オノノクス であい が しら。 であいがしら

かたやぶりオノノクスの技構成で質問です。

オノノクス であい が しら

【レディ・ガーディアンと二人の少年】 舐めていた。 そう、それが一番の感想だ。 ハロンで一番強いトレーナーだった。 齢十にして。 同年代は勿論、大人にだって、負けなかった。 まどろみの森でも鍛えた。 マグノリア博士の本もいくつか読んだ。 テレビでバトルの講座も観た。 きのみの種類も、使い方も覚えたし、ボールの扱い方、薬の使い方、その他道具の使い方全般も。 カレーの作り方は最後までイマイチだったが、味は気にしないから良しとした。 ポケモンのタイプ、相性も覚えた。 特性も、全てではないが、ある程度頭に叩き込んで、俺は旅に出た。 相棒と共に。 そして、仲間になった可愛らしいポケモンたちと一緒に。 だというのに。 舐めていた。 ワイルドエリア! ここで俺は恐怖した。 うららか草原辺りに居たのは覚えている。 集いの空き地に居たリーグ関係者に、手持ちのポケモンたちを見てもらい、そのまま真っ直ぐ進んでエンジンシティを目指すよう言われた。 だが俺は、夢中だった。 テレビで観たワイルドエリア!ここは本当に、ポケモンたちの楽園だ。 たくさんのポケモンが、自然の姿で生息している。 そんなポケモンたちの姿を見ているのが楽しかった。 捕まえようかとも思ったが、まずは見ていることが楽しかった。 幸い天気は良好、そのせいか、比較的ポケモンたちも大人しかった。 しかし。 すっかり日は暮れ、辺りが足下も見えない程の暗闇に包まれて、俺は初めて気がついた。 今、何処にいる? 慌ててポケナビを開く。 すると、うららか草原などとうに過ぎて、こもれびの林の奥へと来ていた。 鬱蒼とした林の中では、平衡感覚さえもわからず、俺は立ち尽くす。 相棒のヒトカゲの炎で、かろうじて周りを照らすことができたが、何処へ進めば良いのか、まるでわからなかった。 今日はここらで休もう。 そう思ってテントを立て始めた時だ。 小さなポケモンが、こちらにやってきた。 「カジッチュだ!」 小さくて艶やかな赤いリンゴの体をしたカジッチだった。 キャンプを始めようとする様子に、興味を持ったらしい。 一体だけ、こちらへぴょこぴょことやってきたのだ。 図鑑では見ていたが、実際見るのは初めてだった。 思っていたより大きいだとか、リンゴの中はどうなっているのか、好奇心に勝てず、俺は慌ててカバンからきのみを取り出し、カジッチュに差し出す。 こっちにおいで、などと小声で誘う。 きのみの香りに誘われたカジッチュは、香りを確かめるような吐息を立て、ゆっくり、慎重にこちらへと近づく。 俺はそっと、ヒトカゲに目配せした。 あまり動くなよ、静かにするんだぞ、という気持ちを込めて。 ヒトカゲにはその想いが伝わったらしく、口元を抑えて、俺の方に視線だけ動かしてくれる。 本当に、俺のヒトカゲ賢くて、頼もしい相棒だ。 あと少し。 カジッチュに手が届きそうなくらい距離が縮まって、俺は高揚した。 目はカジッチュの一挙一動に夢中だったんだ。 だから、気が付かなかった。 ヒトカゲの表情に。 彼が声を上げるまで、少しも。 聞いたことも無いような、ヒトカゲの吠える声がした。 瞬間、カジッチュが跳ねるようにして逃げ出す。 当然俺も、ヒトカゲの声にびっくりして、声を上げてきのみを落とした。 あと少しだったのに!一体どうしたのかと思い、ヒトカゲを見ると、俺は驚く。 ヒトカゲが、震えながら、彼方を睨んでいる。 大きな彼のエメラルド色の目に映る姿を確認して、俺は恐怖した。 視線を横に動かす。 木が揺れ、へし折れ、倒れる音がする。 動く大きな何かがある。 光る、二対の。 あれは。 「アップリュー…!」 俺が唸るように呟いた時、アップリューは声高に吠え、木々や大地を揺らした。 劈くような声に、俺とヒトカゲは耳を塞ぐ。 そう、このアップリューは普通の個体ではなかった。 キョダイマックスの姿だったのだ。 巣穴が無いことを確認しないままテントを張ったことが良くなかった。 そして、キョダイマックスの姿を目の当たりにするのは初めてだった。 被っていたキャップが、アップリューの咆哮で飛び、落ちる。 そこにあったのは。 自分が抑えられない程震えているのがわかった。 全身が硬直し、血の気が引いて寒さすら覚える。 恐らく時間にして二、三秒程度のことだったとは思うが、その瞬間が永遠に思えた。 そして、俺に死を感じさせるには、十分な時間だった。 するとどうだ。 隣にいるヒトカゲが、果敢にも吠えた。 そのひと吠えで、俺ははっとしてヒトカゲを見る。 彼もまた、目に見えて震えていたが、目と尻尾の炎は褪せていなかった。 じりじりと俺の方へ近付いて、俺を庇うように前に立つ。 それで目が覚めた。 ヒトカゲが、俺を守ろうとしてくれているというのに! 俺は歯を食い縛り、アップリューを睨む。 そして、キャップを拾い、ツバを後ろ向きにして深く被った。 明らかに、あのアップリューに勝てる力量を持ったポケモンは居ない。 ヒトカゲでも無理だ。 手持ちの道具の中にピッピ人形はあったが、あの大きさのポケモンに通用するとは思えない。 アーマーガアのタクシーを呼ぶ為の狼煙を上げようか?だが間に合うかわからないし、下手に刺激も出来ない。 せめて。 せめてポケモンたちを、ヒトカゲを、逃してやらなければ! 俺は全てのボールに手を掛ける。 一かバチか、ボールを開けて、みんなをバラバラの方向へ逃す。 そして俺が囮になって、タクシーを呼ぶ狼煙を上げる。 上手くいけば俺には助けが来るし、俺が囮になることで、ポケモンたちは逃げることが出来る。 それしかない。 その時の俺はそれしか妙案が浮かばなかった。 深呼吸をして、俺はアップリューを見る。 アップリューは周りの木を薙ぎ倒し、次々と吠えていた。 興奮しているらしい。 これは益々、逃げるには強い刺激が必要そうだと、喉が鳴る。 ヒトカゲを見る。 ヒトカゲは本当に察しが良く、首を横に振った。 俺の腕を力強く掴んでいる。 〝離さない〟。 ヒトカゲの意思が伝わって、俺は泣いてしまいそうだった。 「だめだ、ヒトカゲ。 俺がお前の足を引っ張ってしまう。 みんなでバラバラに逃げた方がいい。 」 小声で彼に伝えたが、ヒトカゲの意思は堅かった。 更に腕を掴む力が強くなり、俺をしっかりと見詰める。 その手も震えているのに、目が、絶対に離れないという強い光を放っていた。 俺はこの状況だというのに、いよいよ堪えきれず、泣いた。 涙が目からポロポロと落ちる。 ヒトカゲを強く抱きしめて、俺は涙を拭った。 「絶対にお前たちを逃す。 無事に。 そして俺も、お前たちとまた旅をする!」 声に出して誓うと、ヒトカゲの震えが止まった。 代わりにボールが震え出す。 ハロンから一緒に旅をして来たウールー、ココガラ、アゴジムシが、ボールの中からダンデを見ている。 彼らを見て、ヒトカゲが頷き、そしてヒトカゲもまた、俺を見た。 アップリューが咆哮を上げる。 その度、草むらからタネボーやホシガリスが散り散りに逃げ惑い、辺りは戦々恐々とした。 俺は立ち上がり、アップリューと向かい合う。 やらなければ。 ピッピ人形、空のモンスターボール全てをアップリューに投げ、目眩しする。 ウールーの特性は〝にげあし〟だ。 あの子はひとりで逃げられるだろうし、ココガラも飛べる。 ウールーはそのまま見張り塔跡地まで走り抜けてもらい、ココガラは集いの空き地へ行ってもらって、助けを呼んでもらおう。 こんなこともあろうかと、ポケモン達の足には、俺の識別番号が書いたタグやミサンガが着いている。 アゴジムシとヒトカゲは、俺と一緒に逃げ、アーマーガアタクシーを呼ぶ狼煙を上げる。 一か八か。 俺はヒトカゲに目配せした。 ヒトカゲは頷く。 迷いは無かった。 その時だ。 アップリューが一際大きく咆えた。 アップリューがエネルギーを蓄えているらしく、体が光り始める。 これはまさか。 血の気が引いた。 キョダイマックス技が来る! ウールーなら逃げ切れるか?いいや、技の範囲が巨大な分広いはず。 だがやってみないと、皆やられてしまう! 「ウールー走れ!ココガラは高く飛べ!」 二つのボールをあらん限りの力で彼方へ投げる。 瞬間ボールは弾け、ウールーはそのままトップスピードで駆け、ココガラは高く上昇し、技の範囲から可能な限り遠ざかろうとする。 「ヒトカゲ、〝えんまく〟!アゴジムシ、〝ねばねばネット〟!」 ヒトカゲの〝えんまく〟と同時に、ダンデは狼煙を打ち上げる。 煙幕がたちまち夜闇にたちこめ、そこから火花を上げながら、一筋の発光する白い煙が上がる。 狼煙が上がった瞬間、アップリューの注意がそちらへと逸れた。 チャンスだ!俺はアゴジムシを抱いて走る。 その横を、ヒトカゲが並走した。 アゴジムシは口から〝ねばねばネット〟を吐き出す。 木と木の間に張られ、アゴジムシは都度技を繰り出した。 ネットで少しでも足止め出来ればとう願望があったが、あの巨体は木を薙ぎ倒す。 気休めだが、何もしないより幾分かマシだろう。 しかし、アップリューの注意を引いたのはほんの僅かのことだった。 凄まじい咆哮と共に、また空気が張り詰めるのを感じる。 技を放つつもりだろう。 ダメだ。 絶対振り返るな。 俺は力の限り走った。 ヒトカゲも。 アゴジムシも、懸命に糸を吐いて俺たちを救おうと力を振り絞る。 雷鳴の様な音が轟く。 すると前方からも、紅い閃光が上がった。 他のポケモンのダイマックスか!? 前後で挟まれる形となり、俺は奥歯を食い縛る。 横に逸れるか、もしくは前方の光へ飛び込むか。 考えている暇などない! 「くっそぉぉぉぉぉ!」 俺は吠えた。 吠えながら、アゴジムシを抱え、ヒトカゲの手を取り、全力で光の柱へと走る。 地面が揺れる。 空気が戦慄く。 ここで終わらせるものか。 みんなを助けて、生き延びるんだ! 目の前が真っ赤に染まる。 王冠を模したキャップが、落ちて彼方へと飛ばされる。 その時。 「オノノクス。 〝まもる〟」 人の声がした。 鈴のような、子どもの声。 大きな影が、俺たちの前に現れ、包む。 オノノクスだ。 青い光が、俺たちの周りに迸る。 そして。 「キバナ君。 そのままその子を頼んだよ。 」 紅い閃光が弾ける。 突如吹き荒ぶ、激しい熱風。 地響きと唸り声を纏って現れたのは。 「マルヤクデ…!」 俺は声を上げた。 こもれび林全てを覆い尽くさんばかりの、巨大で優美なマルヤクデが、目の前に降臨している。 アップリューを見据え、身体中から焔を滾らせていた。 「頭下げてな。 」 すると、オノノクスの影から、さっきも聴こえた子どもの声がした。 オノノクスの背から、声の主が顔を出す。 オレンジのバンダナ。 そして、空のような、碧い双眸。 褐色の肌をした、少年だった。 彼は俺のキャップを持って、微笑む。 「お前、ラッキーだったな。 」 少年は指を後方に向けて指す。 俺は頭を下げながらその方角を見ると、そこにはもう一人、今度は大人の男性が立っていた。 見覚えのあるシルエット。 そして、キョダイマックスのマルヤクデ。 「カブさんと、このキバナ様がきたからには、もう安心だぜ。 」 少年は誇らしげにそう言って、俺の頭にキャップを被せる。 あれは、エンジンシティジムリーダー! 「マルヤクデ!〝キョダイヒャッカ〟!」 空気を震わせ、カブさんが吠える。 少年が俺を引き寄せ、ボールから新たなポケモンを出す。 「オノノクスの〝まもる〟だけじゃ、熱いのはムリかもしれないな。 」 そう言って登場したのは、ヌメルゴンだった。 「ヌメルゴンも、〝まもる〟!」 するとヌメルゴンが、身体を震わせた。 途端、ひんやりとした空気に包まれる。 俺はヒトカゲを引き寄せ、後方を見る。 アップリューが遂に力を解放し、技を放つ。 〝キョダイサンゲキ〟だ。 二つのキョダイマックス技が、同じタイミングで放たれる。 一瞬空気が止まり、そして弾けた。 爆音と爆風、そして地面を砕く衝撃に、耳が割れそうだった。 熱風が頭の上を轟々と吹き、アップリューの放つ巨大な力を秘めたリンゴを次々焼き払う。 アップリューとマルヤクデの力の差は、圧倒的だった。 あっという間にマルヤクデの焔はアップリューを包む。 業火に焼かれ、アップリューが苦悶の叫びを上げる。 酷い声だった。 苦しんでいるのが伝わる、悲痛な叫びに、俺は思わず目を瞑る。 「悪いな、アップリュー。 」 少年が呟いた。 うっすら目を開けると、彼は碧い目を吊り上げ、ハイパーボールを取り出している。 すると、腕のバンドがボールに呼応し、ボールが光を帯びながら巨大化する。 あっという間に少年の顔より大きくなったボールを抱え、彼は振りかぶった。 「オレ様が、ちゃんとお前の面倒、見てやるからよォ!」 そして、少年はボールをアップリューへと放る。 ボールは一直線に、弱ったアップリューへと飛び、蓋が大きく開く。 轟音と共にボールはアップリューを引き摺るようにして吸い込んだ。 最後の抵抗とばかりに、竜は体をくねらせ、鳴き叫ぶ。 ボールに吸い込まれるその瞬間に、アップリューの目がこちらを見た。 俺は身を固くする。 アップリューの目は。 何処か少し、悲しげだった。 その時聴こえたのだ。 小さな鳴き声。 声のする方へ、咄嗟に振り返る。 そこにいたのは、先程のカジッチュだった。 俺ははっとして、またアップリューの方を見る。 アップリューの視線の先にも、このカジッチュが映っているようだった。 だが程なくして、哀れなポケモンはボールへと収まり、地に落ちた。 何度かの揺れの後、ボールは沈黙。 元の手の平に収まるサイズのハイパーボールへ戻り、辺りの空気が一気に緩んだ。 だが、確かな熱気をマルヤクデが放ったまま、林の夜が戻った。 終わった。 助かった。 そう認識した途端だ。 身体がまた急に震えて、同時に弛緩する。 動悸が止まらず、息が荒くなる。 身体中酷い汗がじっとりとまとわり、俺はその場にへたれこんでしまった。 それはヒトカゲやアゴジムシも同じだったらしい。 ふたりとも俺にもたれかかり、大きく息を吐いた。 アゴジムシはぴーぴーと声を上げて泣いていた。 俺は抱き上げ、背中を撫でることが精一杯で、ただただ、想いを受け止めていく。 「ごめんな。 」 ふと、少年が呟いた。 先程まで吊り上っていた目は、混じりがゆるりと下がっている。 だが、顔は険しいまま、ずんずんと前へ進んでいった。 そこには、アップリューを捕らえたボールが転がっている。 そしてそのボールに縋る、小さなカジッチュが居た。 「母さんなのか、お前の。 」 少年はボールとカジッチュの側にしゃがみこみ、問いかける。 カジッチュは少し唸って、ボールを庇うようにして立ちはだかった。 そんな姿を見ながら、少年は、そうか、そうか、と頷いて、ポケットからロメのみを取り出す。 カジッチュは唸っていたが、ロメのみの芳香が届いたらしい。 唸るのをやめ、鼻を鳴らして少年とロメのみに視線を彷徨わせる。 「大丈夫。 お前も、お前の母さんも、俺が面倒見るから。 安心しろ。 」 少年はそう言うと、ロメのみを地面にそっと置いた。 カジッチュが何度かロメのみと、少年を見て、やがてロメのみを咥え、ボールの後ろに隠れる。 隠れきってはいないのだが、カジッチュは母の背に隠れる子のそれと同じ格好で、静かにボールを揺すりながら鳴いた。 「君、大丈夫かい。 」 そんなやりとしりを見ていると、後ろから声がした。 振り向くと、カブさんが走りながら、こちらへ向かってくる。 跳ねた黒髪を靡かせ、少し大きめのコートをはためかせながら、俺を見ていた。 カブさんがこちらに向かう間に、マルヤクデの身体が光った。 徐々に縮んで、元のマルヤクデに転じる。 辺りの熱気が嘘のように消え失せ、焔の刃のような、鋭い気迫を帯びていたマルヤクデも、穏やかにこちらへ向かっていた。 カブさんは、本当に心底心配そうな表情で、俺の元へやってきた。 俺の肩を掴み、「怪我は無いかい。 」と聞いてくれる。 戦闘の時とは全く違う、慈愛に満ちたその様子に、俺はすっかり安心して、少しだけ泣きそうになった。 「いや、良かったよ。 たまたま巡回中でね。 トレーナーになったばかりの子がワイルドエリアに入ったと、連絡をもらっていたから。 」 本当に、良かった。 カブさんは俺の頭を撫で、そしてヒトカゲやアゴジムシを見た。 「君のポケモン君たちだね。 よくがんばったね。 君たちも、怪我はないかい?」 するとヒトカゲもアゴジムシも、カブさん相手に顔が綻んだ。 カブさんはヒトカゲもアゴジムシもひと撫でして、無事を確かめる。 「彼がすぐ、異変に気付いてくれたんだよ。 」 ガブさんが視線を彼方へとやる。 俺は振り返ってみると、そこにはあの少年が居た。 そして、驚愕する。 彼はなんと、カジッチュを肩に乗せ、笑い合っていたのだ。 先程まで怯え、警戒していたはずだというのに。 「キバナ君。 」 キバナと呼ばれた少年は、カジッチュとボールを抱え、こちらへ駆けて来る。 「すみません、カブさん。 でも、もう大丈夫そうです、カジッチュも、アップリューも。 」 「それは良かった。 君のおかげで、彼も彼のポケモンも、怪我なかったよ。 」 ありがとう。 カブさんはそう言うと、キバナの頭も同じように撫でた。 キバナはそれを喜び、柔らかく微笑む。 目尻は垂れて、戦闘中の彼とは、別人と思える程、印象が変わっていた。 「そうだ。 自己紹介していなかったね。 僕は」 「カブさんのことを知らないジムチャレンジャーなんて、いないでしょ。 」 キバナが笑ってそう言う。 俺に向かって、な?と微笑みかけてきた。 俺も思わず、うん、と頷く。 そうかい、と、カブさんはくすぐったそうに微笑んだ。 では、と呟き、キバナの肩に手をのせる。 「僕から紹介させてもらうよ。 彼はキバナ。 ナックルシティのジムリーダーだよ。 」 言われて俺は目を剥く。 「ジムリーダー!?」 「開会式には間に合わなかったけれどな。 」 なったのは、最近なんだよ。 キバナが穏やかに笑う。 「いずれ君も戦うことになるだろう。 同じ歳くらいかな?もしかして。 」 十歳だよ。 キバナが言う。 言われて更に驚いて、俺は仰け反った。 全くの、同い年だ! 「そりゃいい。 仲良くしようぜ。 ええと、」 名前は? 問われて、俺は気付き、慌てて手を服の裾で拭ってキバナに差し出した。 「ダンデだ!」 俺がそう言うと、キバナが俺の手を両方の手で包んでにっこり笑ってくれた。 背は同じくらいなのに、手は随分と大きかった。 「ダンデ!よろしくな!」 互いに頷き、やがて手が静かに離れる。 キバナの手は大きくて力強い。 そして。 同い年だというのに。 (キバナはジムリーダーで、俺はジムチャレンジャーなんだ) さっきのバトルも。 俺ではまだ、あんなに強いオノノクスも、ヌメルゴンも、一緒に居ることはできないだろう。 ナックルジムは、ガラルの歴史で最も長い伝統と格式のあるジム。 気高いドラゴンタイプのポケモンを駆使し、ガラルの歴史を守る番人も兼務していると聞く。 それが、俺と同じ歳の子どもが務めている。 カブさんのマルヤクデに、一撃でも入れられないだろう。 ましてや、あの技から身を守るなんて。 アップリュー相手に、何もできなかった俺は。 本当に、始まったばかりなんだということを突き付けられた。 それが悔しくて。 悔しい。 悔しい! 手が、震え、俺は思わずキャップを下げる。 「しかし、ある意味ダンデは幸運だったな。 キョダイマックスのすがたをしたアップリューは、ここらで観測されたのは随分前のこと。 エネルギーが活発化していたのは計測していたが、まさか本当に現れるなんて…」 話の途中で、キバナの言葉は途切れた。 俺は俯いたまま、歯を食い縛る。 「ダンデ。 」 キバナが呼ぶ。 俺はそのまま、なに、とだけ短く言った。 感じ悪いのはわかっているが、今は、悔しさと無力さがつらくて、顔が上がらなかった。 「心配するな。 お前の他のポケモンたちは、ナックルジムとエンジンジムのトレーナーたちが見つけて、連れて来てくれているからな。 」 俺は顔を上げた。 そうだ。 ウールー!ココガラ! 「ポケギアに連絡が入ったよ。 二体とも、無事だって。 」 カブさんがにっこり笑って教えてくれた。 俺は安堵して、深く息を吐く。 良かった。 上手く逃げてくれて。 だが、ふたりとも、きっと怖かったことだろう。 俺のせいで。 俺が、もっと強ければ! キャップを外し、俺は顔を覆う。 悔しさで、目が滲んでいった。 その時。 「ダンデ。 」 キバナが俺のキャップを横にズラした。 滲む目に、緑の斑がついた卵が映る。 俺は首を傾げた。 「な、に?」 「俺のオノノクスの卵。 」 キバナがふんわり笑って、そう答える。 「キバゴが産まれるんだぜ。 早く産まれるように、連れて歩いていたんだ。 」 卵を愛おしそうに撫でて、キバナは卵に、なー、と声を掛けた。 俺も、卵を見るのは久し振りだったので(ハロンタウンでは見慣れた光景だった)、思わず卵に手が伸びた。 あたたかい。 そして、確かな鼓動を手の平に感じる。 そんな俺の姿を見て、キバナが俺に卵を抱かせた。 「ダンデが育ててみてくれよ。 」 そう言って、キバナの手が離れる。 俺は卵を抱えたまま、唖然とした。 「え!?なんで!」 吐いて出た言葉はそれだった。 キバナは屈託のない笑顔で頷く。 「珍しいドラゴンタイプだぞ。 ワイルドエリアにも生息しているが、ドラゴンタイプは皆穏やかじゃないからな。 さっきのアップリューも勿論。 」 キバナが、肩に機嫌良く留まっているカジッチュを見る。 「だが彼らは総じて強い。 必ず歴史には、彼らドラゴンタイプの名が刻まれている。 ある時は災厄の中心に、またある時は救済の象徴に。 」 「それなら、今の俺には、難しいんじゃないか。 」 アップリューの姿が頭の中でチラつく。 恐ろしい。 だが同じように、キバナのオノノクスの勇姿も過った。 カッコいい。 ドラゴンタイプ。 俺に、育てられるのだろうか。 「お前、何でジムチャレンジするんだ、ダンデ。 」 キバナの碧い双眸が光る。 戦闘の時と同じように、少し目が吊り上がって、だが面白そうに、俺を見ている。 どんな答えを出すかを、試している。 俺は喉を鳴らした。 そんなの、旅に出る前から決まっている。 「ガラルを強くする。 」 揺るがない決意だった。 これにキバナが目を見開く。 「ガラルを強くする。 その為に、俺が一番強くなる。 だから、挑む。 リーグチャンピオンに!」 そう宣誓すると、キバナがいよいよ目に獰猛な光を迸らせ、唇を吊り上げて笑った。 「いいじゃねぇか。 リーグチャンピオンなることは手段か!チャンピオンこそが目的だとのたまうトレーナーが殆どの中で!その先でガラルを強くすることが真の目的だなんて、ダンデは強欲だな!」 キバナは俺の両肩を掴み、歯を見せて笑う。 随分尖った犬歯が見え隠れして、彼自体がドラゴンのように見えた。 「じゃあ決まりだろう!そのキバゴはきっとお前を遥か高みへ連れてくれるひとりになるはずだ。 ドラゴンタイプの一体や二体、認められて育て上げられるようなトレーナーじゃなきゃ、どの道チャンピオンにすら手が届かないだろうからなぁ!」 俺を見詰める目が、雄弁に語る。 期待に胸躍らせていることを。 俺と戦う日を、思い描いていることを。 その光に、俺も心臓が高鳴る。 俺は卵をぎゅっと抱き締めた。 「確かに。 アップリューに怯んでいるようじゃ、まだまだ届かないな。 だから尚更、目指していかないとな!」 キバナの目と俺の目がカチリと合う。 今はまだ、ジムリーダーの彼にも敵わないだろう。 だが、今だけだ。 遠くない。 俺たちは、強くなる! その時。 卵が一際大きく揺れた。 慌てて卵を支え、よく観察すると、中から殻を押し上げる力を感じる。 そして徐々に、殻はミシミシと音を立て、小さなヒビが入り始めた。 「産まれる!」 キバナの表情が華やいで、俺の肩を抱いて卵を見守る。 俺もキバナに寄り添って、ヒトカゲやアゴジムシに、見てご覧!と声を掛けた。 ヒトカゲは笑顔で、アゴジムシは少し不思議そうに そういえばアゴジムシは孵化の瞬間を見せたことが無かった 、卵を見詰める。 そして卵のヒビはどんどん拡がり、やがて隙間から手が出た。 小さくて、でも自分で殻を割って崩そうと奮闘する、カーキー色の可愛らしい手。 すると、カブさんがこちらへやって来た。 俺は目を丸くする。 カブさんが、ウールーと、ココガラを連れている! 「この子たちにも見てもらった方が、いいんじゃないかい?」 そう微笑み、カブさんはふたりを俺の元へと背中を押してくれる。 「ウールー!ココガラ!」 ふたりとも、漸く緊張が解けた様子で、にっこり笑ってこちらへ来てくれた。 「本当にありがとう!ごめんな、ごめんな!」 俺は卵を抱えながら、ふたりを迎える。 喜ぶウールーとココガラだったが、すぐに、俺の腕の中の卵に気付き、ふたりとも驚いた様子で、目を輝かせて、卵と俺を交互に見詰めた。 「ヨォ、ダンデの相棒たち!見てみろ、新しい友だちが産まれるぞ!」 キバナがウールーを撫で、ココガラに腕を差し出す。 すると不思議なことに、ウールーもココガラもキバナの腕の方へと吸い込まれ、ダンデと卵の方を見ながら留まった。 追々、キバナが随分とポケモンから好かれる性質であることを知るのだが、今は卵が先だ。 遂に両手が卵から飛び出し、一気に上半分が崩れて落ちた。 キバ! 元気な声と共に、その子は誕生日する。 キバゴだ! 「やった!産まれたな!」 キバナが歓喜して、キバゴへと顔を寄せる。 すると念入りに、キバゴの身体を目視で観察し始めた。 キバゴはその間も、じっと俺を見つめる。 ルビー色の大きな双眸に、俺が映っているのがわかる。 そうだ、笑顔えがお!俺はニコッとキバゴに微笑みかけた。 するとキバゴも口元が緩んで、微笑んでくれる。 この大きな瞳に、俺はどう写っていたのだろう。 「多分女の子だぜ。 においから察するに。 身体も、後でポケモンセンターで診てもらった方がいいが、今のところ問題はなさそうだ。 」 キバナが俺にそう言って、ハイパーボールを手渡す。 キバゴ用に出してくれたらしい。 「やるよ、ボール。 」そう言って、俺のポケットにボールを突っ込んだ。 「おめでとう。 可愛いキバゴ君だね。 」 カブさんも近くまで来て、キバゴを目を細めて見詰める。 愛想の良いキバゴで、俺の腕の中で、キバナやカブさん、そしてポケモンたちに視線をあちこちに動かしては、喉をコロコロと鳴らして応えてくれる。 確かなあたたかさ。 確かな重み。 ハロンで何度となく立ち会った、命を感じる瞬間。 「君は、俺と共に行ってくれるか。 」 俺はキバゴにそう訊ねる。 するとキバゴは、じっと俺を見詰める。 そのルビーの双眸には、俺が映っている。 目を期待で輝かせ。 不安さえも燃やす、闘争の炎を滾らせて。 そしてそれは、俺を映す瞳の奥からも見えた。 キバゴ。 お前も、世界に期待しているのか。 俺と強くなりたいと、思ってくれるのか! キバ! キバゴは自信たっぷりに、元気良く応えた。 「おっ。 さすが〜。 卵の時から英才教育した甲斐あったな。 やる気満々だな、キバゴ!」 キバナがキバゴの頭を撫でる。 キバゴは嬉しそうにその触れ合いを受け入れて、可愛らしく鳴いている。 「おやのバトルを、卵の中から何度となく見てきた。 見えてはいないかもしれないが、肌では感じていただろうよ。 これはきっと、最高のドラゴンクイーンになるぜ!」 俺の肩を叩き、キバナが誇らしげにそう言った。 頷いて、俺もキバゴを撫でる。 キバゴは意欲たっぷりで、大きな牙をガチガチ鳴らして、自分の力をアピールしていた。 不思議なもので、ポケモンたちは産まれて間もなくても、自分がどのような力を持っていて、どう使うかを少し知っているらしい。 ウツギ博士の本にそんなことを書いていた。 実家で産まれたウールーたちも、教えられずとも移動の時は転がっているのを見ている。 ポケモンたちは、本当に、人間よりもよっぽど素晴らしい力を持っている。 俺はちっぽけだ。 「お前たちに見合うように、俺も強くなるからな。 」 俺はヒトカゲを、ウールーを、ココガラを、アゴジムシを、そして、キバゴを見た。 ヒトカゲはやる気満々だ。 ウールーは眠そうにしている。 ココガラはキバゴをじっと見ている。 アゴジムシはちょっぴり不安そう。 キバゴは俺をみて頷いた。 みんなと一緒に、強くなろう。 可愛いポケモンたち。 彼らの力を、少しでも発揮出来るように。 「キバナ。 」 俺はキバナを見た。 キバナが、なんだ?と、優しい笑顔で応えてくれる。 「ポケギアの番号、交換してくれないか。 」 するとキバナが飛び付いた。 「いーよ!オレ様も聞こうと思ってた!」 目を輝かせ、サッとポケギアを出す。 どうやって登録するんだったかな?あまり使ったことのない道具で操作に手間取ると、キバナがサクサクと操作しながら説明してくれた。 服装や立ち振る舞いからしても、いかにも都会で、良い所で育ってきたことを感じさせるキバナの佇まいに、俺は暫しキバナを上から下まで見る。 「さっきドラゴンタイプの話をしただろう?」 登録が済んだ辺りで、キバナがぽつりと話し始める。 「彼らは総じて強い、なんてさっき言ったがな。 勿論、例外もある。 」 するとキバナは、ボールからヌメルゴンを出した。 ヌメルゴンは飛び付くように、キバナを抱き締める。 キバナの小さな身体を抱き上げ、くるくると回り始めた。 よっぽど懐いているらしい。 その懐きっぷりに、やや俺たちは驚いたが、キバナは構わず話し続けた。 「ヌメルゴンの最初の姿は知っているか。 」 キバナが俺に問いかける。 俺はうーん、と唸った後に、「ヌメラか?」と答えた。 キバナは笑う。 「正解!」 「ヌメラは、実を言うとドラゴンタイプ最弱だなんて烙印を押されているポケモンだ。 臆病な性格で、乾燥に弱く、日陰で静かに暮している。 うちのお姫様も、そんな感じの、可愛いヌメラだった。 」 だが。 そうキバナは続ける。 「うちのお姫様は、ひかえめだが、負けず嫌いな気高いプリンセスだった。 野生のポケモンだった頃、他のポケモンに突かれてピンチを迎えていたんだが、何と果敢にも立ち向かっていてな。 最後には追っ払ってしまっていたよ。 」 キバナは誇らしそうに、ヌメルゴンを見ながら話す。 そんなヌメラは、今では最後まで進化し、プロボクサー百人分とも言える打撃力を誇るポケモンへと進化した。 ここまでの道のりは、果てしなかったことだろう。 そして、キバナは俺に視線を移した。 「ポケモンも色々だ。 強くてもバトルを好まないヤツもいるし、弱くても戦いたいヤツもいる。 そこは人間と変わらない。 そこは、俺たちで気持ちを汲んでやらねばらない。 」 俺は頷く。 「それをひっくるめて、俺はみんなを強くしてやりたいんだ。 肉体だけではない。 精神を、強くしたい。 」 まさに、キバナのヌメルゴンのように。 自分に負けない、心の強さを。 するとキバナが、満足そうに微笑んだ。 「待ってるぜ、チャレンジャー!ドラゴンタイプの弱点は、氷、フェアリー、そして同族であるドラゴンタイプ!そのキバゴをオノノクスにする頃には、俺へと辿り着いているだろう!」 キバナの目が、カッと吊り上がった。 闘争の光を迸らせ、キバナは獰猛に微笑んだ。 俺は身震いする。 今は全く、この少年に勝てる気はしない。 だが、それは今だけだ。 早く戦ってみたい。 君は、どんなバトルをするのか。 見たい! 「負けない。 」 俺はそう宣言する。 「このキバゴで、俺は君に挑む。 そして負けない。 絶対にだ!」 そう。 君にだけは、負けない。 腕の中のキバゴが、俺に呼応するようにして、勇猛に雄叫びを上げた。 すると隣に居たヒトカゲも、口から炎を迸らせ、声を上げる。 キバナが嬉しそうに笑った。 「そうこなくちゃな!ライバルとして、お前を応援するぜ、ダンデ!」 そして、彼はまた手を差し出した。 俺は頷き、キバナの手を取る。 今度は俺が、キバナの手を包み込むようにして握り、そして彼を引き寄せた。 「俺を導いてくれ、キバナ!俺が目指す場所へ!」 ライバル。 その言葉が、胸の奥にじんわりと拡がる。 〝今日からライバルだね、ダンデくん!〟 そう言ってくれた幼馴染みの姿が浮かぶ。 彼女もまた、俺を導いてくれる一人。 そして今、また一人。 俺を導いてくれるライバルが、此処に。 キバナは何故か少し顔を赤らめて、照れ臭そうに、口をもごもごさせる。 ちょっとだけ笑って、「お前、本当変わったヤツだな。 」 などと、小さな声で言った。 俺からすれば、十歳であのナックルシティのジムリーダーをして、オノノクスやヌメルゴンを育てているキバナの方が変わっている(と、いうより、十歳からトレーナーになれるというのに、一体どんな修行をしたんだ?)のだが。 「連絡しろよ。 お前、なんか連絡しなさそうなタイプだから、オレ様から鬼電してやるからな。 」 言っているキバナは、多分マメそうだなと俺は思う。 キバゴがオノンドになったら連絡するよ、なんて口走ると、「遅いよ!そんなに連絡しないつもりか、お前!」と怒られた。 こもれび林の夜は更ける。 さっきまであんなにおどろおどろしく見えた林が、こんなにも喜びと希望に満ちている。 カブさんが俺たちを手招いた。 「さ、エンジンシティまで送ろう。 タクシーがそろそろ来る。 一応、ポケモンセンターで診てもらおうね。 」 そう言ってくれて程なく、アーマーガアの雄叫びが複数聴こえた。 キバナが俺の手を握ったまま、微笑む。 「エンジンに着くまで、お前の話、聞かせて。 」 お前のポケモンたちの話も! 言われて俺は、キバナの手を握り返して応えた。 もちろん! さて、それからどんな話をしただろうか。 エンジンシティのポケモンセンターに、偶然にもソニアが居たことは覚えている。 俺がカブさんやキバナと一緒に居る姿を見て、開口一番彼女が言った一言が、「また迷子になってご迷惑をおかけしたの!?」だった。 びっくりするほど回りは笑っていた。 そして彼女の言っていることは当たっていた。 ライバルには何でもおみとおしらしい。 キバゴの育成方法だとかを、詳しく聞いた気がする。 実を言うと、キバナとは結構毎日連絡を取り合っていた。 あと迷子にも頻繁になった。 何度となくソニアとキバナに迎えに来てもらったな。 そして遂に、ヒトカゲがポケギアのマップ機能を使いこなせるようになった。 すごいな。 ポケモンの可能性には益々驚かされる。 キバナにはあんなこと言ったが、実はいっぱい負けた。 いっぱい悔しい思いをした。 その分、たくさん勝った。 ヒトカゲはリザードに進化した後も変わりなく優しいやつだったが、オノンドは大変だった。 身体も牙も大きくなってしまったので、完全に御せなくなった。 有り余るパワーを奮う彼女に、何度吹き飛ばされたか。 なので俺も筋トレを欠かさず、力をつけた。 オノンドとは最後、スモウ(カブさんに教えてもらった人間の競技だ)をとって三回に一回は勝てるようになった。 キバナとソニアには、何故だか恐れられたが。 キバナの言った「ゴリランダーかよ」という一言が忘れられない。 仲間も増えた。 ヒトツキ。 ドラメシヤ。 バリヤード。 別れもあった。 ウールー。 戦いには向いていない気質だったので、ハロンへ送った。 今では産まれたばかりの弟の世話を、それとなくしているらしい。 ココガラ。 アオガラスまで進化して、やはりハロンへ送った。 彼は実家でまた進化を重ね、アーマーガアとなって母さんや祖父母を時々郊外へ送っている。 農場の手伝いもよくしてくれる、働き者となった。 アゴジムシ。 実を言うとリーグ戦最後まで一緒にいた。 デンヂムシになった辺りで、うっかりその辺に落ちていた〝かみなりのいし〟を踏み、うっかり進化した。 そんなアクシデントも彼と共に喜んだ。 それらを経て。 ヒトカゲはリザードンへ。 ヒトツキはギルガルドへ。 ドラメシヤはドラパルトへ。 バリヤードはバリコオルヘ。 そして。 「立派になったなぁ、オノノクス!」 キバナが言う。 それらに満ちた、このナックルスタジアムで。 あのキバゴは、オノノクスとなり、このスタジアムの中心に立つ。 向かいには、あの時のアップリューが佇む。 「待っていたぜ、ダンデ!」 キバナが目を光らせ、俺を射るように見た。 俺もその瞳に応え、キバナを見据える。 「お前に勝ちに来た。 キバナ。 」 そう。 これが、俺たちの初戦。 遂にこの時が来た。 俺のライバル。 「ダンデくん!がんばれ!」 近くの観客席で、ソニアが声を張り上げているのが見えた。 俺はチラッとソニアを見て、そして天に向かい、腕を振り上げた。 リザードンポーズ! 絶対に勝つ、という俺の決意だ。 「来いよ!ダンデ!オノノクス!」 キバナが吼える。 俺は帽子を取り、口元に添えて背を伸ばした。 はじめよう。 チャンピオンロードへ、いざ。 「オノノクス」 〝であいがしら〟! 【レディ・ガーディアンと二人の少年】.

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アイアント/アイアントについての議論/であいがしらについて

オノノクス であい が しら

先制技は強い ポケモン対戦において、先制技はとても重要な役割を占めることは始めたばかりの初心者の方にも、なんとなくわかるだろう。 先制技はどんなに遅いすばやさ種族値のポケモンでも、必ず先に攻撃することができる。 当たり前のことだが、これがとても強い。 ポケモン対戦では火力が足りず、「あと少しが削れなて倒せない…」ということが往々に起こり得る、 この悩みを解決してくれるのが先制技であるが、あまりの優遇されっぷりにより、威力は軒並み低く設定されている。 基本的にメインウエポンとなる命中安定技、高火力技の威力は80〜120程度だが、先制技は40程度。 そんな中、ポケモンサンムーンにて破格の性能の先制技が登場した! それが「であいがしら」である 元は「グソクムシャ」の専用技 この技はもともと「グソクムシャ」の専用技。 「グソクムシャ」は高い種族値とカッコいい見た目の割に「ききかいひ」というマイナス特性のせいであまり使われていないが、 威力95 命中100 優先度2の先制技 という「であいがしら」のめちゃくちゃ破格の性能のおかげで、一定数のファンからは好まれ使われていた。 出てきたターンしか使えないというデメリットもあるが、技自体の性能は凄まじいもので、 「であいがしら」こそ「グソクムシャ」のアイデンティティであり、「グソクムシャ」といえば「であいがしら」、「であいがしら」といえば「グソクムシャ」でした。 時代は流れ、ポケモン剣盾 今作でタマゴ技として「であいがしら」を習得できるポケモンが出現し、 わざわざマイナス特性「ききかいひ」を持つ「グソクムシャ」を採用する意味は薄れてしまい、対戦環境ではめったに姿を見なくなりました。 今作で「であいがしら」を覚えるポケモン 「フライゴン」 追加要素で参入する「ガブリアス」の影に怯え続ける。 劣化界のスーパースター。 意外にも攻撃種族値100と、高い火力が期待でき、メインウエポンとなる「ドラゴン」「じめん」タイプの技範囲を広げる意味でも採用してもよいだろう。 元々フライゴンは対戦環境で「こだわりスカーフ」持ちが1番多く、もともと上から殴られるのを警戒されやすいため、先制技は警戒されずとも「であいがしら」が生きつらい立ち回りをされそうな予感がする。 物理型の場合は、「りゅうのまい」を覚えさせる型も有名だが、積み技は「であいがしら」との相性は悪い。 「オノノクス」 ランクマッチで使える全ポケモン中、1位というぶっ飛んだ攻撃種族値 147 そのバケモノ火力から飛んでくる先制技は、ばつぐんがとれない「インテレオン」や「ヒヒダルマ」を一撃で6割ほど持っていく火力であり、 「こだわりハチマキ」を持たせれば「ゴリランダー」「草ロトム」「サザンドラ」「タチフサグマ」など、抜群がとれるポケモンはほぼ一撃で落とすことができる。 特性「かたやぶり」と相まって恐ろしい技範囲を持ち、評価以上に活躍が期待できるポケモンである。 オノノクスの育成記事はこちら 「ネギガナイト」 「かくとう」タイプのポケモンが「であいがしら」を覚えることで、相性の悪いエスパータイプへの打点となりかなり強力。 攻撃種族値も、135とオノノクスには及ばないが高く、「であいがしら」ひとつあるだけで65と低いすばやさ種族値を補えるポテンシャルができた。 「ひこう」タイプは消えたが飛行技打点はあるため、今作の最強技「ダイジェット」を積むこともできる。 「アイアント」 もともと高い攻撃種族値を特性「はりきり」と「いのちのたま」で上げてありえない火力で殴ってくる。 その火力はダイマックスせずともHPが2倍になったダイマックスポケモン達を「ばつぐん」をとりさえすれば、叩き落とすこともあるほど強力。 「でんじは」や「こごえるかぜ」「ねばねばネット」などの、すばやさ操作技を駆使することでダイマックスしたアイアントは相手ポケモン3匹をたやすく持っていく。 そんな壊れ火力のポケモンがタイプ一致で打ち込んでくる威力95の先制技が弱いはずがない。 唯一の不安点は命中不安。 打つ側も打たれる側も画面の前で祈っているのであろう。 アイアントの育成記事はこちら 「タイレーツ」 カービィみたいな丸くて同じ奴が並んで同じ動きをしている新ポケモン。 このポケモンのみ使える固有技「はいすいのじん」は全能力1ランクアップする代わりに交代ができなくなるという破格の性能の積み技で、折角タイレーツを使うのなら採用したい技である。 しかし「であいがしら」「はいすいのじん」の技の相性は抜群に悪いため、気をつけたい。 「グソクムシャ」 ザ「であいがしら」の代名詞を奪われた悲しきポケモン それでも、ザ「であいがしら」の印象は拭えず、ありえないくらいであいがしらを警戒され、役割対象である「サザンドラ」などにぶち込みたいがなかなかぶち込まない。 物理耐久が高く、受け出しも可能場合も多いが、ダメージ計算を間違い、体力が半分を切ると殴られただけで手持ちに帰って行き1ターン無駄になる。 それでも種族値は高く、「アクアジェット」などの先制技も覚えるため、きっと上手くやれば活躍させることができるはずだが、私の実力では無理そうなのでお好きな方に任せます。

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第20話 ネギガナイト

オノノクス であい が しら

先制技は強い ポケモン対戦において、先制技はとても重要な役割を占めることは始めたばかりの初心者の方にも、なんとなくわかるだろう。 先制技はどんなに遅いすばやさ種族値のポケモンでも、必ず先に攻撃することができる。 当たり前のことだが、これがとても強い。 ポケモン対戦では火力が足りず、「あと少しが削れなて倒せない…」ということが往々に起こり得る、 この悩みを解決してくれるのが先制技であるが、あまりの優遇されっぷりにより、威力は軒並み低く設定されている。 基本的にメインウエポンとなる命中安定技、高火力技の威力は80〜120程度だが、先制技は40程度。 そんな中、ポケモンサンムーンにて破格の性能の先制技が登場した! それが「であいがしら」である 元は「グソクムシャ」の専用技 この技はもともと「グソクムシャ」の専用技。 「グソクムシャ」は高い種族値とカッコいい見た目の割に「ききかいひ」というマイナス特性のせいであまり使われていないが、 威力95 命中100 優先度2の先制技 という「であいがしら」のめちゃくちゃ破格の性能のおかげで、一定数のファンからは好まれ使われていた。 出てきたターンしか使えないというデメリットもあるが、技自体の性能は凄まじいもので、 「であいがしら」こそ「グソクムシャ」のアイデンティティであり、「グソクムシャ」といえば「であいがしら」、「であいがしら」といえば「グソクムシャ」でした。 時代は流れ、ポケモン剣盾 今作でタマゴ技として「であいがしら」を習得できるポケモンが出現し、 わざわざマイナス特性「ききかいひ」を持つ「グソクムシャ」を採用する意味は薄れてしまい、対戦環境ではめったに姿を見なくなりました。 今作で「であいがしら」を覚えるポケモン 「フライゴン」 追加要素で参入する「ガブリアス」の影に怯え続ける。 劣化界のスーパースター。 意外にも攻撃種族値100と、高い火力が期待でき、メインウエポンとなる「ドラゴン」「じめん」タイプの技範囲を広げる意味でも採用してもよいだろう。 元々フライゴンは対戦環境で「こだわりスカーフ」持ちが1番多く、もともと上から殴られるのを警戒されやすいため、先制技は警戒されずとも「であいがしら」が生きつらい立ち回りをされそうな予感がする。 物理型の場合は、「りゅうのまい」を覚えさせる型も有名だが、積み技は「であいがしら」との相性は悪い。 「オノノクス」 ランクマッチで使える全ポケモン中、1位というぶっ飛んだ攻撃種族値 147 そのバケモノ火力から飛んでくる先制技は、ばつぐんがとれない「インテレオン」や「ヒヒダルマ」を一撃で6割ほど持っていく火力であり、 「こだわりハチマキ」を持たせれば「ゴリランダー」「草ロトム」「サザンドラ」「タチフサグマ」など、抜群がとれるポケモンはほぼ一撃で落とすことができる。 特性「かたやぶり」と相まって恐ろしい技範囲を持ち、評価以上に活躍が期待できるポケモンである。 オノノクスの育成記事はこちら 「ネギガナイト」 「かくとう」タイプのポケモンが「であいがしら」を覚えることで、相性の悪いエスパータイプへの打点となりかなり強力。 攻撃種族値も、135とオノノクスには及ばないが高く、「であいがしら」ひとつあるだけで65と低いすばやさ種族値を補えるポテンシャルができた。 「ひこう」タイプは消えたが飛行技打点はあるため、今作の最強技「ダイジェット」を積むこともできる。 「アイアント」 もともと高い攻撃種族値を特性「はりきり」と「いのちのたま」で上げてありえない火力で殴ってくる。 その火力はダイマックスせずともHPが2倍になったダイマックスポケモン達を「ばつぐん」をとりさえすれば、叩き落とすこともあるほど強力。 「でんじは」や「こごえるかぜ」「ねばねばネット」などの、すばやさ操作技を駆使することでダイマックスしたアイアントは相手ポケモン3匹をたやすく持っていく。 そんな壊れ火力のポケモンがタイプ一致で打ち込んでくる威力95の先制技が弱いはずがない。 唯一の不安点は命中不安。 打つ側も打たれる側も画面の前で祈っているのであろう。 アイアントの育成記事はこちら 「タイレーツ」 カービィみたいな丸くて同じ奴が並んで同じ動きをしている新ポケモン。 このポケモンのみ使える固有技「はいすいのじん」は全能力1ランクアップする代わりに交代ができなくなるという破格の性能の積み技で、折角タイレーツを使うのなら採用したい技である。 しかし「であいがしら」「はいすいのじん」の技の相性は抜群に悪いため、気をつけたい。 「グソクムシャ」 ザ「であいがしら」の代名詞を奪われた悲しきポケモン それでも、ザ「であいがしら」の印象は拭えず、ありえないくらいであいがしらを警戒され、役割対象である「サザンドラ」などにぶち込みたいがなかなかぶち込まない。 物理耐久が高く、受け出しも可能場合も多いが、ダメージ計算を間違い、体力が半分を切ると殴られただけで手持ちに帰って行き1ターン無駄になる。 それでも種族値は高く、「アクアジェット」などの先制技も覚えるため、きっと上手くやれば活躍させることができるはずだが、私の実力では無理そうなのでお好きな方に任せます。

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