原油 先物 価格。 WTI原油先物チャート|チャート広場

【2020年3月〜4月】原油価格急落の理由と今後の見通しについて

原油 先物 価格

5月物の価格が一時、マイナス圏に突入したのである。 これは市場の混乱に伴う一時的なものだが、その背景にはコロナ後の社会は、需要と供給の関係が一変するのではないかとの不安心理がある。 今回の危機が一段落した時には、従来の価格や価値の概念が大きく変わっているかもしれない。 6ドルまで下落した。 原油価格がマイナスになるというのは、これまでにあり得なかったことである。 「価格がマイナス」と聞いてもピントこない人も多いと思うが、要は原油を買ってもお金を払う必要はなく、逆にお金がもらえることを意味している。 では、なぜこのような事態に陥ってしまったのだろうか。 重要なポイントは、マイナスになった商品が、5月を期限とする先物という点である。 先物市場というのは、将来のある時点で商品を引き渡すことをあらかじめ確約した取引で、5月物の先物を購入した投資家は、5月末までその先物を保有していた場合、その商品(この場合は原油)を引き取らなければならない。 逆に5月物を売った投資家は、代金を受け取ることで商品から手離れできる。 通常、5月物の原油を購入した投資家は、それを事業会社に販売して利益を得ることになるが、5月時点でまったく原油の需要がなかった場合、誰もその原油を買ってくれなくなる。 原油は保管に莫大なコストがかかるので、持っているだけで大きな損失になってしまう。 つまり、あくまで5月に限った話だが、売れる見通しがなくなったことから、5月物を保有している投資家はお金を払ってでも引き取って欲しいと考えた。 これが「価格がマイナス」になった理由である。 当然、石油の需要が減少している理由はコロナショックだが、いくら新型コロナの感染が拡大したからといって、石油の需要が消滅するわけではない。 しかしながら急激な経済の縮小で、5月という時期に限って言えば、原油を調達しようという人がいないので保有者はもてあましてしまったという図式である。 6月が期日となっている取引を見ると、価格は暴落しているが、5月物のようなマイナス価格にはなっていない。 これまでもリーマンショックなどの危機が発生した時には、原油価格は乱高下してきた。 それにもかかわらず、なぜ今回は価格がマイナスという異常事態になったのだろうか。 その理由は、長期的なスパンでは、もはや原油は重要な資源ではなくなっているという、大きな見立てが市場に台頭しているからである。 近年、原油の採掘コストは上昇を続けており、以前のようにタダ同然で石油を掘れるという状況ではなくなっている。 一方で再生可能エネルギーのコスト低下が進み、エネルギー供給全体に占める比率も顕著に高まっている。 皮肉なことだが、中東の産油国は砂漠地帯で日射量も多いので太陽光発電のコストが低く、むしろ石油よりも安価にエネルギーを調達できる可能性も取り沙汰されている。 加えて、コロナショックが終息した後には社会のIT化が一気に進み、グローバルな調達網(サプライチェーン)が見直されるとの指摘も多い。 これまでの時代は、最もコストが安い地域から地球を半周してでも資材を調達するのが当たり前であり、人が直接各地域を行き来してビジネスに励んでいた。 こうした環境だからこそ、LCC(格安航空会社)のビジネスが発達したともいえる。 このような社会を維持するためには大量のエネルギーが必要となるわけだが、コロナ後にはビジネスのIT化や商品の地産地消化がさらに進み、エネルギーの需要は大幅に減少する可能性が高い。 そうだからといって石油の需要がなくなるわけではないが、石油がないと何もできないという従来の価値観はすでに過去のものとなりつつある。 こうした長期的な見立てが存在しているからこそ、一時的な混乱とはいえ価格がマイナス圏に突入するという異常事態が発生したと考えるべきだろう。 つまり、価格がマイナスになるという今回の混乱は、ポスト・コロナ社会の予兆と考えるべきである。 これまで繁華街やビジネス街の交差点に面しているビルの1階というのは、とてつもない賃料相場となっていた。 銀行やコンビニ、飲食チェーン店など、あらゆる業界がこぞって、この場所に店舗を構えることを望んだからである。 しかしコロナ後の社会では、銀行はさらに店舗網を縮小して サービスのIT化を進め、外食産業はデリバリー対応を強化するだろう。 すでに店舗過剰が指摘されているコンビニも、同じ水準の店舗網を維持するとは思えない。 そうなると、極めて高額の家賃を支払ってでも、交差点に面した場所に店舗を構えるという企業は少なくなり、こうした物件の相場は大きく崩れる可能性が高い。 この話はたかが不動産の賃料とは考えないでほしい。 不動産というのは私たちの生活に密接に関わっており、あるカテゴリーの賃料相場が変化すると、不動産の利用方法が大きく変わり、最終的には私たちのライフスタイルにも影響を与えるのだ。 社会のIT化が高度に進んだ場合、不動産がどのように利用されるのか現時点で詳細に予測するのは不可能だが、思ってもみなかった変化が起こる可能性は高いと筆者は考える。 今、休業要請で大変な状態となっているイベント関係も、コロナがいったん落ち着けば営業を再開するだろう。 だが中長期的に感染症は事業における大きなリスク要因であり、この業界の基本的な価値観も大きく変わる可能性が高い。 イベントの在り方が変化すれば、当然、私たちのライフスタイルにも変化が訪れるはずだ。 このほか、テレワークの普及でスーツの需要がさらに減ったり、訪問営業という手法や、長時間の通勤も消滅に向けて動き始めるかもしれない。 一連の話は、社会のIT化によって起こる変化と言われてきたものばかりだが、コロナをきっかけに一気に加速する可能性が高まっている。 少なくとも、従来の「価値」や「価格」の概念はいったん、リセットするくらいの覚悟が必要だろう。 加谷珪一(かや けいいち/経済評論家).

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どうして原油先物価格がマイナスとなったのか、先物取引の仕組みを含めて解説(久保田博幸)

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原油価格の下落が止まらず、ついに史上初のマイナス価格に突入したが、物品の取引価格がマイナスになることがあり得るのだろうか?例えば、原油価格がマイナス20ドルであれば、原油1バレルを渡した上で、20ドルのお金も払うという未曽有の事態になったということである。 【こちらも】 実際にマイナスになったのは米国WTI(ウェスト・テキサス・インターミディエイト)の原油先物の価格だが、ここで注意したいのは、「マイナスになったのは先物価格」であることだ。 先物取引は将来の売買について、あらかじめ決められた価格で取引を行うという特殊な取引ではあるが、現物取引ではなく先物取引が行われる理由は、価格の安定化にある。 例えば、あなたが定食屋の店主だったとしよう。 定食を安定的な価格で提供するためには、原材料の値段が安定していなければならない。 そこで、来月の30日に買うお米を、仮に1kg500円として「価格を決めて」あらかじめ購入しておく。 これで定食屋の店主は安定的な価格で定食を提供できるようになるが、お米を売る側の卸売業者はどうだろうか。 卸売業者からすれば、お米が豊作となり1kg300円で手に入るならば、200円の利益を得ることができ、不作で1kg700円となれば200円の損失を被るだけである。 ここで原油先物の話に戻してみよう。 今回マイナス価格となったのは「5月限(ごがつぎり)」であり、実際に未来日に原油の引き渡しが行われるものだ。 お米と違って、原油に関しては倉庫に積んでおけばよいというものではなく、貯蔵するタンクが必要で、貯蔵するだけでもコストがかかる。 しかも、WTIの原油はパイプラインで直接内陸に送られているため、海上の船舶に保管するわけにもいかず、貯蔵するタンクが限られているのである。 4月の時点でコロナウイルスの影響で原油の消費が冷え込み、限られたタンクに原油が貯蔵されていく一方だというのに、5月の引き渡しの際にこの状態が続けば引き取ることすらできない。 結果として、お金を払ってでも引き取ってほしいという状況になってしまったのだ。 5月限の価格がマイナスに終わったところで、6月限の価格については4月24日現在、1バレル17ドル付近で取引されている。 この価格帯で維持されているのは、トランプ大統領が段階的な経済活動再開を表明していることから、需要が少しずつ戻るという観測がその理由であるが、万が一その再開が遅れようものなら、再び原油先物の価格がマイナス圏に沈む可能性もあり得よう。 (記事:小林弘卓・).

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原油価格がマイナス!? 未曾有の事態を生んだ先物取引とは?

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A 将来の期日に決済する取引である商品先物の一つであるWTIは、6月、7月など月ごとに決済日が設けられ売買されている。 4月21日に5月物の決済日を控え、先物を買っている人はこの日までに先物を売って決済しなければ、原油そのものを受け取る必要がある。 先物市場には原油の現物取引での価格変動による損失を抑えるため石油会社や製油所といった実需家だけではなく、先物の値上がりや値下がりで利益を狙うファンドなど投資家も参加する。 需要急減でWTI原油の受け渡し場所の貯蔵施設は満杯になるのが迫っている。 石油業者ではなく原油自体を受け取りたくない投機筋を中心とする投資家は決済日が迫るなか、5月物の売りを急いだ。 一方、貯蔵施設を手当てできないことから製油所などの買い手がなかなか現れず、価格はマイナスに沈んだ。 先物の売り手は、誰かにお金を支払って引き取ってもらった形だ。 Q 原油連動の上場投資信託(ETF)や上場投資証券(ETN)はどんな影響を受けたのか。 A 原油ETFは保有する原油先物を基にして作られる投資信託、原油ETNは裏付けとなる資産を持たず、金融機関が自らの信用力で発行する原油先物指数連動の債券だ。 決済を迎える前に、先物の乗り換えを進め価格急落の一因となった米国最大の原油ETF「USオイルファンド」は新規の発行を停止。 クレディ・スイスは発行するETNの価格がゼロになったと発表した。 Q 先物ではロンドンに北海ブレント原油、東京にドバイ原油があるが、マイナスになっていない。 A WTIとは決済方法が違い、北海ブレントやドバイ原油は先物を買っている人が決済せずに期日を迎えた場合でも現物の引き渡しは行われずに、先物が売られ取引が終了させられる。 北海ブレントの6月物は4月30日に決済日が迫るが、現物を受け取る必要はないので、投資家の投げ売りによるマイナス価格にはなりにくいとみられる。 Q 実需家は北海ブレントをどのようにつかっているのか。 A たとえば石油会社は生産した原油を将来に販売する際、原油安による損失を軽減する手段として先物市場に参加する。 先物を売っておけば、決済日までに原油の現物に連動して先物価格が下落していると、安くなった先物を買って決済すれば利益を確保できる。 現物の損失を先物の利益で一定程度カバーすることが可能だ。 (飛田雅則、二瓶悟).

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