医乳 てん。 【歯科医が解説】乳歯が生える時期、乳歯が生え変わる理由。

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[管理番号:434] 性別:女性 年齢:44歳 はじめまして。 宜しくお願いします。 現在は放射線治療中です。 FEC4クールを終えた時に、中間判定のMRでしこりが全く写らなかったので 完全奏効すると思っていたら 術後の病理結果で唖然としました。 不安です。 完全奏効するとばかり思っていたので、とてもショックでした。 無治療になるのが不安で、毎日泣いています。 リンパ節に転移が無いというのは、予後にかなり影響があるものなのでしょうか? 術後 主治医に第一声『リンパ節に転移無かったですよ!』と言われた位 重要な事なのでしょうか。 恐れ入りますが、教えてください。 宜しくお願いします。 田澤先生からの回答 こんにちは。 田澤です。 「術前化学療法の評価」については注意が必要です。 質問者様から 【質問2 トリプルネガティブ】 田澤先生の皆さんの質問の回答を見させていただき、こんなに心がある先生っているんだと 感動しています。 くだらない内容だと思うのですが、又質問させてください。 トリプルネガティブは、健側の胸にもガンが出来やすいとネットで見ました。 あと、3年は再発転移する確率が高いのですか? 先生のご回答から、ステージ1と2は早期に入るとのことで 私も早期なのかもしれないと思い、すごく気持ちが前向きになれたのですが 不安材料があまりにも多くて、事実がわからなくなりました。 先生は、私の病理だったら、患者にどうお話しますか? お忙しいところすみませんが、お時間があるときにご回答頂けたら嬉しいです。 田澤先生から 【回答2】 こんにちは。 田澤です。 化学療法前の「腫瘍径が不明 2~5cmの筈」ですが、再発率は15%程度だと思います。 実際に「サブタイプ」別に「両側乳癌」比率の「質の高いデータ」は無い筈です。 逆にいうと、10年以上経ってから(晩期再発)の頻度は低くなります。 「やるべき事もやっているので」あとは定期フォローをしましょう。 質問者様から 【質問3 リンパ節が腫れていたが陰性。 】 田澤先生こんにちは。 先生のお陰で、乳ガンについて知識がつきました。 お忙しくされているなかで丁寧に解答されていらっしゃる事に 敬意を表します。 『マスコミ等』で取り上げられたりしている『著名な病院や医師』が ここまで、されているでしょうか。 横槍は気にせず、私達乳ガン患者のために是非このまま続けてくださることを 切に願います。 お身体だけは気を付けて下さい。 田澤先生の事を応援しています。 さて、すみませんが質問させて下さい。 術前抗がん剤の前に、リンパ節の腫れがあり、私自身も脇に何か挟まっているような感覚がありました。 エコーで診ながら針の様なものを刺して擦って組織検査をして陰性で 一応はリンパ節に転移無しだが、手術しないと何とも言えない、あくまでも『グレー』とのことでした。 因みにpetでも確認されませんでした。 そして、手術を迎えセンチネル生検で陰性でした。 温存なので、放射線をあてましたが、脇の下にはあてるのでしょうか。 何となく、脇の下の変色が無かったので不安に思っています。 もしかしたら、リンパ節転移していたのが、術前抗がん剤で消えて陰性判断とされたんではないかと、不安に思っています。 リンパ節に再発するかもしれないと。 書き忘れていましたが、抗がん剤前のしこりは2. 5センチ、グレードは3でした。 分かりにくい文章ですが、もしお時間頂けたら嬉しいです。 後回しで結構です。 田澤先生から 【回答3】 こんにちは。 田澤です。 このポイントは「術前抗がん剤」をしてしまうと、その後に「センチネルリンパ節転移陰性」であっても『最初から転移が無かったのか、抗がん剤が効いて消失したのか不明である』という点です。 まさに、ここに「質問者が不安」になっているのです。 私がこのメールを見ての「最大の問題点」は 「化学療法前リンパ節細胞診の精度」です。 『一応はリンパ節に転移無しだが、手術しないと何とも言えない、あくまでも「グレー」』という担当医のコメントです。 まるで、「細胞診で陰性だけど、(細胞診検査で失敗しただけで)実は転移があるかもしれない」と担当医自身が感じているかのようなコメントです。 おそらく、そこに質問者は不安に思っているのではないでしょうか? 本来、「細胞診で陰性だったから、転移はありません。 安心して抗がん剤治療を受けましょう。 」でなくてはいけないと思います。 「術前抗がん剤」をするからには、抗がん剤前の時点で『リンパ節転移陽性か陰性かを明確にする』必要があるのです。 それは何故かというと 「術前化学療法前にN0(リンパ節転移無)である症例に対してはセンチネルリンパ節生検による郭清省略を行うことを考慮してもよい」:推奨グレードC1 に対し、 「術前化学療法前にN1(リンパ節転移有)である症例においては、センチネルリンパ節生検による郭清省略は基本的に勧められない」:推奨グレードC2 となっているのです。 (その点は私には判断困難なところです。 「センチネルリンパ節生検で転移無と出た以上」通常は「腋窩照射」はしません。 通常は心配ありません。 (リンパ節細胞診の精度は別にしても)「センチネルリンパ節生検で陰性」であった事実からは、(万が一、もともと転移があったと仮定しても)「最低限、そのリンパ節は摘出している」し、 それより先のリンパ節については、「術前の画像診断で所見が無かった筈」なので(もしも微小転移が存在していたとしても)術前抗がん剤により「消失してしまっている」可能性が高いです。 質問者を『応援しています!』 / 田澤先生の回答が『参考になりました!』 という方はクリックしてください。

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近藤誠さんの「がん放置療法」でいいのか? : yomiDr./ヨミドクター(読売新聞)

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放射線治療は、体の外から放射線をあてる「外部照射」と、体の内側から、がんやその周辺に放射線をあてる「内部照射」に分けられます。 外部照射と内部照射を組み合わせて行うこともあります。 実際にどのような治療を行うかは、患者さんの状況に応じて、担当医や放射線腫瘍医が判断します。 治療の目的や実際に行われる方法、予想される副作用などもさまざまです。 どのような治療法があるか、治療の目的や方法、副作用への対処法などについて、担当医や放射線腫瘍医によく聞いておきましょう。 放射線治療は、原則的に、標準治療として公的保険の範囲内で行われます。 標準治療とは、科学的根拠に基づいた観点で、現在利用できる最良の治療であることが示されたものです。 以下に代表的な照射方法と、公的保険の可能性のあるがんについて示します。 これらは、個別の状況に関する医学的判断を目的としたものではありません。 ご自身の治療方法については、担当の医師や放射線技師にお尋ねください。 このGy(グレイ)という単位は、吸収線量といわれ、放射線が物質(人体も含む)にあたったときにどれくらいのエネルギーが吸収されたかを表す単位です。 また、Sv(シーベルト)という単位もあります。 こちらは実効線量といわれ、放射線防護や被曝などを検討する際に使われます。 放射線が人間にあたったときにどれだけ健康被害があるかを評価するために使う単位です。 放射線の種類や人体の部位によって、計算式から求められます。 Bq(ベクレル)という単位は、放射能(放射線を発する能力)の量を表します。 現在がんの治療でもっとも多く使われている放射線治療は、外部照射です。 外部照射では、がんの病巣に対して、体の外から皮膚を通して放射線を照射します。 表1にあるように、使用する放射線、装置、方法によりいくつかの種類があります。 中でも高エネルギーのX線を照射する方法がもっとも多く行われています。 放射線をどのように照射するかは、放射線治療計画装置(専用コンピュータ)を使って、綿密に計画されます。 がんを有効に治療しながら、一方では周辺の正常組織にできるだけ影響を及ぼさないように配慮がされます。 治療装置の進歩により、今日では、さまざまな方向から高速に照射することが可能になってきました。 1)一般的な高エネルギー放射線治療 IMRTとは、放射線治療計画装置(専用コンピュータ)による最適化計算により、がん組織には高い放射線量を与え、さらに隣接する正常組織には放射線量を低く抑えることを可能にした治療方法です。 マルチリーフコリメータ(MLC: Multi Leaf Collimator)と呼ばれる照射する範囲を調整する装置を用いて(図6)、がんに対して理想的な放射線量で多方向から放射線を照射することにより、がんの形状に一致した部分へ集中性の高い線量を照射します(図7)。 このIMRTを、回転させながら行う強度変調回転放射線治療(VMAT:Volumetric Modulated Arc Therapy)という方法もあります。 また、IMRTに特化した専用の放射線治療装置として、トモセラピー(Tomo Therapy)があります。 定位放射線治療(SRT)とは、病巣に対し多方向から放射線を集中させる方法です。 定位照射、ピンポイント照射とも呼ばれます。 通常の放射線治療と比較し、周囲の正常組織にあたる線量を極力減少させることが可能です。 1回照射で終わる場合を特別に定位放射線手術(SRS: Stereotactic Radiosurgery)といい、小さな病巣に有効な治療法です。 定位放射線治療で用いられる装置の1つとして、ガンマナイフがあります。 ガンマナイフとは、多数のコバルト線源をヘルメット状の照射ヘッドに対して半球状に配置した放射線照射装置で、ピンポイント照射の一種です。 このようにして、多方向から一点に高線量の放射線を集中させることができます(図8)。 ガンマナイフは、主に、動静脈奇形、聴神経鞘腫(ちょうしんけいしょうしゅ)をはじめとする脳内の小さな良性病変の治療において、優れた成績をあげています。 また、転移性脳腫瘍に対しても利用されます。 必要に応じて、リニアックによる全脳照射との組み合わせが検討されます。 また、リニアックを用いても、架台や治療ベッドの回転を組み合わせて放射線を照射することにより、ガンマナイフと同等の放射線集中効果を得ることができます。 リニアックを用いた定位的放射線治療がガンマナイフと異なる点は、分割照射が容易に行える点にあります。 最近では、小型のリニアックを搭載した定位照射に特化した装置も普及し始めました。 その1つが、サイバーナイフ(Cyber Knife)です。 粒子線治療とは、陽子や重粒子(炭素イオン)などの粒子放射線のビームを病巣に照射する放射線治療法の総称です。 X線による一般的な治療に比して、よりがん病巣に合わせて放射線を照射できる利点があります。 現在医療で実施されているのは、陽子線治療、重粒子線治療(炭素線)のみとなります。 通常の放射線治療で用いられるX線の外照射では、体の表面近くで線量が最大となり、それ以降は体内に入るに従って吸収される放射線量が徐々に減少します。 このことから、一方向からの照射では、深いところにあるがん病巣に十分なダメージを与えようとすると、がん病巣より浅いところにある正常細胞により大きなダメージを与えることになります。 これを避けるために、多方向から弱い線量をがん病巣にあて、周囲の正常な細胞にあたる量を減らし、がん病巣の線量が高くなるように照射する技術が開発されています。 これに対して、陽子線は、体内に入っても表面近くではエネルギーを放出せず、停止する直前にエネルギーを放出して大きな線量を組織に与える性質があります。 これを発見者の名をとって「ブラッグ・ピーク」と呼びます。 病巣の深さや大きさに合わせて、このピークの深さや幅を調整することで、病巣のみに効率よく線量を集中し、正常組織への線量を少なくします。 なお、実際のがん病巣は深さ方向に厚みがあります。 そのため、粒子線をがん病巣に一様に照射するために、ブラッグ・ピークを重ね合わせて深さ方向の線量分布が一様な領域を形成するように照射します。 このように、一様に広げられたビームの形を拡大ブラッグ・ピーク(SOBP: Spread-Out Bragg Peak)と呼びます(図11)。 医師が治療計画を立てる際には、CT検査などを行いますが、このCT検査の画像情報は、放射線治療室にあるコンピュータに転送されます。 一方で、各治療日における内臓の充満度の違いや呼吸に伴う動きによって、がんの病巣がわずかに動く可能性があります。 そこで、放射線をより正確に病巣に照射するために、治療位置を補正するための技術が、IGRTです。 IGRTを用いた治療では、放射線治療室で患者さんに治療を行う直前に、CT検査や超音波検査、X線撮影を行い、事前に撮影した画像情報と比較して、照射位置の調整を行います。 画像を用いて確認しながら、がんの形状に合わせて、多方向から正確に放射線をあてます。 このようにすることで、正常組織への照射を避けながらがん病巣への放射線集中性を高めることができます。 なお、IGRTで正確な位置合わせを行うために、がん病巣の内部あるいは近くに小さな金のマーカーを埋め込む場合もあります。 4.治療の方法:内部照射 密封小線源治療は、放射線が強く照射される範囲が、がん組織やその周囲に極めて限定的であるため、がんを治す確率が高く、しかも副作用が少ない治療法です。 一般的には小さながんに効果が高い治療法です。 外部照射と組み合わせて使われることもあります。 長時間治療する方法を、時間あたりの線量が低いので低線量率と呼び、短時間治療する方法を高線量率と呼びます。 最近は、高線量率小線源遠隔後充填法であるラルス(RALS: Remote After Loading System)が多くなっています。 多くの放射線源は一時的に体内に挿入し、治療が終了すると抜去しますが、粒状の線源である金、ヨードでは刺入したままにしておきます(永久刺入)。 永久刺入された場合は、体から出る放射線が周囲の人に危険のない範囲に下がるまでの数日間、患者さんは放射線を遮蔽する部屋に隔離されます。 体に影響のない材質を用いており、照射される放射線量も徐々に減少することから、体外へ取り出す必要がなくなります。 また、特定の難治性悪性リンパ腫に対しモノクローナル抗体とアイソトープを結合した放射性標識抗体ゼヴァリン(イットリウム90含有)を注射投与する放射免疫療法も行われています。 これらの抗体はがん細胞に直接結合し、少量の放射線でがん細胞に損傷を与えるようにつくられています。 痛みのある骨転移では、骨の代謝が活発になった骨転移巣に集積するメタストロン(ストロンチウム89含有)を注射することにより、疼痛軽減効果を得る治療があります。 去勢抵抗性前立腺がんの骨転移に対し、塩化ラジウム223注射液を用いた治療も始まりました。 5.先進医療などの研究段階の医療として行われている放射線治療 陽子線治療、重粒子線治療などの粒子線治療は、公的保険適用となるがん以外でも、先進医療として検討が進められています。 現在開発中であり、臨床試験として実施されている放射線治療について以下に記載します。 ホウ素中性子捕獲療法 BNCT: Boron Neutron Capture Therapy :中性子線治療は、外部放射線治療の特殊なものです。 従来のX線による放射線治療では治療効果が期待されない種類のがん治療に使われます。 中性子線は他の放射線と比較して細胞に対する生物学的作用が強く、注意して使えば大きな利点となります。 一方で、中性子は正常組織への影響も強いため、治療には注意が求められます。 現在、中性子の効果を増大させる作用のある薬剤との組み合わせを利用して、一部の施設において、脳腫瘍、皮膚がんなどに対するホウ素中性子捕獲療法の研究が進められています。 詳しくは、「」をご参照ください。 先進医療は、新しい医療を評価するために、厚生労働大臣が特別に定めた公的医療保険が適用されない医療で、として、保険診療との併用が認められています。 この場合、保険が適用される医療以外は、自己負担が必要です。 状況によって異なりますが、一般的には、治療費全体で300万円前後となります。 先進医療は、国が定めた一定の条件を備えた医療機関でのみ実施が認められています。 すべてのがんに適応できるものではなく、患者さん個別の状況に合わせて、医師の判断が必要になります。 現在行われている先進医療については、「」をご参照ください。 また、臨床研究として、新しい治療法の有効性を調べる目的で行われている治療もあります。 臨床試験について詳しくは、「研究段階の医療(臨床試験、治験など) 基礎知識」をご参照ください。 これらについてもっと知りたいときは、担当医もしくはがん相談支援センターにご相談ください。 がん相談支援センターについては、「」をご参照ください。

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リンパ節転移の有無の予後

医乳 てん

原発巣(最初に癌ができた場所)としては, 肺癌が約50%くらいで,次いで乳癌,胃癌,頭頸部癌,結腸癌,子宮癌の順となります• HER-2陽性乳癌では30%くらいで脳転移が生じるなど分子診断で脳転移のリスクも解るようになってきました• 脳転移を生じやすいガンでは,定期的に脳のMRIをして早期発見をします• 転移は脳のどの場所へも起こります• ガン原発巣になにも症状がなくても,脳転移が最初に症状を出すことがあります• 特に肺癌では,最初に脳の症状が出て,脳転移が見つかってから,原発巣を探してみると肺にガンがあったということがあります• 精度の高いMRI検査をすると,単発(一つだけの転移)よりも 多発性のもののほうが多いです• 転移の場所としては,大脳の皮質と白質の境界部にできることが多いです• のう胞(水たまりの袋みたいなのもの)を伴うものを嚢胞性腫瘍といいますが、これは腺癌の転移に多いものです• 転移性脳腫瘍のまわりの脳には脳浮腫(脳のはれ)を生じることが多いですし,これが症状を出していることがあります• 癌細胞は周囲の脳組織に浸潤していますから手術だけで完全にとりきれるチャンスは少ないです• 病理所見では,脳の小血管周囲あるいはくも膜下腔に沿ったがん細胞の浸潤をみることが多いです• 特殊な転移として, 癌性髄膜炎(髄膜がん腫症 leptomeningeal carcinomatosis:脳脊髄の至る所にがん細胞が広がる)というものがあります• これは,がん細胞が脳脊髄のくも膜下腔に広がって増殖するもので,水頭症を併発します• 乳癌などでは,治ったと思って10年くらい経った後に脳転移が生じて再発することもありますが,これでも治る可能性がある再発ですからあきらめない• 放射線治療が必要なことが多いです,設備が整っている病院で治療を受けましょう• 脳転移に有効な化学療法が発達して,定位放射線治療との組み合わせ治療が模索されています 症状• 転移性脳腫瘍のできた場所に応じて,さまざまな局所神経症状が出ます• 麻痺,ふらつき,失語症,複視などなんでも起こります• もしく脳浮腫による 頭痛・嘔吐などの頭蓋内圧亢進症状がでます• 症状は数週間の期間に進行する場合が多いです• (けいれん発作)は多く,2 — 3割の患者さんで生じます• 嘔吐などが強くなって放置すれば脳ヘルニアを起こして意識障害が生じます• 腫瘍の内部で出血を起こして急激に症状が進行することもあります• 頭蓋底部に病変が存在すれば,複数の脳神経を侵して多発性脳神経麻痺を起こしてくることがあります• 髄膜がん腫症では,頭痛や嘔吐などの髄膜刺激症状を認めます• 特に歩行時のふらつきや強い頭痛で発症する 小脳転移は脳ヘルニアを生じやすいので,放射線治療をしないで積極的に開頭手術した方がいいかもしれません 脳転移がなくても脳の症状があるとき がん患者さんで,ゆっくり進行する変わった脳症状が出て,MRIで脳転移がみられない場合には,以下のような病態の可能性があります。 それぞれ,特徴的なMRI所見がありますから診断はつきます。 進行性多巣性白質脳症 PML• 傍腫瘍性症候群paraneoplastic syndrome( 亜急性小脳変性症 subacute cerebellar degeneration や 辺縁系脳炎 limbic encephalitis)• 可逆性後頭葉 白質脳症 posterior reversible encephalopathy syndrome PRES :抗ガン剤の副作用 検査(脳病変のみに関して)• MRIは非常に小さな転移巣も発見することができます• 治療方針を決めるために正確な数を把握しようとするときには MRIは絶対必要です• 特に重要なのが孤発転移(一つだけ)か多発転移(たくさんできてる)の区別です• MRIで転移性脳腫瘍は,低信号から高信号を示すものまでいろいろです• ガドリニウム造影剤で増強されてくっきり写ります• 数をはっきり数えたい時には倍量のガドリニウム造影剤を使います• 腫瘍中心壊死のためリング状に増強されると膠芽腫との鑑別が難しいことがあります• 周辺脳浮腫(腫瘍の周囲の脳が腫れている)が特徴です• シンチやペットPETを使って診断すると脳転移が見つかることも多いです• 癌の患者さんが急速に神経症状や頭痛・嘔吐などを生じたときにはまず脳転移を疑います• 逆に転移性脳腫瘍が先に診断されて原発巣の検査をすることも多いです• 髄膜がん腫症では水頭症がみられ,脳脊髄髄液の細胞診が必要です• 腫瘍の内部で脳出血することはめずらしくありません 典型的な転移性脳腫瘍(単発)のMRI 腺癌の左前頭葉転移です。 左のガドリニウム造影剤を使った画像では腫瘍が白く写っています。 腫瘍の内部が一部壊死しているので黒っぽく見えます。 右はフレア画像です。 腫瘍の周囲の脳が腫れて 脳浮腫(白く滲むようなところ)を生じています。 開頭手術で摘出した半年後の画像です。 腫瘍は再発していなくて,脳の腫れも引いています。 転移が発見された時には,見当識障害などの左前頭葉症状が強かったし,摘出がとても簡単な場所だったので手術しました。 線状皮膚切開・小開頭ですから1時間くらいの簡単な手術です。 でも,この転移は26mmくらいでしたから,定位放射線治療も可能なものでした。 この患者さんは幸いなことに半年で再発していませんが,開頭手術による摘出だけだと同じ場所からまた再発することもあり,それから定位放射線治療を加えなくてはならないこともあります。 個々の判断は難しいのですが, 基本的には開頭手術より定位放射線治療のほうがいいと考えて下さい。 治療:放射線治療• 脳転移の多くは 定位分割放射線治療 fSRT か 放射線外科治療 STS(ラジオサージェリー)で治療できます• 治療成績も良いので,手術よりも放射線治療が優先されるようになってきました• 定位放射線治療には, リニアックメス,ガンマナイフ,ノバリス,サイバーナイフ,トモテラピーなどの装置が利用されます• 定位放射線治療ができない大きなものだけを脳外科で手術します• 転移性脳腫瘍の大きさが 2. 5-3cmくらいが定位放射線治療の限界です• 放射線外科治療の入院は1日とか3日とかの短期間で済みますが,手術となると最低でも2週間くらいでしょう• 転移性脳腫瘍に対する定位放射線治療の成績は年々向上しています• 3個以内の多発転移例であれば放射線外科 SRS だけで寛解を得られることは多いです• 全脳照射は脳の全部に放射線を当てることをいいます• 多発転移(5個以上)の場合は,時には全脳照射が必要かもしれません• 4個以上の転移では全脳照射が標準治療でしたが,2017年はそうではありません• 6個とか8個でも放射線外科治療SRSで制御できることがあります• 全脳照射は広範囲分割照射(リニアックなど)を利用しますから,ガンマナイフやノバリスではできません• 全脳照射は生命予後の短い患者さんの入院を長期化させます• さらに 正常脳に対する障害(認知症の発生)があるので,できれば全脳照射は避けます• でも,肺の小細胞癌 SCLCなどでは全脳照射しかしません(定位照射ではすぐに新しい脳転移がでてしまうため) 治療:脳神経外科での開頭手術• 5-3cm以上の大きな単発転移で,脳浮腫の軽減と脳圧を下げることを目的とします• 患者さんの状態が良好,かつ数カ月以上の生命予後が期待できれば,開頭手術による摘出術の適応となります• 肺小細胞癌,リンパ腫,白血病などは生検手術以外は行いません• 多発であっても,手術と放射線治療の組み合わせで有意な生存期間を明らかに延長できると確信できれば,最も大きなものだけを手術摘出することはあります• 原発巣が不明で病理診断を得たい時,低侵襲であれば小さな病巣を摘出することがあります• 小脳転移は急速に水頭症や脳ヘルニアを生じやすいので,放射線治療の前に摘出を考慮することがあります• しかし摘出術のみでの局所コントロールは不可能ですから,手術適応の決定はきわめて慎重でなければなりません 治療:化学療法(制がん剤)• 化学療法は原発巣の組織で決まりますから,脳外科ではしません• でも残念ながら, 脳転移には制がん剤(化学療法)が効かないことが多いです• 化学療法や内分泌療法に感受性の癌に対しては,低線量放射線治療と組み合わせる治療がなされます• 腫瘍内科,腫瘍外科,放射線治療科,脳外科などのチーム医療で診ていただきましょう• できれば地域のがんセンターや癌をたくさん扱う病院へ行くべきです• 今は,複数の 脳転移が起こっても,治療をあきらめる時代ではありません• ある種のリンパ腫,胚細胞腫瘍,腎癌,乳癌,肺がんの脳転移では化学療法が時に有効です• 化学療法は日進月歩ですから,それぞれの癌腫に詳しい専門医にも相談しましょう• がんの分子診断で脳転移の治療適応が判断される時代です• 例えば,アレクチニブ,ブリガチニブ,オシメルチニブなどが非小細胞肺がん, ツカチニブがHER-2陽性乳がんの脳転移に有効という報告などです 脳の腫れを取る治療と緩和ケア• 原発巣や多臓器の状態が悪い患者さんの多発脳転移では,対症的治療として副腎皮質ステロイド剤やグリセロール点滴を投与して脳浮腫を治療します• ステロイドは経口薬で,デキサメサゾン dexamethasone,ベタメサゾン(リンデロン)betamethasone が使用されることが多いです• 有効性があると判断される治療法がない時には緩和ケア(緩和療法,支持療法,対症療法 )supportive care のみをします• 多発転移であっても全脳照射を避けるのが標準的な考え方になってきたと言えます• しかし,脳転移が4個以上,あるいはそれ以上ある場合に,全脳照射という治療法を提案されることがあります• 肺の小細胞癌の転移など,MRIでは見えないような無数の脳転移が予測されるものには全脳照射を用います• 全脳照射は,脳の全体に大量の放射線をかける治療です• 通常は,40グレイを20回に分けてかけるか,30グレイを10回に分けて放射線治療をします• ですから,放射線障害が強く出ますが,個人差がとても大きいです• 数ヶ月後に認知障害になるかもしれないと考えておいた方がいいでしょう• 簡単にいえば,知能が落ちて,ひどい場合には自分のことがよくわからなくなることです• でも,この治療をしないと生き延びられない状態です• 全脳照射をしても認知機能が落ちるという科学的な証拠がないという放射線治療医の先生がいますがそれは誤りです 予後• 数個以内の脳転移ならコントロールできる可能性が高いです• 残念ながら治癒を期待することは難しいかもしれません• 脳転移が生じてしまった患者さんの 生命予後(余命)は10-12ヶ月とされています• ですから脳転移の治療は基本的に 寛解導入あるいは 緩和療法となります• でも,乳がんや肺がんの多発脳転移でも,治ってしまって10年以上元気な人もいます• 脳転移を生じたがん患者さんの平均余命は半年くらいとされてきましたが,逆に今はたくさんの患者さんが脳転移から助かることがあるのであきらめてはいけません• 全体での生存期間中央値は6か月に満たないので,とても予後が悪いと明らかに予想される患者さんに対する脳神経外科での過度の積極的治療は避けられるべきです• がん細胞が髄液の中に広がることです• 癌性髄膜炎ともいわれます• 脳と脊髄の表面にがん細胞が広範に広がって増殖します• 髄液吸収障害になって水頭症(頭の中に水がたまって頭痛や嘔吐をだす)になることが多いです• MRIをすると脳や脊髄の表面が薄くガドリニウム増強されます• 髄液細胞診(脳脊髄液を採取して検査する)ではがん細胞が髄液の中に浮いているのが証明されます• 生命予後は2-3ヶ月のことが多いでしょう• 全身状態が不良であったり,神経障害が重篤であったり,脳や脊髄に腫瘤病変が多発する場合には治療をしないで,緩和ケア(best suportive care だけしたほうがいいです• 逆に,神経症状が軽く,他の臓器に重篤な転移がなく,全身的な治療が継続できている時には,全身的な化学療法を続けながら,全脳照射をしたり,髄液内化学療法(メソトレキセートの髄注)などを行うことがあります• 症状を出している脳脊髄の転移巣に局所照射を加えることもあります• いずれにしても,数週間から2ヶ月くらいの緩和期間が得られるくらいなので,無理な治療はしません• 水頭症に対するシャント手術は滅多にしません,がん細胞が腹腔に転移してしまってより苦しい状態になることがあるからです• 短期間の処置として,長期留置型の外ドレナージという方法で髄液を排出することがあります• でも水頭症は頭痛や嘔吐で苦しいので,患者さんが望めば,脳室腹腔短絡術(シャント)を緩和治療として選択することがあります 肺小細胞癌の転移 multiple metastases of lung small cell cancer 左のMRIは,肺小細胞癌の患者さんに脳転移が無いか確かめるために撮影されたものです。 転移はありませんでした。 右側のMRIは,そのわずか3週間後に撮影したものです。 数十個の脳転移がありました。 肺小細胞癌では短期間の間に無数の脳転移を生じることがあります。 かつては脳転移を予防するための予防的全脳照射という治療が行われていたくらいです。 癌の脳転移を治療して,延命をはかったり症状の改善をもとめる積極的な治療とは異なる考え方です。 手術,放射線治療,化学療法の有効性が期待できなくなった時に,痛みや吐き気を軽減するとか,精神的な苦悩を緩和するとか,看取りと介護支援に重点を置くことを言います。 患者さんの希望による場合,医師と患者さんの話し合いで選択する場合,医師から患者さんと家族にそれを勧める場合があります。 定位放射線治療のイメージ:ピンポイントとはいえない 近接する2つの転移巣への定位放射線治療です。 右側は放射線治療計画の等線量曲線といいます。 5回に分けて25グレイの放射線治療を行います。 転移性脳腫瘍は,画像で見えているところよりも少し周囲の脳へ浸潤しています。 ですからガンマナイフでもサイバーナイフでもリニアックでも,見えている腫瘍 GTVよりも,PTVがやや広めになります。 どういうことかというと,脳転移にピンポイントで放射線をかけるというのは,ある意味では「ウソ」で,周囲の脳は必ず被曝します。 ガンマナイフでもサイバーナイフでも同じことです。 抗てんかん薬 転移性脳腫瘍で(けいれん発作)を生じることがあります。 抗てんかん薬という薬で発作を予防するのですが,その薬のために抗がん剤の効果が落ちてしまうことがあります。 チトクロームP450という酵素を誘導する,カルバマゼピン,フェニトイン,フェノバルビタールは使用しないほうがいい場合があります。 レベチラセタム(イーケプラ)を使った方がいいでしょう。 悪性グリオーマと区別しづらい 左はT2強調画像です。 内部は壊死にみえますが,転移性脳腫瘍の特徴である周辺脳浮腫がほとんどありません。 右のガドリニウム増強では周囲が不規則に造影されます。 肺腺癌に特徴的な画像かもしれませんが,膠芽腫との区別が難しく,原発巣もわからず単発ですと生検術が必要になります。 FDGでもMet-PETでも脳腫瘍自体は鑑別はできません。 FDG-PETで他の臓器に病巣があると転移としていいでしょう。 HER2陽性の乳がん脳転移にツカチニブが有効 Murthy RK: Tucatinib, Trastuzumab, and Capecitabine for HER2-Positive Metastatic Breast Cancer. N Engl J Med. 2020 全身転移を生じたHER-2陽性乳がん患者612人に,Trastuzumab(ハーセプチン)とCapecitabine(ゼローダ)が投与され,ツカチニブ(HER-2阻害剤)が加えられた群とプラセボの間で無作為試験が行われました。 2020年4月にアメリカのFDAが保険診療で使用することを認めました。 転移性脳腫瘍の薬物治療ガイドライン Camidge DR, et al: Clinical trial design for systemic agents in patients with brain metastases from solid tumours: a guideline by the Response Assessment in Neuro-Oncology Brain Metastases working group. Lancet Oncol. 2018 伝統的に脳転移を有する患者さんは,新しい薬剤の試験から除外される傾向にありました。 しかし,最近では脳転移に薬剤が有効か無効かという判断が加えられるようになりました。 オシメルチニブはある種の肺がんの脳転移に有効 Wu YL: CNS Efficacy of Osimertinib in Patients With T790M-Positive Advanced Non-Small-Cell Lung Cancer: Data From a Randomized Phase III Trial AURA3. J Clin Oncol. 2018 EGFRチロシンキナーゼ阻害剤(TKI)オシメルチニブが,EGFR変異のある非小細胞肺癌に投与され,脳転移発生の抑制あるいは脳転移の制御に効果がありました。 脳転移は積極的に検査して放射線外科治療で治療するべき Wolf A, et al. : Toward the complete control of brain metastases using surveillance screening and stereotactic radiosurgery. J Neurosurg. 2018 かなり積極的に脳転移を検査して,小さな転移巣にSRSを行なった報告です。 10mm以下の転移巣であれば生存期間の延長も得られました。 アレクチニブは肺がんの脳転移を予防する de Castro J, et. : CNS efficacy results from the phase III ALUR study of alectinib vs chemotherapy in previously treated ALK1 NSCLC. 10個の転移があってもSRS 放射線外科治療でよい Jing Li , et al. : The Diminishing Role of Whole-Brain Radiation Therapy in the Treatment of Brain Metastases. JAMA Oncol, 2017 多発転移で全脳照射が応用されることは少なくなってきました。 理由の一つに分子標的治療を含めた化学療法の発達があります。 かつて化学療法剤は脳に届かないと考えられていましたが,MRIで見えないような微小転移は化学療法で抑制できるようになってきました。 全脳照射の治療期間中に化学療法を中断すると,MRIでみえていない微小脳転移が大きくなったり新たな脳転移が生じます。 ですから,脳転移の治療期間中にも化学療法を継続するために,SRSでは治療期間を短くする利点があります。 10個までの脳転移をSRSで治療するという段階が終わり,さらに15個までをSRSで治療するという第3相試験が行われているそうです。 3個までの転移であれば SRS 放射線外科治療が良い Brown PD, et al. : Effect of Radiosurgery Alone vs Radiosurgery With Whole Brain Radiation Therapy on Cognitive Function in Patients With 1 to 3 Brain Metastases: A Randomized Clinical Trial. JAMA 316:401-9, 2016 全脳照射や複数回局所分割照射では,脳転移は抑えられても認知機能低下が生じてしまいます。 213名の患者さんが全脳照射とSRS(1回照射,放射線外科治療)で無作為に比較されました。 照射後3ヶ月で,全脳照射の患者さんの91. QOLもSRSの患者さんの方が優ります。 全生存期間に有意な差がないので, 脳転移が1個から3個までであればSRSで治療をするべきだと結論しています。 摘出術後の予防照射にも全脳照射は使わない Post-operative stereotactic radiosurgery a new standard of care for patients with resected brain metastases. ASTRO 2016 手術摘出してもその部位からまた再発してしまうので,摘出腔 surgical cavity への放射線治療が必要です。 かつては全脳照射が標準治療でしたが,これも定位照射へと変わりました。 メイヨクリニックを中心とした無作為試験で,放射線外科治療のほうが治療後のQOLも認知機能も保たれることを明らかにしました。 無増悪生存期間も全脳に劣りません。 手術と定位照射の適応とならない肺がん脳転移に対して全脳照射をするか? Mulvenna P,: et al. Dexamethasone and supportive care with or without whole brain radiotherapy in treating patients with non-small cell lung cancer with brain metastases unsuitable for resection or stereotactic radiotherapy QUARTZ : results from a phase 3, non-inferiority, randomized trial. Lancet. 2016 脳転移のある肺がん患者さん538人の無作為試験です。 ステロイド dexamethasoneと対症療法 supportive careだけ行うか,全脳照射をするかの比較がされました。 元気に生活できる余命 quality-adjusted life-years QALYs は,全脳照射を加えても伸びなかったとの結論です。 海馬を避けて全脳照射 IMRT すると記憶力が守れる Gondi V, et al. : Preservation of memory with conformal avoidance of the hippocampal neural stem-cell compartment during whole-brain radiotherapy for brain metastases RTOG 0933 : a phase II multi-institutional trial. またQOLの低下は生じませんでした。 海馬の神経細胞は放射線に対して脆弱ですからこの部分を避ける全脳照射で少しでも認知機能を守ろうという新たな方向性です。 開頭手術で摘出すると髄液播種を誘発するか Ahn JH et al. : Risk for leptomeningeal seeding after resection for brain metastases: implication of tumor location with mode of resection. J Neurosurg 116: 984-993, 2012 韓国からの論文です。 242人の転移性脳腫瘍の患者さんが手術を受けています。 腫瘍を一塊にして摘出した時より,腫瘍を細かく砕いて摘出した場合に髄液播種が多かったとのことです 4. CUSAという超音波吸引器(腫瘍破砕器)で転移性脳腫瘍を摘出すると髄液播種の確率が高くなります 2. 髄液腔に接した場所にある転移性脳腫瘍を砕いて摘出すると髄液播種の確率が高くなりました。 「解説」結果は当たり前のことなのですが, 超音波吸引器で悪性腫瘍をバラバラに破砕しながら摘出すれば悪性腫瘍の細胞はそこら中にまき散らされて髄液播種するということです。 それをしっかりとしたデータで発表したことに価値がある論文です。 放射線外科あるいは開頭摘出術の後で全脳照射を加える意義があるか Kocher M, et al. : Adjuvant whole-brain radiotherapy versus observation after radiosurgery or surgical resection of one to three cerebral metastases: results of the EORTC 22952-26001 study. J Clin Oncol 29: 134-141, 2011 Soffieti R, et al. J Clin Oncol 31: 65-72, 2011 ヨーロッパ行われた大規模研究です。 1個か2個か3個の転移性脳腫瘍が生じた全身状態の良い359人の患者さん stable systemic disease or asymptomatic primary tumors and PS of 0 to 2 が治療を受けました。 PS 2より状態が悪くなるまでの期間は,経過観察群で10ヶ月,全脳照射群で9. 5ヶ月でした。 全生存期間は,それぞれ10. 7ヶ月と10. 9ヶ月でした。 しかし,転移巣の再燃あるいは新たな転移巣の発生は,全脳照射をしたほうが少なくなり,摘出術と放射線外科治療の場合に再治療の必要が増えます。 また脳病変での死亡率は全脳照射をした方が低下します。 全脳照射を行なうと身体機能は8週間で,認知機能は12ヶ月で有意に低下しました。 「解説」全脳照射を加えても生存期間は延びませんし,全脳照射をしない方が機能的自立が保てるとの結論です。 少数の脳転移の場合で,外科摘出術か放射線外科治療でコントロールできると判断される場合には,全脳照射が標準治療ではなくなったと言える結論です。 QOLを考えるなら全脳照射を行なわずに頻回のMRI検査で経過観察をするのも間違いではないとも述べられています。 放射線外科 SRS 後の全脳照射 WBRT は認知機能低下を招くか Chang EL, et al. : Neurocognition in patients with brain metastases treated with radiosurgery or radiosurgery plus whole-brain irradiation: a randomised controlled trial. Lancet Oncol. 10:1037-1044, 2009 3個以下の転移性脳腫瘍の患者さんでの臨床研究です。 SRS 放射線外科に全脳照射を加えると,4ヶ月後に学習能力と記憶力が低下するとの結論です。 結論として, SRS単独で治療して,MRIで慎重に経過観察をするべきできあるとしています。 ここでは,脳病変の再発確率は高いけれども認知機能を守るために全脳照射は初期治療では避けるべきであるとの考えが述べられています。 全脳照射に放射線外科治療を加えることに意義があるか Andrews DW, et al. : Whole brain radiation therapy with or without stereotactic radiosurgery boost for patients with one to three brain metastases: phase III results of the RTOG 9508 randomised trial. Lancet 363: 1665-1672, 2004 ヨーロッパの55施設で,1個か2個か3個の転移性脳腫瘍が生じた患者さんが全脳照射 WBRT で治療されました。 164人は全脳照射のみ,167人はそれに定位放射線治療(1回照射の放射線外科)が加えられました。 結果,1個だけ転移のあった患者さんでは全脳照射に放射線外科を加えた時に生存期間の延長がありました 6. 5 vs 4. 0393。 治療後6ヶ月の時点では,放射線外科を加えた患者さんの方がKPS(一般状態)が良かったとのことです。 結論として,外科的に切除不能な1個だけの脳転移がある場合には全脳照射に放射線外科を加えるべきだとされました。 2個か3個の場合は考えてみる。 「解説」1996年から2001年にかけてなされた大規模研究です。 結論は納得なのですが,基本となるのが全例に全脳照射という選択肢から入っていることです。 2013年時点ではこの前提となる全脳照射そのものが全例には受け入れられないかもしれません。 転移性脳腫瘍の手術と病理診断の意義 転移性脳腫瘍の摘出標本です。 粘液産生もあり中分化型管状腺癌 tublar adenocarcinomaと診断されます。 おそらく大腸癌からの転移ということは予想できますが,正確な臓器が解るわけではありません。 かつては,病理診断をするために転移性脳腫瘍を生検することなどもありましたが,ペット PETなどの診断方法が発達した近年では,診断のための転移性脳腫瘍の手術がなされることはほとんどありません。

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