおともせず。 ひとをいれてみせければ、「みなおちてさふらふ」とまうす。 だいしゆちからおよばでひきしりぞく。 さらばさんもんへうつたへんとて、はくさんちうぐうのしんよ、かざりたてまつて、ひえいさんへふりあげたてまつる。 おなじきはちぐわつじふににちのうまのこくばかり、はくさんちうぐうのしんよ、すでにひえいさんひがしざかもとにつかせたまふとまうすほどこそありけれ、ほくこくのかたより、いかづちおびたたしくなつて、みやこをさしてなりのぼり、はくせつくだつてちをうづみ、さんじやうらくちうおしなべて、ときはのやまのこずゑまで、みなしろたへにぞなりにける。 (『ぐわんだて』)S0114だいしゆしんよをば、まらうとのみやへいれP96たてまつる。 まらうととまうすは、はくさんめうりごんげんにておはします。 まうせばふしのおんなかなり。 まづさたのじやうふはしらず、しやうぜんのおんよろこび、ただこのことにあり。 うらしまがこのしつせのまごにあへりしにもすぎ、たいないのもののりやうぜんのちちをみしにもこえたり。 さんぜんのしゆとくびすをつぎ、しちしやのじんにんそでをつらねて、じじこくこくのほつせきねん、ごんごだうだんのことどもにてぞさふらひける。 さるほどにさんもんのだいしゆ、こくしかがのかみもろたかをるざいにしよせられ、もくだいこんどうはんぐわんもろつねをきんごくせらるべきよし、そうもんどどにおよぶといへども、ごさいきよなかりければ、しかるべきくぎやうてんじやうびとは、「あはれとくしてごさいだんあるべきものを。 むかしよりさんもんのそしようはたにことなり。 おほくらのきやうためふさ、ださいのごんのそつすゑなかのきやうは、さしもてうかにちようしんたりしかども、さんもんのそしようによつてるざいせられたまひにき。 いはんやもろたかなどはことのかずにてやはあるべき、しさいにやおよぶべき」とまうしあはれけれども、たいしんはろくをおもんじていさめず、せうしんはつみにおそれてまうさず」といふことなれば、おのおのくちをとぢたまへり。 P97 「ぐわんだて」かもがはのみづ、すごろくのさい、やまぼふし、これぞわがおんこころにかなはぬもの」と、しらかはのゐんもおほせなりけるとかや。 とばのゐんのおんときも、ゑちぜんのへいせんじをさんもんへよせられけることは、たうざんをごきゑあさからざるによつてなり。 「ひをもつてりとす」とせんげせられてこそ、ゐんぜんをばくだされけれ。 さればがうぞつきやうばうのきやうのまうされしは、「さんもんのだいしゆ、ひよしのしんよをぢんどうへふりたてまつて、そしようをいたさば、きみはいかがおんぱからひさうらふべき」とまうされければ、「ほふわう、「げにもさんもんのそしようはもだしがたし」とぞおほせける。 いんじかほうにねんさんぐわつふつかのひ、みののかみみなもとのよしつなのあそん、たうごくしんりふのしやうをたふすあひだ、やまのくぢうしやゑんおうをせつがいす。 これによつてひよしのしやし、えんりやくじのじくわん、つがふさんじふよにん、まうしぶみをささげてぢんどうへさんじたるを、ごにでうのくわんばくどの、やまとげんじなかづかさのごんのせふよりはるにおほせて、これをふせがせらるるによりはるがらうどう、やをはなつ。 やにはにゐころさるるものはちにん、きずをかうぶるものじふよにん、しやし、しよし、しはうへみなにげさりぬ。 これによつてさんもんのじやうかうら、しさいをそうもんのために、おびたたしうげらくすとP98きこえしかば、ぶし、けんびゐし、にしざかもとにゆきむかつて、みなおつかへす。 さるほどにさんもんには、ごさいだんちちのあひだ、ひよしのしんよをこんぽんちうだうへふりあげたてまつり、そのおんまへにてしんどくのだいはんにやをしちにちよみて、ごにでうのくわんばくどのをじゆそしたてまつる。 けちぐわんのだうしには、ちういんほふいん、そのーときはいまだちういんぐぶとまうししが、かうざにのぼりかねうちならし、けいびやくのことばにいはく、「われらがなたねのふたばよりおほしたてたまひしかみたち、ごにでうのくわんばくどのに、かぶらやひとつはなちあてたまへ。 だいはちわうじごんげん」とたからかにこそきせいしたりけれ。 そのよやがてふしぎのことありけり。 はちわうじのごてんより、かぶらやのこゑいでて、わうじやうをさしてなりてゆくとぞ、ひとのゆめにはみえたりける。 そのあしたくわんばくどののごしよのみかうしをあげけるに、ただいまやまよりとつてきたるやうに、つゆにぬれたるしきみひとえだ、たつたりけるこそふしぎなれ。 やがてそのよより、ごにでうのくわんばくどの、さんわうのおんとがめとて、おもきおんやまふをうけさせたまひて、うちふさせたまひしかば、ははうへおほとののきたのまんどころ、おほきにおんなげきあつて、おんさまをやつし、いやしきげらふのまねをして、ひよしのやしろへまゐらせたまひて、しちにちしちやがあひだいのりまうさせおはします。 まづあらはれてのごりふぐわんには、しばでんがくひやくばん、ひやくばんのひとつもの、けいば、やぶさめ、すまふ、おのおのひやくばん、ひやくざのにんわうかう、ひやくざのやくしかう、いつちやくしゆはんのやくしひやくたい、とうじんのやくしいつたい、ならびにしやか、あみだのぞう、おのおのざうりふくやうせられけり。 またごしんぢうにみつのごりふぐわんあり。 おんこころのうちのおんことなれば、P99ひとこれをば、いかでかしりたてまつるべきに、それになによりもまたふしぎなりけることには、しちやにまんずるよ、はちわうじのおんやしろにいくらもありけるまゐりうどどものなかに、みちのくより、はるばるとのぼつたりけるわらはみこ、やはんばかりににはかにたえいりけり。 はるかにかきいだしていのりければ、やがてたつてまひかなづ。 ひときどくのおもひをなしてこれをみる。 はんじばかりまうてのち、さんわうおりさせたまひて、やうやうのごたくせんこそおそろしけれ。 「しゆじやうらたしかにうけたまはれ。 おほとののきたのまんどころ、けふしちにち、わがおんまへにこもらせたまひたり。 ごりふぐわんみつあり。 まづひとつには、こんどてんがのじゆみやうをたすけさせおはしませ。 さもさふらはば、おほみやのしたどのにさぶらふもろもろのかたはうどにまじはつて、いつせんにちがあひだ、てうせきみやづかひまうさんとなり。 おほとののきたのまんどころにて、よをよともおぼしめさで、すごさせたまふおんこころにも、こをおもふみちにまよひぬれば、いぶせきことをもわすられて、あさましげなるかたはうどにまじはつて、いつせんにちがあひだ、あさゆふみやづかひまうさんとおほせらるるこそ、まことにあはれにおぼしめせ。 ふたつにはおほみやのはしどのより、はちわうじのおんやしろまで、くわいらうつくつてまゐらせんとなり。 さんぜんにんのだいしゆ、ふるにもてるにも、しやさんのとき、いたはしうおぼゆるに、くわいらうつくられたらんは、いかにめでたからん。 みつにははちわうじのおんやしろにて、ほつけもんだふかうまいにちたいてんなくおこなはすべしとなり。 このごりふぐわんどもは、いづれもおろかならねども、せめてはかみふたつは、さなくともありなん。 ほつけもんだふかうこそ、いちぢやうあらまほしうはおぼしめせ。 P100ただし、こんどのそしようは、むげにやすかりぬべきことにてありつるを、ごさいきよなくして、じんにん、みやじいころされ、しゆとおほくきずをかうぶつて、なくなくまゐりてうつたへまうすが、あまりにこころうければ、いかならんよにわするべしともおぼしめさず。 そのうへかれらにあたるところのやは、すなはちわくわうすゐじやくのおんはだへにたつたるなり。 まことそらごとはこれをみよ」とて、かたぬぎたるをみれば、ひだりのわきのした、おほきなるかはらけのくちほど、うげのいてぞありける。 「これがあまりにこころうければ、いかにまうすともしぢうのことはかなふまじ。 ほつけもんだふかういちぢやうあるべくは、みとせがいのちをのべてたてまつらん。 それをふそくにおぼしめさばちからおよばず」とて、さんわうあがらせたまひけり。 ははうへこのごりふぐわんのおんこと、ひとにもかたらせたまはねば、たれもらしぬらんと、すこしもうたがふかたもましまさず。 おんこころのうちのことどもを、ありのままにごたくせんありければ、いよいよしんかんにそうて、ことにたつとくおぼしめし、「たとひいちにちへんしとさぶらふとも、ありがたうこそさぶらふべきに、ましてみとせがいのちをのべてたまはらんとおほせらるるこそ、まことにありがたうはさぶらへ」とて、おんなみだをおさへておんげかうありけり。 そののちきのくににてんがのりやう、たなかのしやうといふところを、えいたいはちわうじへきしんせらる。 さればいまのよにいたるまで、はちわうじのおんやしろにて、ほつけもんだふかう、まいにちたいてんなしとぞうけたまはる。 かかりしほどに、ごにでうのくわんばくどのおんやまふかるませたまひて、もとのごとくにならせたまふ。 じやうげよろこびあはれしほどに、みとせのすぐるはゆめなれや、えいちやうにねんになりにけり。 P101ろくぐわつにじふいちにち、またごにでうのくわんばくどの、おんぐしのきはにあしきおんかさいでさせたまひて、うちふさせたまひしが、おなじきにじふしちにち、おんとしさんじふはちにて、つひにかくれさせたまひぬ。 おんこころのたけさ、りのつよさ、さしもゆゆしうおはせしかども、まめやかにことのきふにもなりぬれば、おんいのちををしませたまひけり。 まことにをしかるべし。 しじふにだにみたせたまはで、おほとのにさきだたせたまふこそかなしけれ。 かならずちちをさきだつべしといふことはなけれども、しやうじのおきてにしたがふならひ、まんどくゑんまんのせそん、じふぢくきやうのだいじたちも、ちからおよばせたまはぬしだいなり。 じひぐそくのさんわう、りもつのはうべんにてましませば、おんとがめなかるべしともおぼえず。 「みこしぶり」(『みこしぶり』)S0115さるほどにさんもんには、こくしかがのかみもろたかをるざいにしよせられ、もくだいこんどうはんぐわんもろつねをきんごくせらるべきよし、そうもんどどにおよぶといへども、ごさいきよなかりければ、ひよしのさいれいをうちとどめて、あんげんさんねんしんぐわつじふさんにちのたつのいつてんに、じふぜんじごんげん、まらうど、はちわうじ、さんじやのしんよをかざりたてまつて、ぢんどうへふりあげたてまつる。 さがりまつ、きれづつみ、かものかはら、ただす、うめただ、やなぎはら、とうぼくゐんのへんに、じんにん、みやじ、しらだいしゆ、P102せんだうみちみちて、いくらといふかずをしらず。 しんよはいちでうをにしへいらせたまふに、ごじんぼうてんにかかやいて、にちぐわつちにおちたまふかとおどろかる。 これによつてげんぺいりやうけのたいしやうぐんにおほせて、しはうのぢんどうをかためて、だいしゆふせぐべきよしおほせくださる。 へいけにはこまつのないだいじんのさだいしやうしげもりこう、そのせいさんぜんよきにて、おほみやおもてのやうめい、たいけん、いうはう、みつのもんをかためたまふ。 おととむねもり、とももり、しげひら、をぢよりもり、のりもり、つねもりなどは、にしみなみのもんをかためたまふ。 げんじにはたいだいしゆごのげんざんみよりまさ、らうどうにはわたなべのはぶく、さづくをさきとして、そのせいわづかにさんびやくよき、きたのもん、ぬひどののぢんをかためたまふ。 ところはひろし、せいはすくなし、まばらにこそみえたりけれ。 だいしゆぶせいたるによつて、きたのもん、ぬひどののぢんよりしんよをいれたてまつらんとするに、よりまさのきやうさるひとにて、いそぎむまよりとんでおり、かぶとをぬぎ、てうづうがひして、しんよをはいしたてまつらる。 つはものどももみなかくのごとし。 よりまさのきやうより、だいしゆのなかへししやをたてて、いひおくらるるむねあり。 そのつかひはわたなべのちやうじつとなふとぞきこえし。 となふそのひのしやうぞくには、きちんのひたたれに、こざくらをきにかへしたるよろひきて、しやくどうづくりのたちをはき、にじふしさいたるしらはのやおひ、しげどうのゆみわきにはさみ、かぶとをばぬいで、たかひもにかけ、しんよのおんまへにかしこまつて、「しばらくしづまられさふらへ。 げんざんみどのより、しゆとのおんなかへげんざんみどののまうせとざふらふ」とて、「こんどさんもんのごそしよう、りうんのでうもちろんにさふらふ。 ごさいだんちちこそ、よそにてもゐこんにおぼえさうらへ。 しんよいれたてまつらんP103こと、しさいにおよびさふらはず。 ただしよりまさぶせいにさふらふ。 あけていれたてまつるぢんよりいらせたまひなば、さんもんのだいしゆは、めだりがほしけりなど、きやうわらんべのまうさんこと、ごにちのなんにやさふらはんずらん。 あけていれたてまつれば、せんじをそむくににたり。 またふせぎたてまつらんとすれば、ねんらいいわう、さんわうにかうべをかたぶけてさふらふみが、けふよりのち、ながくゆみやのみちにわかれさふらひなんず。 かれといひ、これといひ、かたがたなんぢのやうにおぼえさふらふ。 ひんがしのぢんどうをばこまつどののおほぜいにてかためられてさふらふ。 そのぢんよりいらせたまふべうもやさふらふらん」と、いひおくりたりければ、となふがかくいふにふせがれて、じんにん、みやじ、しばらくゆらへたり。 わかだいしゆ、あくそうどもは、「なんでふそのぎあるべき。 ただこのぢんよりしんよをいれたてまつれや」といふやからおほかりけれども、ここにらうそうのなかに、さんたふいちのせんぎしやときこえしつのりつしやがううん、すすみいでてまうしけるは、「このぎもつともさいはれたり。 われらしんよをさきだてまゐらせて、そしようをいたさば、おほぜいのなかをうちやぶりてこそ、こうたいのきこえもあらんずれ。 なかんづくこのよりまさのきやうは、ろくそんわうよりこのかた、げんじちやくちやくのしやうとう、ゆみやをとつても、いまだそのふかくをきかず。 およそはぶげいにもかぎらず、かだうにもまたすぐれたるをのこなり。 ひととせこんゑのゐんございゐのおんとき、たうざのごくわいのありしに、『しんざんのはな』といふだいをいだされたりけるに、ひとびとみなよみわづらはれたりしを、このよりまさのきやう、P104 みやまぎのそのこずゑともみえざりしさくらははなにあらはれにけり W007 といふめいかつかまつてぎよかんにあづかるほどのやさおのこに、いかんがときにのぞんでなさけなうちじよくをばあたふべき。 ただしんよかきかへしたてまつれや」と、せんぎしたりければ、すせんにんのだいしゆ、せんぢんよりごぢんまで、みなもつとももつともとぞどうじける。 さてしんよかきかへしたてまつり、ひんがしのぢんどう、たいけんもんよりいれたてまつらんとしけるに、らうぜきたちまちにいできて、ぶしどもさんざんにいたてまつる。 じふぜんじのみこしにも、やどもあまたいたてけり。 じんにん、みやじいころされ、しゆとおほくきずをかうぶつて、をめきさけぶこゑはぼんでんまでもきこえ、けんらうぢじんもおどろきたまふらんとぞおぼえける。 だいしゆしんよをばぢんどうにふりすてたてまつり、なくなくほんざんへぞかへりのぼりける。 「だいりえんしやう」(『だいりえんしやう』)S0116ゆふべにおよんでくらんどのさせうべんかねみつにおほせて、ゐんのてんじやうにて、にはかにくぎやうせんぎありけり。 さんぬるほうあんしねんしんぐわつにしんよじゆらくのときは、ざすにおほせて、せきさんのやしろへいれたてまつらる。 またほうえんしねんしちぐわつにしんよじゆらくのときは、ぎをんのべつたうにおほせて、ぎをんのやしろへいれたてまつらる。 こんどもほうえんのれいたるべしとて、ぎをんのべつたうごんのだいそうづちようけんにP105おほせ、へいしよくにおよんでぎをんのやしろへいれたてまつらる。 しんよにたつところのやをば、じんにんしてこれをぬかせらる。 むかしよりさんもんのだいしゆ、しんよをぢんどうへふりたてまつることは、さんぬるえいきうよりこのかた、ぢしようまではろくかどなり。 されどもまいどにぶしにおほせてふせがせらるるに、しんよいたてまつることは、これはじめとぞうけたまはる。 「れいしんいかりをなせば、さいがいちまたにみつといへり。 おそろしおそろし」とぞおのおののたまひあはれける。 おなじきじふしにちのやはんばかり、さんもんのだいしゆ、またおびたたしうげらくするときこえしかば、しゆしやうはやちうにえうよにめして、ゐんのごしよほふぢうじどのへぎやうがうなる。 ちうぐう、みやみやは、おんくるまにたてまつりて、たしよへぎやうげいありけり。 くわんばくどのをはじめたてまつて、だいじやうだいじんいげのけいしやううんかく、われもわれもとぐぶせらる。 こまつのおとどは、なほしにやおうてぐぶせらる。 ちやくしごんのすけぜうしやうこれもりは、そくたいにひらやなぐひおうてぞまゐられける。 およそきんちうのじやうげ、きやうぢうのきせん、さわぎののしることおびたたし。 されどもさんもんには、しんよにやたち、じんにんみやじいころされ、しゆとおほくきずをかうぶりたりしかば、おほみやにのみやいげ、かうだう、ちうだう、すべてしよだう、いちうものこさずみなやきはらつて、さんやにまじはるべきよし、さんぜんいちどうにせんぎす。 これによつてだいしゆのまうすところ、ほふわうおんぱからひあるべしときこえしほどに、さんもんのじやうかうら、しさいをしゆとにふれんとて、とうざんすときこえしかば、だいしゆにしざかもとにおりくだつて、みなおつかへす。 へいだいなごんときただのきやう、P106そのときはいまださゑもんのかみにておはしけるが、しやうけいにたつ。 だいかうだうのにはにさんたふくわいがふして、「しやうけいをとつてひつぱり、しやかぶりをうちおとし、そのみをからめて、みづうみにしづめよ」などぞまうしける。 すでにかうとみえしとき、ときただのきやう、だいしゆのなかへししやをたてて、「しばらくしづまられさふらへ。 しゆとのおんなかへまうすべきことのさふらふ」とて、ふところよりこすずりたたうがみとりいだし、ひとふでかいてだいしゆのなかへおくらる。 これをひらいてみるに、「しゆとのらんあくをいたすは、まえんのしよぎやうなり。 めいわうのせいしをくはふるは、ぜんぜいのかごなり」とこそかかれたれ。 これをみて、だいしゆひつぱるにもおよばず、みなもつとももつともとどうじて、たにだににおり、ばうばうへぞいりにける。 いつしいつくをもつて、さんたふさんぜんのいきどほりをやすめ、こうしのはぢをものがれたまひけんときただのきやうこそゆゆしけれ。 さんもんのだいしゆは、はつかうのみだりがはしきばかりかとおもひぬれば、ことわりをもぞんぢしけりとぞ、ひとびとかんじあはれける。 おなじきはつかのひ、くわざんのゐんごんぢうなごんただちかのきやうをしやうけいにて、こくしかがのかみもろたかをけつくわんせられて、おはりのゐどたへながさる。 おととこんどうはんぐわんもろつねをばきんごくせらる。 またさんぬるじふさんにちしんよいたてまつしぶしろくにんごくぢやうせらる。 これらはみなこまつどののさぶらひなり。 おなじきにじふはちにちのよのいぬのこくばかり、ひぐちとみのこうぢよりひいできたつて、きやうぢうおほくやけにけり。 をりふしたつみのかぜはげしくふきければ、おほきなるしやりんのごとくなるP107ほのほが、さんぢやうごちやうをへだてて、いぬゐのかたへすぢかへにとびこえとびこえやけゆけば、おそろしなどもおろかなり。 あるひはぐへいしんわうのちぐさどの、あるひはきたののてんじんのこうばいどの、きついつせいのはひまつどの、おにどの、たかまつどの、かもゐどの、とうさんでう、ふゆつぎのおとどのかんゐんどの、せうぜんこうのほりかはどの、これをはじめて、むかしいまのめいしよさんじふよかしよ、くぎやうのいへだにもじふろくかしよまでやけにけり。 そのほかてんじやうびと、しよだいぶのいへいへはしるすにおよばず。 はてはたいだいにふきつけて、しゆしやくもんよりはじめて、おうでんもん、くわいしやうもん、だいこくでん、ぶらくゐん、しよしはつしやう、あいたんどころ、いちじがうちに、みなくわいじんのちとぞなりにける。 いへいへのにつき、だいだいのもんじよ、しつちんまんぽうさながらちりはひとなりぬ。 そのあひだのつひえいかばかりぞ。 ひとのやけしぬることすひやくにん、ぎうばのたぐひかずをしらず。 これただごとにあらず。 さんわうのおんとがめとて、ひえいさんより、おほきなるさるどもが、にさんぜんおりくだり、てんでにまつびをともいて、きやうぢうをやくとぞ、ひとのゆめにはみえたりける。 だいこくでんはせいわてんわうのぎよう、ぢやうくわんじふはちねんにはじめてやけたりければ、おなじきじふくねんしやうぐわつみつかのひ、やうぜいのゐんのごそくゐはぶらくゐんにてぞありける。 ぐわんきやうぐわんねんしんぐわつここのかのひ、ことはじめあつて、おなじきにねんじふぐわつやうかのひぞつくりいだされたりける。 ごれんぜいのゐんのぎよう、てんきごねんにんぐわつにじふろくにち、またやけにけり。 ぢりやくしねんはちぐわつじふしにちに、ことはじめありしかども、いまだつくりもいだされずして、ごれんぜいのゐんほうぎよなりぬ。 ごさんでうのゐんのぎよう、えんきうしねんしんぐわつじふごにちにつくりいだされて、ぶんじんしをたてまつり、P108れいじんがくをそうして、せんかうなしたてまつる。 いまはよすゑになつて、くにのちからもみなおとろへたれば、そののちはつひにつくられず。 P109 平家物語 巻第二 総かな版(元和九年本) 「ざすながし」(『ざすながし』)S0201ぢしようぐわんねんごぐわついつかのひ、てんだいざすめいうんだいそうじやう、くじやうをちやうじせらるるうへ、くらんどをおつかひにて、によいりんのごほんぞんをめしかへいて、ごぢそうをかいえきせらる。 すなはちしちやうのつかひをつけて、こんどしんよだいりへふりたてまつししゆとのちやうぼんをめされけり。 かがのくににざすのごばうりやうあり。 こくしもろたかこれをちやうはいのあひだ、そのしゆくいによつて、だいしゆをかたらひそしようをいたさる。 すでにてうかのおんだいじにおよぶべきよし、さいくわうほふしふしがざんそうによつて、ほふわうおほきにげきりんありけり。 ことにぢうくわにおこなはるべしときこゆ。 めいうんはゐんのごきしよくあしかりければ、いんやくをかへしたてまつて、ざすをじしまうされけり。 おなじきじふいちにち、とばのゐんのしちのみやかくくわいほつしんわう、てんだいざすにならせたまふ。 これはしやうれんゐんのだいそうじやうぎやうげんのおんでしなり。 あくるじふににち、せんざすしよしよくをもつしゆせらるるP110うへ、けんびゐしににんをつけて、ゐにふたをし、ひにみづをかけて、すゐくわのせめにおこなはるべきよしきこゆ。 これによつて、だいしゆなほさんらくすときこえしかば、きやうぢうまたさわぎあへり。 おなじきじふはちにちだいじやうだいじんいげのくぎやうじふさんにんさんだいして、ぢんのざにつき、さきのざすざいくわのことぎぢやうあり。 はちでうのちうなごんながかたのきやう、そのときはいまださだいべんのさいしやうにて、ばつざにさぶらはれけるが、すすみいでてまうされけるは、「ほつけのかんじやうにまかせて、しざいいつとうをげんじて、をんるせらるべしとはみえてさふらへども、せんざすめいうんだいそうじやうはけんみつけんがくして、じやうぎやうぢりつのうへ、だいじようめうきやうをくげにさづけたてまつり、ぼさつじやうかいをほふわうにたもたせたてまつる。 おんきやうのし、おんかいのし、ぢうくわにおこなはれんことは、みやうのせうらんはかりがたし。 げんぞくをんるをなだめらるべきか」と、はばかるところもなうまうされたりければ、たうざのくぎやう、みなながかたのぎにどうずとまうしあはれけれども、ほふわうおんいきどほりふかかりければ、なほをんるにさだめらる。 だいじやうのにふだうもこのことまうさんとて、ゐんざんせられたりけれども、ほふわうおんかぜのけとて、ごぜんへもめされたまはねば、ほいなげにてたいしゆつせらる。 そうをつみするならひとて、どえんをめしかへし、げんぞくせさせたてまつり、だいなごんのたいふふじゐのまつえだといふぞくみやうをこそつけられけれ。 このめいうんとまうすは、かけまくもかたじけなく、むらかみのてんわうだいしちのわうじ、ぐへいしんわうよりろくだいのおんすゑ、こがのだいなごんあきみちのきやうのおんこなり。 まことにぶさうのせきとく、てんがP111だいいちのかうそうにておはしければ、きみもしんもたつとみたまひて、てんわうじ、ろくしようじのべつたうをもかけたまへり。 されどもをんやうのかみあべのやすちかがまうしけるは、「さばかりのちしやの、めいうんとなのりたまふこそこころえね。 うへにはじつげつのひかりをならべ、したにくもあり」とぞなんじける。 にんあんぐわんねんにんぐわつはつかのひ、てんだいざすにならせたまふ。 おなじきさんぐわつじふごにちごはいだうあり。 ちうだうのほうざうをひらかれけるに、しゆじゆのちようほうどものなかに、はういつしやくのはこあり。 しろいぬのにてつつまれたり。 いつしやうふぼんのざす、かのはこをあけてみたまふに、わうしにかけるふみいつくわんあり。 でんげうだいし、みらいのざすのみやうじを、かねてしるしおかれたり。 わがなのあるところまではみて、それよりおくをばみたまはず、もとのごとくまきかへしておかるるならひなり。 さればこのそうじやうも、さこそはおはしけめ。 かかるたつときひとなれども、ぜんぜのしゆくごふをばまぬかれたまはず、あはれなりしことどもなり。 おなじきにじふいちにち、はいしよいづのくにとさだめらる。 ひとびとやうやうにまうされけれども、さいくわうほふしふしがざんそうによつて、かやうにはおこなはれけるなり。 けふやがてみやこのうちをおひいださるべしとて、おつたてのくわんにん、しらかはのごばうにゆきむかつておひたてまつる。 そうじやうなくなくごばうをいでつつ、あはたぐちのほとり、いつさいきやうのべつしよへいらせおはします。 さんもんには、せんずるところ、われらがかたきは、さいくわうほふしふしにすぎたるものなしとて、かれらふしがみやうじをかいて、こんぽんちうだうにおはしますじふにじんじやうのうち、こんぴらだいじやうのP112ひだんのみあしのしたにふませたてまつり、「じふにじんじやう、しちせんやしや、じこくをめぐらさず、さいくわうほふしふしがいのちをめしとりたまへや」と、をめきさけんでしゆそしけるこそ、きくもおそろしけれ。 おなじきにじふさんにちいつさいきやうのべつしよより、はいしよへおもむきたまひけり。 さばかりのほふむのだいそうじやうほどのひとのおつたてのうつしがさきにけたてられて、けふをかぎりにみやこをいでて、せきのひがしへおもむかれけんこころのうち、おしはかられてあはれなり。 おほつのうちでのはまにもなりぬれば、もんじゆろうののきばのしろじろとしてみえけるを、ふためともみたまはず、そでをかほにおしあててなみだにむせびたまひけり。 さんもんにはしゆくらうせきとくおほしといへども、ちようけんほふいん、そのときはいまだそうづにておはしけるが、あまりになごりををしみたてまつり、あはづまでおくりまゐらせて、それよりいとまこうてかへられけるに、そうじやうこころざしのせつなることをかんじて、ねんらいこしんぢうにひせられたりし、いつしんさんぐわんのけつみやくさうじようをさづけらる。 このほうはしやくそんのふぞく、はらないこくのめみやうびく、なんてんぢくのりうじゆぼさつよりしだいにさうでんしきたれるを、けふのなさけにさづけらる。 さすがわがてうはそくさんへんぢのさかひ、じよくせまつだいとはいひながら、ちようけんこれをふぞくして、ほふえのたもとをしぼりつつ、みやこへかへりのぼられけん、こころのうちこそたつとけれ。 さるほどにさんもんにはだいしゆおこつてせんぎす。 「そもそもぎしんくわしやうよりこのかた、てんだいざすはじまつて、ごじふごだいにいたるまで、いまだるざいのれいをきかず。 つらつらことのこころをあんずるに、P113えんりやくのころほひ、くわうていはていとをたて、だいしはたうざんによぢのぼりて、しめいのけうぼふをこのところにひろめたまひしよりこのかた、ごしやうのによにんあとたえて、さんぜんのじやうりよきよをしめたり。 みねにはいちじようどくじゆとしふりて、ふもとにはしちしやのれいげんひあらたなり。 かのぐわつしのりやうぜんは、わうじやうのとうぼく、だいしやうのいうくつなり。 このじちゐきのえいがくもていとのきもんにそばだちてごこくのれいちなり。 だいだいのけんわうちしん、このところにだんぢやうをしむ。 まつだいならんがらんに、いかでかたうざんにきずをばつくべき。 こはこころうし」とて、をめきさけぶといふほどこそありけれ、まんざんのだいしゆ、のこりとどまるものもなく、みなひがしざかもとへおりくだる。 (『いちぎやうあじやりのさた』)S0202じふぜんじごんげんのおんまへにて、だいしゆまたせんぎす。 「そもそもわれらあはづへゆきむかつて、くわんじゆをばうばひとどめたてまつるべし。 ただしおつたてのうつし、りやうそうしあるなれば、さうなうとりえたてまつらんことありがたし。 いまはさんわうだいしのおんちからのほか、またたのみたてまつるかたなし。 まことにべつのしさいなく、とりえたてまつるべくは、ここにてまづひとつのずゐさうをみせしめたまへ」と、らうそうどもかんたんをくだいてきねんしけり。 ここにむどうじぼふしじようゑんりつしがめしつかひけるつるまるといふわらはあり。 しやうねんじふはつさいになりけるが、しんじんをくるしめ、ごたいにあせをながいて、にはかにくるひいでたり。 「われじふぜんじごんげんのりゐさせたまへり。 まつだいといふとも、いかでかわがやまのくわんじゆをば、たこくへはうつさるべき。 しやうじやうせせにこころうし。 さらんにとつては、われこのふもとにあとをとどめてもなににかはせん」とて、さうのそでをかほにおしあてて、さめざめとなきければ、P114だいしゆこれをあやしみて、「まことにじふぜんじごんげんのごたくせんにておはしまさば、われらしるしをまゐらせん。 いちいちにもとのぬしにかへしたまへ」とて、らうそうどもしごひやくにん、てんでにもつたるじゆずどもを、じふぜんじごんげんのおほゆかのうへへぞなげあげたる。 かのものぐるひはしりまはり、ひろひあつめてすこしもたがへず、いちいちにみなもとのぬしにぞくばりける。 だいしゆしんめいのれいげんあらたなることのたつとさに、みなたなごころをあはせてずゐきのかんるゐをぞもよほしける。 「そのぎならば、ゆきむかつてうばひとどめたてまつれや」といふほどこそありけれ、うんかのごとくにはつかうす。 あるひはしがからさきのはまぢにあゆみつづけるだいしゆもあり。 あるひはやまだやばせのこしやうにふねおしいだすしゆともあり。 これをみてさしもきびしげなりつるおつたてのうつし、りやうそうし、ちりぢりにみなにげさりぬ。 だいしゆこくぶんじへまゐりむかふ。 せんざすおほきにおどろかせたまひて、「およそちよくかんのものは、つきひのひかりにだにあたらずとこそうけたまはれ。 いかにいはんや、じこくをめぐらさず、いそぎおひくださるべしと、ゐんぜんせんじのなりたるに、すこしもやすらふべからず。 しゆととうとうかへりのぼりたまふべし」と、はしちかくゐいでてのたまひけるは、「さんだいくわいもんのいへをいでて、しめいいうけいのまどにいつしよりこのかた、ひろくゑんじうのけうぼふをがくして、けんみつりやうしうをまなびき。 ただわがやまのこうりうをのみおもへり。 またこくかをいのりたてまつることもおろそかならず。 しゆとをはぐくむこころざしもふかかりき。 りやうじよさんしやうさだめてせうらんしたまふらん。 みにあやまつことなし。 むじつのつみによつて、をんるのぢうくわをかうむれば、よをもひとをもかみをもほとけをも、P115うらみたてまつるかたなし。 まことにはるばるとこれまでとぶらひきたりたまふしゆとのはうしこそ、しやうじやうせせにもほうじつくしがたけれ」とて、かうぞめのおんころものそでをしぼりもあへさせたまはねば、だいしゆもみなよろひのそでをぞぬらしける。 すでにおんこしさしよせて、「とうとうめさるべうさふらへ」とまうしければ、せんざすのたまひけるは、「むかしこそさんぜんのしゆとのくわんじゆたりしか。 いまはかかるるにんのみとなつて、いかでかやんごとなきしゆがくしや、ちゑふかきだいしゆたちにかきささげられてはのぼるべき。 たとひのぼるべきなりとも、わらんづなどいふものをしばりはいて、おなじやうにあゆみつづいてこそのぼらめ」とて、のりたまはず。 ここにさいたふのぢうりよ、かいじやうばうのあじやりいうけいといふあくそうあり。 たけしちしやくばかりありけるが、くろかはをどしのよろひの、おほあらめにかねまぜたるを、くさずりながにきなし、かぶとをばぬいで、ほふしばらにもたせつつ、しらえのなぎなたつゑにつき、だいしゆのなかをおしわけおしわけ、せんざすのおんまへにまゐり、だいのまなこをみいからかし、せんざすをしばしにらまへたてまつて、「そのおんこころでこそ、かかるおんめにもあはせたまひさふらへ。 とうとうめさるべうさふらふ」とまうしければ、せんざすおそろしさに、いそぎのりたまふ。 だいしゆとりえたてまつることのうれしさに、いやしきほふしばらにはあらず、やんごとなきしゆがくしやどもがかきささげたてまつてのぼるほどに、ひとはかはれどもいうけいはかはらず、さきごしかいて、こしのながえも、なぎなたのえも、くだけよととるままに、さしもさがしきひがしざか、へいぢをゆくがごとくなり。 P116 だいかうだうのにはに、おんこしかきすゑて、だいしゆまたせんぎす。 「そもそもわれらあはづにゆきむかつて、くわんじゆをばうばひとどめたてまつりぬ。 ただしちよくかんをかうむりてをんるせられたまふひとを、くわんじゆにもちひまうさんこと、いかがあるべかるらん」とひやうぢやうす。 かいじやうばうのあじやりいうけい、またさきのごとくすすみいでてせんぎしけるは、「それわがやまはにつぽんぶさうのれいち、ちんごこくかのだうぢやう、さんわうのごゐくわうさかんにして、ぶつぽふわうぼふごかくなり。 さればしゆとのいしゆにいたるまでならびなく、いやしきほふしばらまでも、よもつてかろしめず。 いはんやちゑかうきにして、さんぜんのしゆとのくわんじゆたり。 とくぎやうおもうしていつさんのわじやうたり。 つみなくしてつみをかうむりたまふこと、さんじやうらくちうのいきどほり、こうぶくをんじやうのあざけりにあらずや。 このときわれらけんみつのあるじをうしなつて、すはいのがくりよ、ながくけいせつのつとめおこたらんこと、こころうかるべし。 せんずるところ、いうけいちやうぼんにしようぜられ、きんごくるざいにもおよび、かうべのはねられんこと、こんじやうのめんぼく、めいどのおもひでなるべし」とて、さうがんよりなみだをはらはらとながしければ、すせんにんのだいしゆも、みなもつとももつともとぞどうじける。 それよりしてこそ、いうけいをばいかめばうとはいはれけれ。 そのでしゑけいりつしをば、ときのひとこいかめばうとぞまうしける。 P117 「いちぎやうあじやり」だいしゆせんざすをば、とうだふのみなみだに、めうくわうばうにいれたてまつる。 ときのわうざいをば、ごんげのひともまぬかれたまはざりけるにや。 むかしたうのいちぎやうあじやりは、げんそうくわうていのごぢそうにておはしけるが、げんそうのきさきやうきひになをたちたまへり。 むかしもいまも、だいこくもせうこくも、ひとのくちのさがなさは、あとかたもなきことなりしかども、そのうたがひによつて、くわらこくへながされさせたまふ。 くだんのくにへはみつのみちあり。 りんちだうとてごかうみち、いうちだうとてざふにんのかよふみち、あんけつだうとてぢうくわのものをつかはすみちなり。 されば、かのいちぎやうあじやりはだいぼんのひとなればとて、あんけつだうへぞつかはされける。 しちにちしちやがあひだ、つきひのひかりもみずしてゆくところなり。 みやうみやうとしてひともなく、かうほにせんどまよひ、しんしんとしてやまふかし。 ただかんこくにとりのひとこゑばかりにて、こけのぬれぎぬほしあへず、むじつのつみによつて、をんるのぢうくわをかうむりたまふことを、てんだうあはれみたまひて、くえうのかたちをげんじつつ、いちぎやうあじやりをまもりたまふ。 ときにいちぎやうみぎのゆびをくひきり、ひだんのたもとにくえうのかたちをうつされけり。 わかんりやうてうに、しんごんのほんぞんたるくえうのまんだらこれなり。 P118 「さいくわうがきられ」(『さいくわうがきられ』)S0203さるほどにさんもんのだいしゆ、せんざすとりとどめたてまつたること、ほふわうきこしめして、いとどやすからずおぼしめしけるところに、さいくわうほふしまうしけるは、「むかしよりさんもんのだいしゆは、はつかうのみだりがはしきうつたへつかまつること、いまにはじめずとはまうしながら、こんどはもつてのほかにくわぶんにさふらふ。 よくよくおんぱからひさふらふべし。 これらをおんいましめさふらはずは、こののちはよがよでもさふらふまじ」とぞまうしける。 ただいまわがみのほろびうせんずることをもかへりみず、さんわうだいしのしんりよにもはばからず、かやうにまうしてしんきんをなやましたてまつる。 ざんしんはくにをみだるといへり。 まことなるかな。 さうらんしげからんとすれども、あきのかぜこれをやぶり、わうじやあきらかならんとすれども、ざんしんこれをくらうすとも、かやうのことをやまうすべき。 しんだいなごんなりちかのきやういげきんじゆのひとびとにおほせて、ほふわうやませめらるべしときこえしかば、さんもんのだいしゆは、さのみわうぢにはらまれて、ぜうめいをたいかんせんもおそれなりとて、ないないゐんぜんにしたがひたてまつるしゆともありなどきこえしかば、せんざすはとうだふのみなみだに、めうくわうばうにおはしけるが、だいしゆふたごころありとききたまひて、「またいかなるうきめにかあふべきやらん」と、こころぼそげにぞのたまひける。 されどもP119るざいのさたはなかりけり。 さるほどにしんだいなごんは、さんもんのさうどうによつて、わたくしのしゆくいをばしばらくおさへられけり。 そもないぎしたくはさまざまなりしかども、ぎせいばかりで、このむほんかなふべしともみえざりければ、さしもたのまれたりつるただのくらんどゆきつな、このことむやくなりとおもふこころやつきにけん、ゆぶくろのれうにとておくられたりけるぬのどもをば、ひたたれ、かたびらにたちぬはせ、いへのこ、らうどうどもにきせつつ、めうちしばだたいてゐたりけるが、つらつらへいけのはんじやうするありさまをみるに、たうじたやすうかたぶけがたし。 もしこのこともれぬるほどならば、ゆきつなまづうしなはれなんず。 たにんのくちよりもれぬさきにかへりちうして、いのちいかうどおもふこころぞつきにける。 おなじきにじふくにちのさよふけがたに、にふだうしやうこくのにしはちでうのていにまゐつて、「ゆきつなこそまうすべきことあつて、これまでまゐつてさふらへ」と、あんないをいひいれたりければ、にふだう、「つねにもまゐらぬもののさんじたるはなにごとぞ、あれきけ」とて、しゆめのはんぐわんもりくにをいだされたり。 「まつたくひとづてにはまうすまじきことなり」といふあひだ、にふだう、さらばとて、みづからちうもんのらうにぞいでられたる。 「よははるかにふけぬらんに、いかにただいまなにごとぞ」とのたまへば、「ひるはひとめのしげうさふらふあひだ、よにまぎれてまゐつてさふらふ。 このほどゐんぢうのひとびとのひやうぐをととのへ、ぐんびやうもよほされしことをば、なにとかきこしめされてさふらふやらん」。 にふだう、「いさとよ、それはほふわうのやませめらるべきP120ごけつこうとこそきけ」と、いとこともなげにぞのたまひける。 ゆきつなちかうよりこごゑになつて、「そのぎではさふらはず。 いつかうたうけのおんうへとこそうけたまはりさふらへ」。 にふだう、「さてそれをばほふわうもしろしめされたるか」。 「しさいにやおよびさふらふ。 しつじのべつたうなりちかのきやうのぐんびやうもよほされさふらひしにも、ゐんぜんとてこそめされしか。 やすよりがとまうして、しゆんくわんがかくまうして、さいくわうがとふるまうて」など、ありのままにはさしすぎていひちらし、わがみはいとままうすとていでければ、そのときにふだうおほごゑをもつてさぶらひどもよびののしりたまふことおびたたし。 ゆきつななまじひなることまうしいでて、しようにんにやひかれんずらんとおそろしさに、ひともおはぬにとりばかまし、おほのにひをはなちたるここちして、いそぎもんぐわいへぞにげいでける。 そののちにふだう、ちくごのかみさだよしをめして、「たうけかたぶけうどするむほんのともがらこそ、きやうぢうにみちみちたんなれ。 いそぎいちもんのひとびとにもふれまうせ。 さぶらひどももよほせ」とのたまへば、はせまはつてひろうす。 うだいしやうむねもり、さんみのちうじやうとももり、とうのちうじやうしげひら、さまのかみゆきもりいげのいちもんのひとびと、かつちうきうせんをたいしてさしつどふ。 そのほかさぶらひどももうんかのごとくにはせあつまつて、そのよのうちににふだうしやうこくのにしはちでうのていには、つはものろくしちせんきもあるらんとぞみえし。 あくればろくぐわつひとひのひなり。 いまだくらかりけるに、にふだうしやうこくあべのすけなりをめして、「ゐんのごしよへまゐり、だいぜんのだいぶのぶなりをよびいだいて、きつとまうさんずることはよな、P121しんだいなごんなりちかのきやういげ、きんじゆのひとびと、このいちもんほろぼしててんがみだらんとするむほんのくはだてあり。 いちいちにからめとつて、たづねさたつかまつりさふらふべし。 それをばきみもしろしめさるまじうさふらふとまうすべし」とぞのたまひける。 すけなりいそぎゐんのごしよにはせまゐり、のぶなりをまねいてこのことまうすに、いろをうしなふ。 やがておんまへへまゐりてこのよしかくとそうもんまうしければ、ほふわう「ああはや、これらがないないはかりしことのもれきこえけるにこそ。 さるにても、こはなにごとぞ」とばかりおほせられて、ふんみやうのおんぺんじもなかりけり。 すけなりいそぎはしりかへつて、このよしかくとまうしければ、にふだう、「さればこそゆきつなはまことをまうしたれ。 ゆきつなこのことつげしらせずは、じやうかいあんをんにてやはあるべき」とて、ちくごのかみさだよし、ひだのかみかげいへをめして、たうけかたむけうどするむほんのともがら、いちいちにからめとるべきよしげぢせらる。 よつてにひやくよき、さんびやくよき、あそこここにおしよせおしよせからめとる。 にふだうしやうこくまづざつしきをもつて、なかのみかどからすまるのしんだいなごんのしゆくしよへ、「きつとたちよりたまへ。 まうしあはすべきことのさふらふ」と、のたまひつかはされければ、だいなごんわがみのうへとはつゆしらず、あはれ、これはほふわうのやませめらるべきごけつこうのあるを、まうしなだめられんずるにこそ。 おんいきどほりふかげなり。 いかにもかなふまじきものを」とて、ないきよげなるほういたをやかにきなし、あざやかなるくるまにのり、さぶらひさんしにんめしぐして、ざつしきうしかひにいたるまで、つねよりもなほひきつくろはれたり。 そもさいごとはP122のちにこそおもひしられけれ。 にしはちでうちかうなつてみたまへば、しごちやうにぐんびやうどもみちみちたり。 「あなおびたたし、こはなにごとなるらんと、むねうちさわがれけれども、もんぜんにてくるまよりおり、もんのうちへさしいつてみたまへば、うちにもつはものどもひまはざまもなうぞなみゐたる。 ちうもんのくちにはおそろしげなるものども、あまたまちうけたてまつり、だいなごんをとつてひつぱり、「いましむべうさふらふやらん」とまうしければ、にふだうれんちうよりみいだしたまひて、「あるべうもなし」とのたまへば、さぶらひどもじふしごにん、ぜんごさうにたちかこみ、だいなごんのてをとつて、えんのうへへひきあげたてまつり、ひとまなるところにおしこめたてまつてげり。 だいなごんはゆめのここちして、つやつやものもおぼえたまはず。 ともにありつるさぶらひども、おほぜいにおしへだてられて、ちりぢりになりぬ。 ざふしきうしかひいろをうしなひ、うしくるまをすてて、みなにげさりぬ。 さるほどに、あふみちうじやうにふだうれんじやう、ほつしようじのしゆぎやうしゆんくわんそうづ、やましろのかみもとかぬ、しきぶのたいふまさつな、へいはうぐわんやすより、そうはうぐわんのぶふさ、しんへいはうぐわんすけゆきも、とらはれてこそいできたれ。 さいくわうほふしこのよしをきいて、わがみのうへとやおもひけん、むちをうつていそぎゐんのごしよへまゐる。 ろくはらのつはものども、みちにてゆきあひ、「にしはちでうどのよりめさるるぞ。 きつとまゐれ」といひければ、「これはそうすべきことあつて、ゐんのごしよへまゐる。 やがてこそかへりまゐらめ」といひければ、「につくいにふだうめが、なにごとをかP123そうすべかんなるぞ」とて、しやむまよりとつてひきおとし、ちうにくくつてにしはちでうどのへさげてまゐる。 ひのはじめよりごんげんよりきのものなりければ、ことにつよういましめて、おんつぼのうちにぞひつすゑたる。 にふだうしやうこくおほゆかにたつて、しばしにらまへ、「あなにくや、たうけかたぶけうどするむほんのやつがなれるすがたよ。 しやつここへひきよせよ」とて、えんのきはへひきよせさせ、ものはきながら、しやつらをむずむずとぞふまれける。 「もとよりおのれらがやうなるげらふのはてを、きみのめしつかはせたまひて、なさるまじきくわんしよくをなしたび、ふしともにくわぶんのふるまひをするとみしにあはせて、あやまたぬてんだいざするざいにまうしおこなひ、あまつさへたうけかたぶけうどするむほんのともがらにくみしてげるなり。 ありのままにまうせ」とこそのたまひけれ。 さいくわうもとよりすぐれたるだいかうのものなりければ、ちともいろもへんぜず、わろびれたるけしきもなく、ゐなほり、あざわらつてまうしけるは、「ゐんぢうにちかうめしつかはるるみなれば、しつじのべつたうなりちかのきやうのぐんびやうもよほされさふらふことにも、くみせずとはまうすべきやうなし。 それはくみしたり。 ただし、みみにあたることをものたまふものかな。 たにんのまへはしらず、さいくわうがきかんずるところにては、さやうのことをば、えこそのたまふまじけれ。 そもそもごへんは、こぎやうぶきやうただもりのちやくしにておはせしが、じふしごまではしゆつしもしたまはず。 こなかのみかどのとうぢうなごんかせいのきやうのへんにたちいりたまひしをば、きやうわらんべはれいのたかへいだとこそいひしか。 しかるをほうえんのころ、かいぞくのちやうぼんさんじふよにんからめしんぜられたりしP124けんじやうにしほんしてしゐのひやうゑのすけとまうししをだに、ひとみなくわぶんとこそまうしあはれしか。 てんじやうのまじはりをだにきらはれしひとのしそんにて、いまだいじやうだいじんまでなりあがつたるやくわぶんなるらん。 もとよりさぶらひほどのものの、じゆりやうけんびゐしにいたること、せんれい、ほうれいなきにしもあらず。 なじかはくわぶんなるべき」と、はばかるところもなういひちらしたりければ、にふだうしやうこくあまりにはらをすゑかねて、しばしはものをものたまはず。 ややあつてにふだうのたまひけるは、「しやつがくびさうなうきるな。 よくよくきうもんしてことのしさいをたづねとひ、そののちかはらへひきいだいて、かうべをはねよ」とぞのたまひける。 まつうらのたらうしげとしうけたまはつて、てあしをはさみ、さまざまにしていためとふ。 さいくわうもとよりあらそはざりけるうへ、がうもんはきびしかりけり。 はくじやうしごまいにきせられて、そののちくちをさけとて、くちをさかれ、ごでうにしのしゆしやかにして、つひにきられにけり。 ちやくしかがのかみもろたかはけつくわんぜられて、をはりのゐどたへながされたりしを、おなじきくにのぢうにんをぐまのぐんじこれすゑにおほせてうたせらる。 じなんこんどうはんぐわんもろつねをば、ごくよりひきいだいて、ちうせらる。 そのおととさゑもんのじようもろひら、らうどうさんにんをもおなじうかうべをはねられけり。 これらはみないふかひなきもののひいでて、いろふまじきことをのみいろひ、あやまたぬてんだいざするざいにまうしおこなひ、くわはうやつきにけん、さんわうだいしのしんばつみやうばつをたちどころにかうむつて、かかるうきめにあへりけり。 P125 「こげうくん」(『こげうくん』)S0204しんだいなごんはひとまなるところにおしこめられて、あせみづになりつつ、「あはれこれはひごろのあらましごとの、もれきこえけるにこそ。 たれもらしぬらん。 さだめてほくめんのともがらのなかにぞあるらん」なんど、おもはじことなうあんじつづけておはしけるところに、うしろよりあしおとのたからかにしければ、すはただいまわがいのちうしなはんとて、もののふどものまゐるにこそとおもはれければ、さはなくして、にふだういたじきたからかにふみならし、だいなごんのおはしけるうしろのしやうじを、さつとひきあけていでられたり。 そけんのころものみじからかなるに、しろきおほくちふみくくみ、ひじりづかのかたなおしくつろげてさすままに、もつてのほかにいかれるけしきにて、だいなごんをしばしにらまへて、「そもそもごへんは、へいぢにもすでにちうせらるべかりしを、だいふがみにかへてまうしうけ、くびをつぎたてまつしはいかに。 しかるにそのおんをわすれて、なんのゐこんあつてか、たうけかたぶけうどはしたまふなるぞ。 おんをしるをもつてひととはいふぞ。 おんをしらざるをばちくしやうとこそいへ。 されどもたうけのうんめいいまだつきざるによつて、これまではむかへたんなり。 ひごろのあらましのしだい、ぢきにうけたまはらん」とのたまへば、だいなごん、「まつたくさることさふらはず。 いかさまにもP126ひとのざんげんにてぞさふらふらん。 よくよくおんたづねさふらふべし」とまうされければ、にふだういはせもはてず、「ひとやある、ひとやある」とめされければ、さだよしつとまゐりたり。 「 さいくわうめがはくじやうとつてまゐれ」とのたまへば、もつてまゐりたり。 にふだうこれをとつて、おしかへしおしかへしにさんべんたからかによみきかせ、「あなにくや、このうへをばなにとかちんずべかんなるぞ」とて、だいなごんのかほにさつとなげかけ、しやうじをちやうどひきたてていでられけるが、なほはらをすゑかねて、つねとほかねやすとめす。 なんばのじらう、せのをのたらうまゐりたり。 「あのをのことつて、にはへひきおとせ」とのたまへども、これらさうなうもしたてまつらず、「こまつどののごきしよく、いかがさふらはんずるやらん」とまうしければ、にふだう、「よしよし、おのれらは、だいふがめいをおもんじて、にふだうがおほせをばかるうしけるござんなれ。 このうへはちからおよばず」とのたまへば、これらあしかりなんとやおもひけん、たちあがり、だいなごんのさうのてをとつて、にはへひきおとしたてまつる。 そのときにふだうここちよげにて、「とつてふせてをめかせよ」とぞのたまひける。 ににんのものども、だいなごんのさうのみみにくちをあてて、「いかさまにもおんこゑのいづべうさふらふ」と、ささやいてひきふせたてまつれば、ふたこゑみこゑぞをめかれける。 そのてい、めいどにて、しやばせかいのざいにんを、あるひはごふのはかりにかけ、あるひはじやうはりのかがみにひきむけて、つみのきやうぢうにまかせつつ、あはうらせつがかしやくすらんも、これにはすぎじとぞみえし。 P127せうはんとらはれとらはれて、かんはうにらぎすされたり。 てうそりくをうけ、しうぎつみせらる。 たとへば、せうが、はんくわい、かんしん、はうゑつ、これらはみなかうそのちうしんたりしかども、せうじんのざんによつて、くわはいのはぢをうくとも、かやうのことをやまうすべき。 しんだいなごんは、わがみのかくなるにつけても、しそくたんばのせうしやうなりつねいげ、をさなきものどものいかなるうきめにかあふらんと、おもひやるにもおぼつかなし。 さばかりあつきろくぐわつに、しやうぞくをだにもくつろげられず、あつさもたへがたければ、むねもせきあぐるここちして、あせもなみだもあらそひてぞながれける。 さりともこまつどのはおぼしめしはなたじものをとはおもはれけれども、たれしてまうすべしともおぼえたまはず。 こまつのおとどは、れいのぜんあくにさわぎたまはぬひとにておはしければ、はるかにひたけてのち、ちやくしごんのすけぜうしやうこれもりを、くるまのしりにのせつつ、ゑふしごにん、ずゐじんにさんにんめしぐして、ぐんびやうどもをばいちにんもぐせられず、まことにおほやうげにておはしたれば、にふだうをはじめたてまつて、いちもんのひとびと、みなおもはずげにぞみたまひける。 おとどちうもんのくちにて、おんくるまよりおりたまふところへ、さだよしつとまゐつて、「などこれほどのおんだいじに、ぐんびやうをばいちにんもめしぐせられさふらはぬやらん」とまうしければ、おとど、「だいじとはてんがのことをこそいへ。 かやうのわたくしごとを、だいじといふやうやある」とのたまへば、ひやうぢやうをたいしたりけるつはものども、みなそぞろいてぞみえたりける。 そののちおとど、だいなごんをばいづくにおきたてまつたるやらんと、ここかしこをひきあけひきあけP128みたまふに、あるしやうじのうへに、くもでゆうたるところあり。 ここやらんとてあけられたれば、だいなごんおはしけり。 なみだにむせびうつぶして、めもみあげたまはず。 「いかにや」とのたまへば、そのときみつけたてまつて、うれしげにおもはれたるけしき、ぢごくにてざいにんどもが、ぢざうぼさつをみたてまつるらんも、かくやとおぼえてあはれなり。 「なにごとにてさふらふやらん。 けさよりかかるうきめにあひさふらふ。 さてわたらせたまへば、さりともとこそふかうたのみたてまつてさふらへ。 へいぢにもすでにちうせらるべかりしを、ごおんをもつてくびをつがれまゐらせ、あまつさへじやうにゐのだいなごんまでへあがつて、としすでにしじふにあまりさふらふごおんこそ、しやうじやうせせにもはうじつくしがたうさふらへども、こんどもまたかひなきいのちをたすけさせおはしませ。 さだにもさふらはば、しゆつけにふだうつかまつり、いかならんかたやまざとにもこもりゐて、ひとすぢにごせぼだいのつとめをいとなみさふらはん」とぞまうされける。 おとど、「ささふらへばとて、おんいのちうしなひたてまつるまでのことはよもさふらはじ。 たとひささふらふとも、しげもりかうてさふらへば、おんいのちにはかはりまゐらせさふらふべし。 おんこころやすうおぼしめされさふらへ」とて、ちちのぜんもんのおんまへにおはして、「あのだいなごんうしなはれんことは、よくよくごしゆゐさふらふべし。 そのゆゑはせんぞしゆりのだいぶあきすゑ、しらかはのゐんにめしつかはれまゐらせしよりこのかた、いへにそのれいなきじやうにゐのだいなごんにへあがつて、あまつさへたうじ、きみぶさうのおんいとほしみ、かうべをはねられんことしかるべうもさふらはず(す)。 ただみやこのほかへいだされたらんに、P129ことたりさふらひなんず。 きたののてんじんは、しへいのおとどのざんそうにて、うきなをさいかいのなみにながし、にしのみやのだいじんは、ただのまんぢうのざんげんによつて、うらみをせんやうのくもによす。 おのおのむじつなりしかども、るざいせられたまひにき。 これみなえんぎのせいだい、あんわのみかどのおんひがこととぞまうしつたへたる。 しやうこなほかくのごとし。 いはんやまつだいにおいてをや。 けんわうなほおんあやまりあり、いはんやぼんにんにおいてをや。 すでにめしおかれぬるうへは、いそぎうしなはれずとも、なにのおそれかさふらふべき。 けいのうたがはしきをばかろんぜよ、こうのうたがはしきをばおもんぜよとこそみえてさふらへ。 ことあたらしきまうしごとにてさふらへども、しげもりかのだいなごんがいもうとにあひぐしてさふらふ。 これもりまたむこなり。 かやうにしたしうまかりなつてさふらへば、まうすとやおぼしめされさふらふらん。 いつかうそのぎではさふらはず。 ただきみのため、くにのため、よのため、いへのためのことをおもつてまうしさふらふ。 ひととせこせうなごんにふだうしんせいがしつけんのときにあひあたつて、わがてうにはさがのくわうていのおんとき、うひやうゑのかみふぢはらのなかなりをちうせられてよりこのかた、ほうげんまでは、きみにじふごだいのあひだ、おこなはれざりししざいを、はじめてとりおこなひ、うぢのあくさふのしがいをほりおこいて、じつけんせられたりしことなんどまでは、あまりなるおんまつりごととこそぞんじさふらへ。 さればいにしへのひとも、しざいをおこなへば、かいだいにむほんのともがらたえずとこそまうしつたへてさふらへ。 このことばについて、なかにねんあつて、へいぢにまたよみだれて、しんせいがうづまれたりしをほりおこし、かうべをはねておほぢをわたされさふらひき。 ほうげんにまうしおこなひしことの、いくほどもなくて、はやP130みのうへにむくはれにきとおもへば、おそろしうこそさふらへ。 これはさせるてうてきにてもさふらはず、かたがたおそれあるべし。 ごえいぐわのこるところなければ、おぼしめさるることはあるまじけれども、ししそんぞんまで、はんじやうこそあらまほしうはさふらへ。 さればふそのぜんあくは、かならずしそんにおよぶとこそみえてさふらへ。 しやくぜんのいへにはよけいあり、せきあくのかどにはよあうとどまるとこそみえてさふらへ。 いかさまにもこんやかうべをはねられんことは、しかるべうもさふらはず」とまうされたりければ、にふだうげにもとやおもはれけん、しざいをばおもひとどまりたまひけり。 そののちおとどちうもんにいでて、さぶらひどもにのたまひけるは、「おほせなればとて、あのだいなごんうしなはんこと、さうなうあるべからず。 にふだうはらのたちのままに、ものさわがしきことしたまひて、のちにはかならずくやみたまふべし。 ひがごとしてわれうらむな」とのたまへば、ひやうぢやうをたいしたりけるつはものども、みなしたをふるつておそれをののく。 「さてもけさつねとほかねやすが、あのだいなごんになさけなうあたりたてまつたることこそ、かへすがへすもきくわいなれ。 などしげもりがかへりきかんずるところをば、はばからざりけるぞ。 かたゐなかのさぶらひは、みなかかるぞとよ」とのたまへば、なんばもせのをも、ともにおそれいつたりけり。 おとどはかやうにのたまひて、こまつどのへぞかへられける。 さるほどにだいなごんのさむらひども、いそぎなかのみかどからすまるのしゆくしよにかへりまゐつて、このよしかくとまうしければ、きたのかたいげのにようばうたち、こゑごゑにをめきさけびたまひけり。 「せうしやうどのをP131はじめまゐらせて、をさなきひとびとも、みなとられさせたまふべきよしうけたまはりてさふらへ。 いそぎいづかたへもしのばせたまふべうもやさふらふらん」とまうしければ、きたのかた、「いまはこれほどになつて、のこりとどまるみとても、あんをんにてなににかはせんなれば、ただおなじひとよのつゆともきえんことこそほいなれ。 さてもけさをかぎりとしらざりつることのかなしさよ」とて、ひきかづいてぞふしたまふ。 すでにぶしどものちかづくよしきこえしかば、かくてはぢがましう、うたてきめをみんも、さすがなればとて、とをになりたまふによし、はつさいのなんし、ひとつくるまにとりのつて、いづちをさすともなくやりいだす。 さてしもあるべきことならねば、おほみやをのぼりに、きたやまのへんうんりんゐんへぞおはしける。 そのへんなるそうばうにおろしおきたてまつり、おくりのものどもは、みみのすてがたさに、みないとままうしてかへりにけり。 いまはいとけなきひとびとばかりのこりゐて、またこととふひともなくしておはしけるきたのかたのこころのうち、おしはかられてあはれなり。 くれゆくかげをみたまふにつけても、だいなごんのつゆのいのち、このゆふべをかぎりなりと、おもひやるにもきえぬべし。 しゆくしよにはにようばうさぶらひおほかりけれども、ものをだにとりしたためず、かどをだにおしもたてず。 むまやにはむまどもおほくなみたちたれども、くさかふものいちにんもなし。 よあくればむまくるまかどにたちなみ、ひんかくざにつらなつて、あそびたはぶれまひをどり、よをよともしたまはず。 ちかきあたりのものどもは、ものをだにたかくいはず、おぢおそれてこそきのふまでもありしに、よのまにかはるありさま、じやうしやひつすゐのP132ことわりはめのまへにこそあらはれたれ。 「たのしみつきてかなしみきたる」とかかれたる、かうしやうこうのふでのあと、いまこそおもひしられけれ。 「せうしやうこひうけ」(『せうしやうこひうけ』)S0205たんばのせうしやうなりつねは、そのよしもゐんのごしよほふぢうじどのにうへぶしして、いまだいでられざりけるに、だいなごんのさぶらひども、いそぎゐんのごしよにはせまゐり、せうしやうどのをよびいだしたてまつり、このよしかくとまうしければ、せうしやう、「これほどのこと、などやさいしやうのもとより、いままでつげしらせざるらん」とのたまひもはてぬに、さいしやうどのよりとておつかひあり。 このさいしやうとまうすは、にふだうしやうこくのおんおとと、しゆくしよはろくはらのそうもんのわきにおはしければ、かどわきのさいしやうとぞまうしける。 たんばのせうしやうにはしうとなり。 「なにごとにてさふらふやらん。 けさにしはちでうのていより、きつとぐしたてまつれとさふらふ」と、のたまひつかはされたりければ、せうしやうこのことこころえて、きんじゆのにようばうたちをよびいだしまゐらせて、「ゆふべなにとなうものさわがしうさふらひしを、れいのやまぼふしのくだるかなんど、よそにおもひてさふらへば、はやなりつねがみのうへにまかりなつてさふらひけるぞや。 ゆふさりだいなごんきらるべうさふらふなれば、なりつねとてもどうざいにてぞさふらはんずらん。 いまいちどごぜんへさんじて、P133きみをもみまゐらせたくさふらへども、かかるみにまかりなつてさふらへば、はばかりぞんじさふらふ」とまうされたりければ、にようばうたちいそぎごぜんへまゐつて、このよしそうもんせられたりければ、ほふわうけさのぜんもんのつかひにはやおんこころえあつて、「これらがないないはかりしことのもれきこえけるにこそ。 さるにてもいまいちどこれへ」とごきしよくありければ、せうしやうごぜんへまゐられたり。 ほふわうおんなみだをながさせたまひて、おほせくださるるむねもなく、せうしやうもまたなみだにむせんで、まうしあげらるることもなし。 ややあつてせうしやうごぜんをまかりいでられけるに、ほふわううしろをはるかにごらんじおくつて、「ただまつだいこそこころうけれ。 これがかぎりにてまたもごらんぜぬこともやあらんずらん」とて、おんなみだせきあへさせたまはず。 せうしやうごぜんをまかりいでられけるに、ゐんぢうのひとびと、つぼねのにようばうたちにいたるまで、なごりををしみ、たもとにすがり、なみだをながし、そでをぬらさぬはなかりけり。 しうとのさいしやうのもとへいでられたれば、きたのかたはちかうさんすべきひとにておはしけるが、けさよりこのなげきをうちそへて、すでにいのちもきえいるここちぞせられける。 せうしやうごしよをまかりいでられけるより、ながるるなみだつきせぬに、いまきたのかたのありさまをみたまひて、いとどせんかたなげにぞみえられける。 せうしやうのめのとにろくでうといふをんなあり。 「われおんちにまゐりはじめさぶらひて、きみをちのなかよりいだきあげたてまつり、おほしたてまゐらせしよりこのかた、つきひのかさなるにしたがつて、わがみのとしのゆくをばなげかずして、P134ひとへにきみのおとなしうならせたまふことをのみよろこび、あからさまとはおもへども、ことしはにじふいちねん、かたときもはなれまゐらせさぶらはず。 ゐんうちへまゐらせたまひて、おそういでさせたまふだに、こころぐるしうおもひまゐらせさぶらひつるに、つひにいかなるうきめにかあはせたまふべきやらん」とてなく。 せうしやう、「いたうななげいそ。 さてさいしやうおはすれば、さりともいのちばかりをば、こひうけたまはんずるものを」と、やうやうになぐさめのたまへども、ろくでうひとめもはぢず、なきもだえけり。 さるほどににしはちでうどのよりつかひしきなみにありしかば、さいしやう、「いまはただいでむかつてこそ、ともかうもならめ」とていでられければ、せうしやうもさいしやうのくるまのしりにのつてぞいでられける。 ほうげんへいぢよりこのかた、へいけのひとびとは、たのしみさかえのみあつて、うれへなげきはなかりしに、このさいしやうばかりこそ、よしなきむこゆゑに、かかるなげきをばせられけれ。 にしはちでうちかうなつて、まづあんないをまうされたりければ、せうしやうをばもんのうちへはいれらるべからずとのたまふあひだ、そのへんなるさぶらひのもとにおろしおき、さいしやうばかりぞ、もんのうちへはまゐられける。 いつしかせうしやうをば、ぶしどもしはうをうちかこんで、きびしうしゆごしたてまつる。 せうしやうのさしもたのもしうおもはれつるさいしやうどのにははなれたまひぬ。 せうしやうのこころのうち、さこそはたよりなかりけめ。 さいしやうちうもんにゐたまひたれども、にふだういでもあはれず。 ややあつてさいしやう、げんだいふのはんぐわんすゑさだをもつてまうされけるは、「のりもりこそよしなきものにしたしうなつて、かへすがへすP135くやしみさふらへども、かひもさふらはず。 あひぐせさせてさふらふものの、このほどなやむことのさふらふなるが、けさよりこのなげきをうちそへて、すでにいのちもたえさふらひなんず。 のりもりかうてさふらへば、なじかはひがごとせさせさふらふべき。 せうしやうをばしばらくのりもりにあづけさせおはしませ」とまうされければ、すゑさだまゐつてこのよしをまうす。 にふだう、「あはれれいのさいしやうがものにこころえぬよ」とて、とみにへんじもしたまはず。 ややあつてにふだうのたまひけるは、「しんだいなごんなりちかのきやういげきんじゆのひとびと、このいちもんほろぼしててんがみだらんとするくはだてあり。 すでにこのせうしやうはかのだいなごんがちやくしなり。 うとうもなれ、したしうもなれ、えこそまうしゆるすまじけれ。 もしこのむほんとげなましかば、ごへんとてもおだしうてやはおはすべきといふべし」とのたまへば、すゑさだかへりまゐつて、さいしやうどのにこのよしをまうす。

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鬼滅の刃の『中高一貫!キメツ学園物語』とは?wiki風に詳述解説!ネタバレも!竈門炭治郎・嘴平伊之助・我妻善逸・冨岡義勇・ねずこ編

きめ つが くえん

鬼滅の刃 きめつのやいばの公式スピンオフ『 中高一貫 ちゅうこういっかん!! キメツ学園物語 きめつがくえんものがたり』とは? 「 鬼滅の刃(きめつのやいば)」ファンの方には是非知っておいてもらいたいのが、 今回ご紹介していく「 中高一貫!! キメツ学園物語」という『鬼滅の刃』 公式スピンオフ作品! この『中高一貫!! キメツ学園物語』は、先日まで好評連載だったTVアニメ版「 鬼滅の刃」に描かれてます。 通常のテレビシリーズの最後の次回紹介部分では、竈門炭治郎(かまどたんじろう)や 鬼殺隊(きさつたい)の隊士達が出てきて「大正こそこそ話」をするのですが、 第14話と 第17話のラストの次回予告枠で「 中高一貫!! キメツ学園物語」は登場しました。 「 鬼滅の刃」の本編とは違った内容で「 鬼滅の刃」に登場するキャラクター達が 「 中高一貫!! キメツ学園物語」という 学園物語に登場する内容のお話です。 【 鬼滅の刃 きめつのやいば】中高一貫キメツ学園物語は単行本にも収録されてる!? その他小説も? ですが、これはTVアニメで放送された第14話と第17話の2シーンだけではなく、 実は原作マンガの 単行本にも収録されています! アニメに続きこちらも「 何巻 どこ で読めるの? 」という質問をよくみかけますが、 巻数については、現在刊行されている単行本全て 1 ~17巻 の オマケページで読むことができます! また、アニメ・単行本以外にも、• 鬼滅の刃 公式ファンブック• 小説 『 幸せの花(しあわせのはな)』• 小説 『 片羽の蝶(かたはのちょう)』• ジャンプGIGA2018WINTERvo1. 3袋とじ企画内で紹介された「密着!キメツ学園に通う炭治郎の1日」 などにも取り上げられています。 以下からは、上記の中から選りすぐった内容を、私視点で紹介していきたいと思います。 色々とそのキャラクターごとに キメツ学園に関する設定が組み込まれていますので、数回に分けて紹介していきたいと思います!!! 竈門炭治郎 かまどたんじろう 中高一貫キメツ学園物語 まずは主人公の 竈門炭治郎 かまどたんじろうから。 真面目な少年で、パン屋の息子、朝の3時に起きて毎朝1000個ほどのパンを作るが、 本人はパンよりもご飯派で電車通学で妹をかつぎながら毎朝登校している。 また、バンド活動をしていて、「 ハイカラバンカラデモクラシー」 という名前のバンドの ボーカルをしています。 メジャーデビューからの世界へ羽ばたくことを夢見ている少年となっていますが 「音痴」 だそうです(笑) 新学期が始まり担任の先生から自己紹介を言いつけられますが、 紹介後即! と怒られてしまいます。 嘴平伊之助 はしびらいのすけ 中高一貫キメツ学園物語 次に 嘴平伊之助 はしびらいのすけです。 伊之助 いのすけは山でイノシシに育てられた少年としてメディアを賑わせた設定だそうで、 このときもシャツのボタン全開に素足だったために担任の先生から と注意されていました。 ただし、 伊之助 いのすけのトレードマークでもあるイノシシのかぶりものはつけずに素顔のままです。 ちなみに現在は里親の元で育てられており、 里親は本編作中で 炭治郎 たんじろうと 伊之助 いのすけと 善逸 ぜんいつの3人が骨を折って 病気療養中に世話になっていた 藤の家紋の家の「 ひさ」さんで、 得意料理は 伊之助 いのすけの大好物の 天ぷらだそうです(笑) そして、 炭治郎 たんじろうと一緒にバンド活動をしている 「 ハイカラバンカラデモクラシー」の 太鼓を担当しますが、予想どうりに音感はないようです。 我妻善逸 あがつまぜんいつ 中高一貫キメツ学園物語 3人目は 我妻善逸 あがつまぜんいつです。 まぁ他の2名同様 善逸 ぜんいつも と、注意されるのですが、 すぐに地毛だと説明をしたところ・・・ 善逸 ぜんいつだけこうなるわけなんですが(笑) 善逸 ぜんいつは偶然学校を休んだ日に行われた委員会決めで風紀委員になってしまいます。 本人は辞めたがっているのですが、辞めようとする度に、 頭髪のことで殴られ辞めるに辞められないようです。 炭治郎 たんじろうの妹「 禰豆子 ねずこ」に思いを寄せ登下校問わず電柱で見守る というストーカーまがいの行動をとります。 善逸 ぜんいつもまた「 ハイカラバンカラデモクラシー」のバンドに所属しており、三味線を担当していますが、 演奏には怨念がこもっているらしく、音楽センスがあるのに非常に害のある演奏になっているようです(笑) ちなみにこの「ハイカラバンカラデモクラシー」には、 まだこれから紹介する予定の美術教師でハーモニカ担当の人がいて、 全部で4人の構成のようです。 冨岡義勇 とみおかぎゆう 中高一貫キメツ学園物語 そしてすでにお気付きだと思いますが…そうなんです! この3人がいる教室にいる高等部体育担任の先生役が、 冨岡義勇 とみおかぎゆうなんです! 高等部の体育担当の教師であり、スパルタ教師です。 常にご覧の青ジャージを着用して、 いつも手にする木刀は殴るためのもので、 とにかく殴りまくる教師だそうです。 彼への対策で開かれた、彼のためのPTA総会は、 「 Pペアレンツ・ Tとみおか・ Aアソシエーション」だそうですが 笑 意外と嫌われていないようで、実はバレンタインチョコの獲得数は31個だったようです。 炭治郎 たんじろう家のパン屋の常連らしく、 炭治郎 たんじろうとは学校に入学する前から関りがあるらしい。 そして、 炭治郎 たんじろう達のバンド「 ハイカラバンカラデモクラシー」が文化祭で演奏した際に、 唯一涙を流して聞いていたのも、この 義勇 ぎゆう先生だったようです 笑 ちなみに好物は 鮭大根らしく、普段は仏頂面のくせに、 鮭大根を食べている時は少し笑顔になるそうです 笑。 禰豆子 ねずこ 中高一貫キメツ学園物語 続いて何故か中等部にいる設定なのに、同じクラスにいる 炭治郎 たんじろうの妹の 禰豆子 ねずこです。 本作では鬼化してしまった為に 竹を咥えているのですが、キメツ学園物語では実家がパン屋という設定のせいかフランスパンのような パンを咥えています 笑 禰豆子 ねずこは「パンを咥えるのも禁止だっ!」と予想どうり注意されていました。 真菰 まこも、• なほ、• きよ、• すみ、 以上の5人でガールズバンドを組んでいるそうです。 この 禰豆子 ねずこ を含めたこの5人の ガールズバンドは、全生徒からすごく人気があるらしいです。 でも 禰豆子 ねずこだけはずっと「フンフン」言ってるだけだとは思うのですが 笑 とまぁこんな感じでまだごくごく一部しか紹介出来てませんが、 連載形式で紹介していきたいと思いますので、 残りのキャラクターの人物紹介や物語などなどは次回以降を楽しみにお待ち下さいね! それではご視聴ありがとうございました! また次回もよろしくお願いします!! 【 鬼滅の刃 きめつのやいば】公式スピンオフ作品『キメツ学園物語』記事一覧 鬼滅の刃のスピンオフ作品『中高一貫!!

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