井上 陽水 氷 の 世界。 井上陽水

週刊「歴史とロック」 : 井上陽水 『氷の世界』

井上 陽水 氷 の 世界

解説 [ ]• 当時の日本人アーティストの作品としては珍しく、でレコーディングされた。 のメンバーであったピート・ロビンソンとジョン・ガスタフソン、後にに参加するレイ・フェンウィック、の『』のストリングス・アレンジャーを務めたニック・ハリソンなどの現地ミュージシャン・スタッフが参加している。 当時、LP(アルバム)はEP(シングル)と比して非常に高価であったが、100週以上BEST10に留まるなどロングセールスを続け、発売から2年後の8月に日本レコード史上初のLP販売100万枚突破の金字塔を打ち立てた。 また、オリコンのLPチャートでは5度も1位に返り咲くという珍記録を持っている。 にが発売される前のミリオンセールスアルバム(オリコン集計)4作品のうちの一作品である(そのほかは、『』・『』・『』である)。 累計売上は140万枚。 陽水の地元、・のにある「天神店」(現:ヤマハミュージックリテイリング福岡店)では、朝8時ごろレコード店に客が殺到し、まだシャッターが下りた店の前で係員4、5人が、積み上げた段ボール箱からレコードを取り出し、汗だくで即売をした。 先行シングルとしてアルバム制作中にリリースされた「」は、陽水にとって初ののトップ10入りとなった。 も、に発表したアルバム『』で、カバーしている。 1983年に初めてCD化され、1990年、1996年、2001年(紙ジャケット仕様)、2006年、2008年(仕様)にも再リリースされている。 また2007年には完全予約限定生産でLPが発売され、2014年には発表40周年記念としてボーナストラックとDVDが追加されたリマスター盤が発売された。 レコードジャケットは楽屋でギターを奏でる陽水を写したもので、このギターはの所蔵品であることを忌野本人が後日談として語っている。 アルバムジャケットを撮影した中村冬夫によると、とある事情でネガを現像液に浸けておく時間が長くなり、あの独特の白い感じになったとの事。 2014~2015年に行われた「井上陽水氷の世界ツアー」は「氷の世界」発売40周年を記念して、「氷の世界」収録曲を全曲歌った。 収録曲 [ ] SIDE A [ ]• あかずの踏切り• 作詞:井上陽水/作曲・編曲: 星勝が所属していたへの提供曲。 で歌唱したバージョン(『』に収録)とはメロディが異なっている(そちらの作曲は陽水自身)。 後に発売されるライブ・アルバム『』に、スタジオ録音音源として「あかずの踏切り'76」が収録されており、これも上記2つとはメロディが異なっている。 はじまり• 作詞・作曲:井上陽水/編曲:星勝 「あかずの踏切り」から繋がった状態で始まる。 、が参加している。 帰れない二人• 作詞・作曲:井上陽水・/編曲:星勝 4thシングル「心もよう」のB面収録曲。 このアルバムでは「はじまり」から繋がって始まる。 との合作で、RCサクセションの当時未発表曲だった「指輪をはめたい」を元に制作された。 イントロはニール・ヤングの「the needle and the damage done」から影響を受けている。 陽水自身はこの曲をA面にするよう主張していたほどお気に入りの曲で、ライブでの披露頻度も高い。 映画『』(1990年)の主題歌として使用された。 チエちゃん• 作詞・作曲:井上陽水/編曲:星勝・• 作詞・作曲:井上陽水/編曲:星勝・ニック・ハリソン 自身の代表曲であり、現在でもコンサートでは必ず演奏される曲である。 白い一日• 作詞:/作曲:井上陽水 作詞を担当した小椋佳も1974年にシングルとしてリリースしている(歌詞とメロディがわずかに異なる)。 自己嫌悪• 作詞・作曲:井上陽水/編曲:星勝 高中正義が参加している。 歌詞に『』と言う単語が登場するため、1996年発売のリマスタリング再発盤では自主規制により収録が見送られた。 その後発売された再発盤では自主規制が解除されて再収録されている。 SIDE B [ ]• 作詞・作曲:井上陽水/編曲:星勝 細野晴臣が参加している。 待ちぼうけ• 作詞・作曲:井上陽水・忌野清志郎/編曲:星勝 忌野清志郎との合作。 細野晴臣が参加している。 桜三月散歩道• 作詞:/作曲:井上陽水/編曲:星勝 『』1973年3月号の付録ソノシートに別バージョンが収録(こちらはがナレーションを担当)。 『まんがNo. 1』版の『桜三月散歩道』は2006年に発売された『赤塚不二夫のまんがNo. 1 シングルズ・スペシャル・エディション』で初CD化された。 Fun• 作詞・作曲:井上陽水/編曲:星勝・ニック・ハリソン 高中正義が参加している。 小春おばさん• 作詞・作曲:井上陽水/編曲:星勝• おやすみ• 作詞・作曲:井上陽水/編曲:星勝 40th Anniversary Special Edition ボーナストラック [ ]• 白い一日[Another take]• 歌詞の譜割りが違い、またバイオリンがカットされている。 40th Anniversary Special Edition 付属DVD [ ]• 井上陽水 ドキュメント"氷の世界40年"• 2013年にで放送されたドキュメンタリー番組に約10分の未発表映像を加えた特別編集版。 参加ミュージシャン [ ]• 他のミュージシャンによるカヴァー [ ] 本アルバムの楽曲は、複数のミュージシャンによってカヴァーされている。 「」「」については当該記事を参照。 以下はその他のカヴァー曲、ミュージシャンと収録アルバムの一例である (本アルバム収録順)。 「帰れない二人」 - feat. 『MY PLEASURE〜FEATURING GREATEST MUSICIANS〜』、『』• 「桜三月散歩道」- 『』• 「小春おばさん」- 『』• 「おやすみ」 - 『』 脚注 [ ] [].

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井上陽水『氷の世界 [Remastered 2018]』のアルバムページ|2001327515|レコチョク

井上 陽水 氷 の 世界

この「氷の世界」は、もちろん作詞:井上陽水、作曲:井上陽水の楽曲だ。 そして、本人さえも「なぜ そんな歌詞・フレーズを 書いたか分からない」と語ったことがある。 紐解いてみるとそこには、リリースから半世紀近く経った現在にも通ずる…むしろこんな時代だからこそ理解できてしまう、ひとりの男の孤独が隠されていた。 井上陽水とは? 福岡県出身の71歳、現役シンガーソングライター。 1969年に「アンドレ・カンドレ」の名でレコードデビュー。 1972年「井上陽水」と名を改め再デビューしたのちに発表した1stアルバム「断絶」、シングル「傘がない」はともに高い評価を得る。 さらに、1990年に発表され、夏の日の想い出を描いた曲「少年時代」は、ミリオンセラーを記録し、カラオケ各社が発表している井上陽水のカラオケランキングでも第1位、歌詞検索サイトUtaTenの井上陽水の歌詞ランキングでも1位となっている。 "風あざみ"というキャッチーなフレーズや、作曲を井上陽水と共に担当した平井夏美が作り上げたイントロが印象的だ。 自身の作詞・作曲を手掛けるだけでなく、他のアーティストへの歌詞提供・楽曲提供も多い。 2019年現在、デビュー50周年記念ライブツアー「光陰矢の如し 少年老いやすく学成り難し」が大盛況を博している。 井上陽水が描く独自の世界 井上陽水の作品の魅力は、フォーク、ロック、ブルース、歌謡曲…いずれとも定義されない独自の世界観。 形にとらわれない、彼にしか生み出せない音楽が同年代の若者たちに支持され、ヒット曲となりました。 歌詞には比喩表現や造語が度々用いられ、一見すれば難解なもの。 しかしひとたび紐解いてみれば、彼の楽曲や歌詞の世界には誰もが共感を抱くような普遍的な感情や、身近な出来事が溢れていたりします。 着眼点や表現こそ独特ながら、井上陽水も我々と同じ世界を生き、同じことを考えている。 そう感じられるのも、井上陽水の楽曲が愛される理由のひとつです。 正直に言ってワケがわかりませんよね。 だからこそ続きが知りたくなる。 この時点で、まんまとリスナーを「氷の世界」に迷い込ませています。 そしてのちほどこの曲の全貌が見えてきたとき、このフレーズが持つ意味に気付くはずです。 東京オリンピック以降、 各家庭のテレビのカラー化は進みましたが、実際に定着したのはこの楽曲が制作された1970年前後のこと。 「寒さで画期的な色になる」という言い回しに、井上陽水らしいセンスを感じますね。 指切りは、相手がいなければできないもの。 「今日は一日はりつめた気持ちでいたい」という主人公は、常日頃「はりつめた気持ち」とは縁のない、自堕落な生活を送っていることが想像できます。 指切り、約束、予定…そういったものがない生活というのは、自由なようであり、虚無感漂うとても孤独なもの。 「軽い嘘でもいいから」 「みんな笑ってくれるし」 自分を卑下するような表現をしてでも、誰かとつながっていたいという強い想いが読み取れます。 歌詞を読めば読むほど、そんな孤独な男の姿が浮かんできます。 井上陽水をそうさせた理由はなんなのか… 冒頭で「今年の寒さは記録的なもの」とありますが、では去年の冬は違ったのだろうかと、想像をかきたてられます。 こんなこと、言いたいけど言えない、言わない。 みんなそうして生きているのに、井上陽水はさらっと歌にしてしまう。 一見、なんの脈絡もないような難解な世界で。 語尾にクエスチョンをつけ、純粋な驚きとともに「エライヒト」に問いかけるような台詞。 敬意を込めているようで静かに皮肉っている。 「やさしさ」を「ガンバッている」と言ってしまうあたりに、悪いことを考えない人間や根っから優しい人間などそもそもいないだろうという、主人公の寂しい心が読み取れます。 ここまで解説してきたように、この曲の主人公は孤独であり「なぜそれほどまでに? 」というほど人間に対して疑心暗鬼になっています。 窓の外のリンゴ売り 果たしてリンゴ売りなど存在するのかも不明ですが を「リンゴ売りのまねをしているだけなんだろう」と些細なことまで疑い、外の世界を確認しようとさえしない、いや、できない男。 井上陽水の感じている寒さの正体、その1つは「外の世界」という、恐ろしく冷たい と思い込んでいる もの。 人はみな誰かを傷つけたいと思い、そう思わないものはその心を隠しているだけ。 そんな世界。 そして、井上陽水が感じているもう1つの寒さは「孤独」。 彼には指切りをする相手も、まして傷つける相手さえもいない。 ただ流れていく時間と、流れていく涙。 それだけの毎日。 そこにぬくもりはありません。 寒く寒くこごえてしまう、そんな世界です。 しかし「寒さのせい」と言い聞かせなければならないほどには、彼は気づいている。 信じられないほどの寒さの正体に。 井上陽水は誰よりも「人」が怖く、誰よりも「人」を欲している。 「ぬくもり」「愛情」「居場所」そんな言葉にも置き換えられるかもしれません。 ひとりの男のアンビバレンツな感情が、歌詞を通して寂しさと狂気をもって語られるストーリー。 井上陽水と世界を隔てる幻。 それが「氷の世界」の正体です。 TEXT シンアキコ.

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1973/12/1日本レコード史上初のミリオンセラーアルバム井上陽水『氷の世界』リリース【大人のMusic Calendar】

井上 陽水 氷 の 世界

日本初のミリオンセラーは 「狂気」のアルバムだった 井上陽水が1973年12月にリリースした 『氷の世界』は、 113週(!)にわたってトップ10にランクインし続け、 ついに日本の音楽史上初めて100万枚を売り上げたアルバムになりました。 陽水は発売当時25歳でした。 今年5月、発売40周年記念盤が発売されたので、 僕は初めてこの、日本音楽史の金字塔ともいうべき作品を聴きました。 とりあえず結論から言うと、すごいアルバムでした。 聴き終えて(正確には聴いている途中から既に)圧倒されました。 完全にノックアウトです。 曲が良いからか。 もちろん、それは間違いないです。 例えば3曲目に収録されたとの共作曲 <帰れない二人>などは、 空前絶後の大名曲だと思います。 しかし、僕が「とんでもないすごいアルバム」と感じた一番の理由は、個々の楽曲の質の高さではなく、 アルバム全体を言いようのない緊張感が、 あえて言葉を探すなら「 狂気」と呼ぶべき空気が貫いているところでした。 目の前に横たわるたった一つの隔たりが越えられないばかりに幸せが遠く去っていく。 その焦燥感をファンキーなサウンドで叩きつける1曲目の <あかずの踏切り>や、 一見、好きな人が去った失恋ソングなのに、 聴いているうちにワルツの可愛い曲調がなぜかその女性の死を予感させる <チエちゃん>など、 どの曲にもなにか正常じゃない、鬼気迫るものを感じます。 そしてそれは、歌詞の影響ももちろんあるのですが、 僕は 陽水の歌声そのものから発せられる狂気なんじゃないかと思います。 当時25歳だった陽水の声は今よりも瑞々しく、しかしその中に、 何かに取りつかれている、あるいは何かに背中を追われているような切迫感があるのです。 このアルバムは、陽水の「声」抜きには成立しないアルバムだと思います。 しかし、だからこそ僕は思いました。 なぜこんな、取りようによっては「いびつ」なアルバムが、100万枚も売れたのかと。 付録のドキュメンタリーDVDを見ていたら、人類学者の 中沢新一が、 <あかずの踏切り>を例にこんなことを言っていました。 それまでのメッセージソングというのは、 社会の理想や個人の幸福といった< 到着点>を示すものばかりだった。 それに対して井上陽水は、開かない踏切りを目の前にしてただ「 待つ」こと、 「 待つしかない」ということを歌った。 それが画期的だった。 そして、経済学者の 榊原英資はこう語ります(榊原先生まで出てくるのがすごいですね)。 『氷の世界』が発売された 1973年というのは、ちょうど日本の 高度経済成長が終わった年。 オイルショックが起きて戦後初めてマイナス成長を記録し、いきなり先行きが見えなくなった。 そうした時代の空気が、このアルバムにマッチしていた。 作詞家の なかにし礼は、別の角度から同じようなことを語っています。 それまでの歌謡曲は、 職業作詞家が詞を書き、 職業作曲家が曲を作り、 歌手はそれを歌うだけ、というのが常識だった。 しかし、1973年にはもう、我々職業作詞家の言葉では、 時代の空気をすくい取れなくなっていたんだと思う。 言葉も曲も自分の手で生み出す井上陽水の登場によって、 「歌謡界」というものは終わったのだ。 アーティストがそれまでの「お仕着せ」を脱却し、自分が歌う曲は自分で作るというエポックは、 陽水が敬愛するが、当時のポップス界で果たした役割と、非常によく似ています。 時代の流れが変わり、それに既存の音楽が対応しきれなくなったときに、 突如全く新しいスタイルのアーティストが現れ、リスナーはそれを熱狂的に迎える。 『氷の世界』は、音楽界が時代と呼応したことで起きた、 一種の「 新陳代謝」という面があるのかもしれません。 しかし、じゃあ、発売当時生まれてもいなかった僕が、 こんなにもこのアルバムに惹きつけられるのはなぜだろうと思います。 時代や世代を超えた普遍性があるからこそ、 『氷の世界』は日本初のミリオンセラーになったんじゃないか。 僕自身の実感としては、そっちの方がしっくりきます。 この作品のもつ普遍性。 それはやはり、何度も言うように「狂気」なんじゃないかと思います。 僕がアルバムの中で最も狂気を感じるのは、表題曲 <氷の世界>です。 この曲に関しては、歌詞を読むだけでその狂気が伝わります。 人を傷つけたいな 誰か傷つけたいな だけど出来ない理由は やっぱりただ自分が恐いだけなんだな そのやさしさを秘かに 胸にいだいている人は いつかノーベル賞でももらうつもりでガンバってるんじゃないのか 中沢新一も指摘していましたが、特に強烈なのは「 人を傷つけたいな」という一言です。 このフレーズには、思わず背中に汗が流れるような、 まさに「氷の世界」なるゾクッとしたものを感じます。 そして、そういう思いを隠しているのは「 ノーベル賞でももらうつもりなんだろう」と、 強烈な皮肉と共に鼻で笑っている。 僕は思います。 この皮肉から逃れられる人っているんだろうかと。 「 『人を傷つけたい』と考えたことのない人」なんて、果たしているのだろうかと。 そのくらい、このフレーズには人間の本性を丸裸にする鋭さがあると思います。 そう考えると、これを歌う陽水は狂気というよりも、 むしろ 誰よりも正常で、誰よりも正直なんじゃないかと思えてきます。 この、喉元に刃を突きつけられ、身ぐるみはがされるような感覚の中に、 僕は40年前も今も変わらない強いリアリティを感じます。 もし今の時代にこういうアルバムが出てきたら、 果たしてどう受け止められるんでしょうか。

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